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12. 天使のティータイム -2-
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「シュゼット、久し振り。元気にしていた?」
黒髪の少年は爽やかに微笑むと、足早にシュゼットの傍までやってきた。
「エーリック殿下……いらっしゃるなら、ご連絡くださいな? 家の者が驚きますわ」
一応、腰を落として挨拶をする。正式な訪問では無いし、彼があくまでもクラスメートの家に遊びに来た風を装っているから。
(ご挨拶は、これくらいで良いわよね? まあ、来るかもしれないとは思いましたけど? 席を用意しておいて良かったですわ)
「ごめんね? セドリックから聞いて、どうしても会いたくなってしまったから連れて来て貰ったんだ。ね? セドリック?」
「我がライバルよ! 1年振りだな? さあ、まずは手土産だ。これはまだ知るまい! 今王都の女学生に大人気のキャンディーだ!! 心して受け取るがいい!!」
「……私の事を無視した挙句、お前随分上から目線だな?」
「エーリック殿下。セドリック様はこれで平常運転ですわ。さあ、お席にどうぞ?」
「ああ。ありがとう」
シュゼットがテーブルに向けて視線を向けると、エーリックは嬉しそうに微笑んで席に着いた。
「おい!! シュゼット・メレリア・グリーンフィールド! 僕の話を聞け!!」
ふう。セドリックの面倒臭さは1年経っても、留学しても変わっていない。そしてこのフルネーム呼びも懐かしささえ感じる。
「聞いていますわ。どうもありがとうございます。セドリック様もどうぞ? お席に着いて下さいな」
球体ガラスの容器に色とりどりのキャンディーが詰められて、ピンクと白のストライプのリボンが掛かっている。可愛らしい彩りと大きなリボンに、女学生に人気があるのが判る。映ばえるのだ。
「可愛らしいキャンディーですね? お二人で選んで下さったの?」
「僕・セ・レ・ク・ト・だ!」
エーリックが口を開くのを遮るようにセドリックが言う。良くこれで不敬に問われないものだと思う。エーリックとシュゼットは顔を見合わせると、思わず苦笑いをした。
隣国の第三王子であるエーリックは、セドリックと同時期にコレール王国に留学してきた。
王家に縁の深い公爵家の国外駐在に、他国へ遊学する年齢になっていたエーリック王子が是非にと同行したのだった。本来であれば、学問的水準は自国の方が高いが、魔法術に関してだけはコレール王国の方がレベルが高かったからだ。そう、エーリック王子は数少ない魔法術が使える人間なのだ。
第三王子ではあるが、王位継承順位はそう高くない。
すでに、第一王子と第二王子は成人して妻子もいる。順当にいけば、第一王子である長兄が王位を継ぐし、その息子の王子達がすでに5歳と1歳になっているので自分に回ってくることは余程のことだ。だから、無駄に王位継承の争いに関わることが無いように一線を引いていた。幼い頃から魔法術の研究に生涯を捧げようと思っていた。
黒い髪は艶やかで、肩先までのストレート。濃い紫色の瞳が涼しげで賢そうに見える。テレジア学院に在学中から人気があった。温和で成績優秀、剣術の得意な王子は女生徒の憧れだったが、王子であることと魔法術の使い手である彼には、おいそれとは近づけなかった。
だから、彼が留学すると決まった時には女生徒の悲鳴が上がり、何とか縁を繋ごうとする強者達が殺到したのだった。幸い振り切ることは出来たけれど。
「あらためて、お久し振りですわ。エーリック殿下、セドリック様。1年振りですけど、お元気でいらっしゃいました?」
シュゼットは、自ら紅茶を淹れて二人に振る舞う。花柄のティーポットを両手に持って、小首を傾げるように注ぐ姿にエーリックは目を細めた。シュゼットの金色の長い髪が、肩からさらりと一筋流れると、一枚の絵画の様に美しい風景になった。
「君は変わらないな?」
エーリックが立っているシュゼットを上目遣いに見ながら言った。
