真水のスライム

イル

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レミレニア編

75話 現地調査②

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「証拠の品、確かに預かった。」
 酒場でのハルドレーンさんとの待ち合わせ。引き渡しの手筈を済ませ、ひと安堵。
「明日には結果が上がってくるだろう。一先ずお疲れ様だ。」
「あと、店主と少し話して気になる事が。」
「なんだ? 私に分かる事なら何なりと答えよう。」

「魔物って、一般家庭で飼育されたりするようなものなのですか?」
「いや、そんな事は無い。もしそんな者が居たら、処罰の対象になる。
 何か気になる話でも聞いたか?」
 言葉から垣間見えた事を繋ぎ合わせてきた。
 その向こうに見えた事の真相、おそらく間違いはないだろう。
「市民に魔物を飼育している人たちがいて、そういう人達に対して薬を売っている。
 …そう受け取れるような話をしてました。」
「…成程、それが本当なら、かなりの大仕事になるな。」
「事のついでといってはなんだけど、魔物ってそう飼育できるものなので?」
 考えた事も無かっただけに、正確には知らないな、と。
「まず無理だろうな。幼体だろうと武装無く御せるものではない事は、君も体感済みだろう。
 それに伴い、法的にも原則禁じられている。
 魔物を街に連れ込める場合は、大きく分けて2つある。
 1つは冒険者のお供として連れ込む場合。より綿密には登録の届出がある魔物と、登録する為に連れてくる時。後者の間はオーナーが同行する必要がある。
 もう1つは旅の芸人など、一時的に連れ込みの許可を取った場合。門での簡易的な登録と、目印となる『輪』の装着義務がある。
 どちらにも該当しない場合は罰金及び殺処分が、法の上での対処だ。」
「登録を忘れてただけとかの場合は?」
 反射的に出た質問。もしも不手際でラディの事が、という考えが脳裏をよぎった。
 けどこれくらいなら、好奇心の範疇で済んでくれるだろうか。
「その場合は殺処分には至らず、即時の登録義務が発生するな。罰金が発生するのは同じくだ。」
 罰金で済むなら、想定してた最悪よりかはよっぽどマシか。
 もっとも、ラディの事を偽装してる現状が同じ対応であれば、だが。
 …あーもう、最初の日の自分に注意喚起しに行きたい。そこで間違えなければラディも、もっと気楽に活動できただろうに。
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