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185話 修学旅行中の波乱⑤
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ハルバードが操り人形を切り裂き、素材である木の葉に戻って散る。
こうやって処理したのも、もう5体目だ。
より高い位置、建物の陰から出て狙撃の射線に入る場所のは最初のと同じようにキリが対処。棍で銃弾を弾き、反撃の射撃で仕留める。
特に波乱が起きる事も無く、舗装された区域を駆け抜け、山のふもとの林の前に。
古びた石造りの鳥居と階段、そこを進めば目的の拠点だろうが、あまりにも露骨。
それでもここで止まる訳にはいかない、とキリが先に踏み出す。
何かの接近の気配、咄嗟に飛びのくキリ。
高台から打ち下ろす形で、弾が地面を撃つ。
「…流石にこのまま素直にとはいかないか。」
そう呟くキリ。見えた弾道の出所を追うと、葉の屋根に遮られている。
「ここ、狙撃ポイントから見えないよな?」
「どうせ操ってる人形が目になってるんだろ。よくある手法だ。」
なるほど、攻撃ユニットであると同時に、索敵のビーコンみたいなものでもある訳か。
「それを潰せば狙撃は止まるか?」
「この視界じゃ狙撃は無理だろうな。
けど、索敵範囲が終わってるのはまずはこっち側だ。こうもうるさいと、人形の場所を探れねぇ。」
確かに木の葉の揺れこすれる音に紛れて、葉人形の音を聞き分けるのは無理だろう。それはキリも同じらしい。
けど。
「…キリの射程はどれくらいだ?」
「ここから本体まで届くと思う。けど狙うのに時間要るから、本体狙いはできねぇぞ?」
「つまり実質無限と見ていいんだな?」
「まぁ、そうだな、この場においては。」
「なら、プランはある。」
狙撃の射線が通らない建物の陰、ここにいる内に魔力探知に集中。
ロロが居る時や満月の夜ほどの精度ではない。が、今の人狼姿を模した状態でも大分探知は利く。
「相手の索敵距離と攻撃射程、同じだと思うか?」
把握が曖昧だったところを、キリに確認する。
「と、思う。ここまでのは常に一定距離で動き出してた、探知に入ってすぐ自動攻撃ってとこだろうな。」
だとしたらあっちの索敵距離は大体把握してる。そして、その長さはこちらの方が上だ。
時間が止まったかと錯覚するような間、を貫く射撃音。
交差する枝の隙間を、弾丸が通り過ぎる。
そして不自然な位置にある葉の塊、敵の葉人形を貫き散らす。
「当たった、のか?」
脇で見ていたキリがぽつりとつぶやく。
「あぁ、反応が消えたから当たったはずだ。」
キリが妖術で生成したスナイパーライフルを借り、標的との間の直線状に銃口を置き、放つ。
重力落下や風の影響とかはここでは存在しないようで、狙った方向の一直線を貫いてくれる。
「なんか、銃なんて初めてなのにこうも当たるの、逆に怖いな。」
「実際の射撃の腕より、当てる、当たって当然という意思が大事なんだよ。」
「なるほど、実銃のイメージより、あくまで魔法の延長線上か」
狙いをつける時にエイム補正でもかかってるかのような吸いつきを感じたが、そういう事か。
順当に処理が進み、探知範囲内に残り2体、となったところで相手に動きがあった。
「…どうした?」
様子を見ていたキリの問いに答える。
「反応が動き始めた。撤退してる?」
「待つだけ無駄と判断したんだろうな。
移動しながら探知、任せられるか?」
「…やってみる。」
こうやって処理したのも、もう5体目だ。
より高い位置、建物の陰から出て狙撃の射線に入る場所のは最初のと同じようにキリが対処。棍で銃弾を弾き、反撃の射撃で仕留める。
特に波乱が起きる事も無く、舗装された区域を駆け抜け、山のふもとの林の前に。
古びた石造りの鳥居と階段、そこを進めば目的の拠点だろうが、あまりにも露骨。
それでもここで止まる訳にはいかない、とキリが先に踏み出す。
何かの接近の気配、咄嗟に飛びのくキリ。
高台から打ち下ろす形で、弾が地面を撃つ。
「…流石にこのまま素直にとはいかないか。」
そう呟くキリ。見えた弾道の出所を追うと、葉の屋根に遮られている。
「ここ、狙撃ポイントから見えないよな?」
「どうせ操ってる人形が目になってるんだろ。よくある手法だ。」
なるほど、攻撃ユニットであると同時に、索敵のビーコンみたいなものでもある訳か。
「それを潰せば狙撃は止まるか?」
「この視界じゃ狙撃は無理だろうな。
けど、索敵範囲が終わってるのはまずはこっち側だ。こうもうるさいと、人形の場所を探れねぇ。」
確かに木の葉の揺れこすれる音に紛れて、葉人形の音を聞き分けるのは無理だろう。それはキリも同じらしい。
けど。
「…キリの射程はどれくらいだ?」
「ここから本体まで届くと思う。けど狙うのに時間要るから、本体狙いはできねぇぞ?」
「つまり実質無限と見ていいんだな?」
「まぁ、そうだな、この場においては。」
「なら、プランはある。」
狙撃の射線が通らない建物の陰、ここにいる内に魔力探知に集中。
ロロが居る時や満月の夜ほどの精度ではない。が、今の人狼姿を模した状態でも大分探知は利く。
「相手の索敵距離と攻撃射程、同じだと思うか?」
把握が曖昧だったところを、キリに確認する。
「と、思う。ここまでのは常に一定距離で動き出してた、探知に入ってすぐ自動攻撃ってとこだろうな。」
だとしたらあっちの索敵距離は大体把握してる。そして、その長さはこちらの方が上だ。
時間が止まったかと錯覚するような間、を貫く射撃音。
交差する枝の隙間を、弾丸が通り過ぎる。
そして不自然な位置にある葉の塊、敵の葉人形を貫き散らす。
「当たった、のか?」
脇で見ていたキリがぽつりとつぶやく。
「あぁ、反応が消えたから当たったはずだ。」
キリが妖術で生成したスナイパーライフルを借り、標的との間の直線状に銃口を置き、放つ。
重力落下や風の影響とかはここでは存在しないようで、狙った方向の一直線を貫いてくれる。
「なんか、銃なんて初めてなのにこうも当たるの、逆に怖いな。」
「実際の射撃の腕より、当てる、当たって当然という意思が大事なんだよ。」
「なるほど、実銃のイメージより、あくまで魔法の延長線上か」
狙いをつける時にエイム補正でもかかってるかのような吸いつきを感じたが、そういう事か。
順当に処理が進み、探知範囲内に残り2体、となったところで相手に動きがあった。
「…どうした?」
様子を見ていたキリの問いに答える。
「反応が動き始めた。撤退してる?」
「待つだけ無駄と判断したんだろうな。
移動しながら探知、任せられるか?」
「…やってみる。」
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