「そうでしょうか?」
1年振りの懐かしさが滲むその問いかけに、ふんわりした笑顔を向ける。そして、変わらないのは貴方の方ですわ? と瞳で答える。
「君がこの国に帰ってくるのを待っていた! やはりライバルがいないと張り合いがないからな!」
注がれた紅茶をぐびぐびと飲み干して、お替りの催促をしてセドリックが言った。
「……まあ、セドリック様は私を待っていて下さったのですか? もしかして、お寂しかったのかしら?」
真面目な口調で、でもほんの少しだけ揶揄うような色を込めてシュゼットが聞き返すと、彼は真っ赤な顔になって否定した。
「ま、待ってなどいない! アウェーで知る者が少ないから、そ、そう思っただけだ!!」
セドリック以外の人間は絶対皆気が付いている。本人だけが気が付いていない。
そう、彼はシュゼットがとても気になっている存在なのだ。
「ところで、シュゼットも王立学院に通うのだろう? 編入試験は受けたのかい?」
優雅な仕草でカップを口に運びながら、寛いだ表情でエーリックが聞いてきた。
(そうよ。ここからが今日のメインですわよ)
「ええ。昨日受けましたの。合格したから来週から通うことになりますわ」
「合格したのか! そうだろう我がライバルであれば当然だ! クラスは決まっているのか?」
若干の上から目線が気になるが、これは褒めてくれていると解釈する。
「ええと、 ≪白≫ のクラスです。昨日、ハート先生にご案内して頂いて、少し中も覗かせて頂きました」
思い出してフフフと微笑む。
「白! 一緒だな! 僕達も白だ」
「……!?」
黙って聞いていたエーリックがハッと思い出したような顔をした。
「殿下? どうなさいました?」
「ああ、そうか。昨日シュゼットが来たのか。だからか」
今日は、朝から謎の美少女の話題でざわついていたのを思い出した。エーリックとセドリックは前の方の席なので、後ろのドアから覗いていたシュゼットを見ることは無かった。それに、ハート教授とシュゼットがお茶をしていた食堂ホールへも行っていない。なぜなら、セドリックが教授に質問三昧で小一時間程、教務室に押しかけていたからだ。いつものことと、エーリックもそれに付き合っていた。
「シュゼット、君の事が噂になっているよ? ドアから覗いていたあの娘は誰かって。それに、もしかして食堂ホールでハート教授とお茶してた?」
「確かに、ハート先生が試験官だったのですが、試験が早く終わった流れで校舎を案内して下さいましたの。それで、食堂近くに行った時にお茶に誘って下さいました」
(よーし!! 殿下の耳に入っているということは、結構な話題になっているということだわ)
「ハート教授がねぇ? 珍しいこともあるものだね。それで、二人でクッキーを仲良く食べさせ合っていたって?」
「まあ! そんな事する訳ありません! 注文したクッキーのお皿をどうぞっと差し出しただけですわ」
驚いた風に、目を見開いて説明した。(そこもちゃんと見られていたわね。話題作りはできたわね)
「そんなことだと思ったよ。まあ、ハート教授は女生徒に人気があるからね。噂が大きくなったかな? 彼の事をよく知っていれば、人前で女の子にそんな事する人物とは思わないけどね」
「そうだ。シュゼット・メレリア・グリーンフィールド! 誤解を受ける様な行動には気を付けたまえ! 君は見た目は天使の様に可愛らしくて頭も良いし、性格もまあまあイイ性格だからな! 自覚したまえ!」
『……』
エーリックとシュゼットが顔を見合わせた。本日2度目だ。
「んっ? あ、あれっ?」
「セドリック。気が付いていないなら良い。もうお前はそのままでいいから。気にするな」
「でも、恥ずかしいですわ。そんな噂になっているなんて。嫌ですわ。もうクラスに顔を出せません。皆さんに何て思われているか……」
困ったように頬に手を当てる。さて、ここから本格的に情報収集しなければ。
「クラスにはどんな方がいらっしゃるのでしょう? 私、馴染めるかしら? 心配になってしまいました」
さあ、お二人とも! 知っている事を教えて下さいな!! 特に人間関係を!!
