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シント編
218話 各所の爪痕③
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シントの街の外、平原を挟んで南側。
森に至る境目と、北から流れる川との交差する場所。
あの封書の手紙に書かれていた場所だ。
不審な手紙だった。そこで待つ、とだけ書かれた質素な文面だった。
第三者の手をほとんど渡らず届いたそれは、偽物という事は無いだろう。そもそも連絡待ちの事情を知っている人自体少ないはず。
本人も含め疑いたくはないが、自然とひとつの予測に行き着いてしまう。
「やぁ、久し振り。よく来てくれたね。」
「…なんのつもりですか。」
その木にもたれかかりながら、待っていた便りの主、コンジュさんだ。
「まぁ…ね、『都合がついた』からね。」
「それはラディに関係ある事か?」
反射的に出た問い、疑わずにはいられなかった。
「まぁそう急ぐなって。折角なんだ、ちょっとくらい語らせろよ。」
一呼吸の間を置いて、歩きながらコンジュさんが話を続ける。
「元々アタシな、魔術兵器開発してたんだよ、よその国で。
でも好き勝手やりすぎて、色々中断させられちゃってね。だからムカついてその国から出てったんだよ。」
歩み寄るコンジュさんに、なんの武装も見受けられない。それが逆に不気味に見える。
「でもね、偶然見つけたんだよ、廃棄された『それ』の一つをさ。
だからちょっとばかし発信機を付けさせてもらってね。
で、昨日やっと回収できたわけだよ。」
コンジュさんが足を止め、続ける。
「しかも丁度いい試し台と一緒にね。」
近くの川から、激流が押し寄せてくる。
咄嗟に跳躍、光輝の翼を生成。
水が辺りの地を覆い、せり上がった塊がコンジュとの間に立ち塞がる。
「だから試させてもらうよ。
このアタシの最高にして至高なる自律型魔術兵器:Floodyをね。」
森に至る境目と、北から流れる川との交差する場所。
あの封書の手紙に書かれていた場所だ。
不審な手紙だった。そこで待つ、とだけ書かれた質素な文面だった。
第三者の手をほとんど渡らず届いたそれは、偽物という事は無いだろう。そもそも連絡待ちの事情を知っている人自体少ないはず。
本人も含め疑いたくはないが、自然とひとつの予測に行き着いてしまう。
「やぁ、久し振り。よく来てくれたね。」
「…なんのつもりですか。」
その木にもたれかかりながら、待っていた便りの主、コンジュさんだ。
「まぁ…ね、『都合がついた』からね。」
「それはラディに関係ある事か?」
反射的に出た問い、疑わずにはいられなかった。
「まぁそう急ぐなって。折角なんだ、ちょっとくらい語らせろよ。」
一呼吸の間を置いて、歩きながらコンジュさんが話を続ける。
「元々アタシな、魔術兵器開発してたんだよ、よその国で。
でも好き勝手やりすぎて、色々中断させられちゃってね。だからムカついてその国から出てったんだよ。」
歩み寄るコンジュさんに、なんの武装も見受けられない。それが逆に不気味に見える。
「でもね、偶然見つけたんだよ、廃棄された『それ』の一つをさ。
だからちょっとばかし発信機を付けさせてもらってね。
で、昨日やっと回収できたわけだよ。」
コンジュさんが足を止め、続ける。
「しかも丁度いい試し台と一緒にね。」
近くの川から、激流が押し寄せてくる。
咄嗟に跳躍、光輝の翼を生成。
水が辺りの地を覆い、せり上がった塊がコンジュとの間に立ち塞がる。
「だから試させてもらうよ。
このアタシの最高にして至高なる自律型魔術兵器:Floodyをね。」
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