黒髪の少年は爽やかに微笑むと、足早にシュゼットの傍までやってきた。
「エーリック殿下……いらっしゃるなら、ご連絡くださいな? 家の者が驚きますわ」
一応、腰を落として挨拶をする。正式な訪問では無いし、彼があくまでもクラスメートの家に遊びに来た風を装っているから。
(ご挨拶は、これくらいで良いわよね? まあ、来るかもしれないとは思いましたけど? 席を用意しておいて良かったですわ)
「ごめんね? セドリックから聞いて、どうしても会いたくなってしまったから連れて来て貰ったんだ。ね? セドリック?」
「我がライバルよ! 1年振りだな? さあ、まずは手土産だ。これはまだ知るまい! 今王都の女学生に大人気のキャンディーだ!! 心して受け取るがいい!!」
「……私の事を無視した挙句、お前随分上から目線だな?」
「エーリック殿下。セドリック様はこれで平常運転ですわ。さあ、お席にどうぞ?」
「ああ。ありがとう」
シュゼットがテーブルに向けて視線を向けると、エーリックは嬉しそうに微笑んで席に着いた。
「おい!! シュゼット・メレリア・グリーンフィールド! 僕の話を聞け!!」
ふう。セドリックの面倒臭さは1年経っても、留学しても変わっていない。そしてこのフルネーム呼びも懐かしささえ感じる。
「聞いていますわ。どうもありがとうございます。セドリック様もどうぞ? お席に着いて下さいな」
球体ガラスの容器に色とりどりのキャンディーが詰められて、ピンクと白のストライプのリボンが掛かっている。可愛らしい彩りと大きなリボンに、女学生に人気があるのが判る。映ばえるのだ。
「可愛らしいキャンディーですね? お二人で選んで下さったの?」
「僕・セ・レ・ク・ト・だ!」
エーリックが口を開くのを遮るようにセドリックが言う。良くこれで不敬に問われないものだと思う。エーリックとシュゼットは顔を見合わせると、思わず苦笑いをした。
隣国の第三王子であるエーリックは、セドリックと同時期にコレール王国に留学してきた。
王家に縁の深い公爵家の国外駐在に、他国へ遊学する年齢になっていたエーリック王子が是非にと同行したのだった。本来であれば、学問的水準は自国の方が高いが、魔法術に関してだけはコレール王国の方がレベルが高かったからだ。そう、エーリック王子は数少ない魔法術が使える人間なのだ。
第三王子ではあるが、王位継承順位はそう高くない。
すでに、第一王子と第二王子は成人して妻子もいる。順当にいけば、第一王子である長兄が王位を継ぐし、その息子の王子達がすでに5歳と1歳になっているので自分に回ってくることは余程のことだ。だから、無駄に王位継承の争いに関わることが無いように一線を引いていた。幼い頃から魔法術の研究に生涯を捧げようと思っていた。
黒い髪は艶やかで、肩先までのストレート。濃い紫色の瞳が涼しげで賢そうに見える。テレジア学院に在学中から人気があった。温和で成績優秀、剣術の得意な王子は女生徒の憧れだったが、王子であることと魔法術の使い手である彼には、おいそれとは近づけなかった。
だから、彼が留学すると決まった時には女生徒の悲鳴が上がり、何とか縁を繋ごうとする強者達が殺到したのだった。幸い振り切ることは出来たけれど。
「あらためて、お久し振りですわ。エーリック殿下、セドリック様。1年振りですけど、お元気でいらっしゃいました?」
シュゼットは、自ら紅茶を淹れて二人に振る舞う。花柄のティーポットを両手に持って、小首を傾げるように注ぐ姿にエーリックは目を細めた。シュゼットの金色の長い髪が、肩からさらりと一筋流れると、一枚の絵画の様に美しい風景になった。
「君は変わらないな?」
エーリックが立っているシュゼットを上目遣いに見ながら言った。
「そうでしょうか?」
1年振りの懐かしさが滲むその問いかけに、ふんわりした笑顔を向ける。そして、変わらないのは貴方の方ですわ? と瞳で答える。
「君がこの国に帰ってくるのを待っていた! やはりライバルがいないと張り合いがないからな!」
注がれた紅茶をぐびぐびと飲み干して、お替りの催促をしてセドリックが言った。
「……まあ、セドリック様は私を待っていて下さったのですか? もしかして、お寂しかったのかしら?」
真面目な口調で、でもほんの少しだけ揶揄うような色を込めてシュゼットが聞き返すと、彼は真っ赤な顔になって否定した。
「ま、待ってなどいない! アウェーで知る者が少ないから、そ、そう思っただけだ!!」
セドリック以外の人間は絶対皆気が付いている。本人だけが気が付いていない。
そう、彼はシュゼットがとても気になっている存在なのだ。
「ところで、シュゼットも王立学院に通うのだろう? 編入試験は受けたのかい?」
優雅な仕草でカップを口に運びながら、寛いだ表情でエーリックが聞いてきた。
(そうよ。ここからが今日のメインですわよ)
「ええ。昨日受けましたの。合格したから来週から通うことになりますわ」
「合格したのか! そうだろう我がライバルであれば当然だ! クラスは決まっているのか?」
若干の上から目線が気になるが、これは褒めてくれていると解釈する。
「ええと、 ≪白≫ のクラスです。昨日、ハート先生にご案内して頂いて、少し中も覗かせて頂きました」
思い出してフフフと微笑む。
「白! 一緒だな! 僕達も白だ」
「……!?」
黙って聞いていたエーリックがハッと思い出したような顔をした。
「殿下? どうなさいました?」
「ああ、そうか。昨日シュゼットが来たのか。だからか」
今日は、朝から謎の美少女の話題でざわついていたのを思い出した。エーリックとセドリックは前の方の席なので、後ろのドアから覗いていたシュゼットを見ることは無かった。それに、ハート教授とシュゼットがお茶をしていた食堂ホールへも行っていない。なぜなら、セドリックが教授に質問三昧で小一時間程、教務室に押しかけていたからだ。いつものことと、エーリックもそれに付き合っていた。
「シュゼット、君の事が噂になっているよ? ドアから覗いていたあの娘は誰かって。それに、もしかして食堂ホールでハート教授とお茶してた?」
「確かに、ハート先生が試験官だったのですが、試験が早く終わった流れで校舎を案内して下さいましたの。それで、食堂近くに行った時にお茶に誘って下さいました」
(よーし!! 殿下の耳に入っているということは、結構な話題になっているということだわ)
「ハート教授がねぇ? 珍しいこともあるものだね。それで、二人でクッキーを仲良く食べさせ合っていたって?」
「まあ! そんな事する訳ありません! 注文したクッキーのお皿をどうぞっと差し出しただけですわ」
驚いた風に、目を見開いて説明した。(そこもちゃんと見られていたわね。話題作りはできたわね)
「そんなことだと思ったよ。まあ、ハート教授は女生徒に人気があるからね。噂が大きくなったかな? 彼の事をよく知っていれば、人前で女の子にそんな事する人物とは思わないけどね」
「そうだ。シュゼット・メレリア・グリーンフィールド! 誤解を受ける様な行動には気を付けたまえ! 君は見た目は天使の様に可愛らしくて頭も良いし、性格もまあまあイイ性格だからな! 自覚したまえ!」
『……』
エーリックとシュゼットが顔を見合わせた。本日2度目だ。
「んっ? あ、あれっ?」
「セドリック。気が付いていないなら良い。もうお前はそのままでいいから。気にするな」
「でも、恥ずかしいですわ。そんな噂になっているなんて。嫌ですわ。もうクラスに顔を出せません。皆さんに何て思われているか……」
困ったように頬に手を当てる。さて、ここから本格的に情報収集しなければ。
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