131 / 213
131話 密集地①
しおりを挟む
ナナノハに丁度いいかもしれない相手として紹介した相手、ショウヤ。
ちょっとした巻き込まれで怪異とか魔界の事をちょっと知っただけで別に術とか使えない、自分以上に普通の「こっちの世界の一般人」。
だからよりフラットな目線で、ナナノハの要求に応えられるだろう。そういう目論見だった。
その事について聞いた結果、返ってきたのは洪水のような早口だった。
「まず『平穏に暮らしたいAI兵器』って属性が強いよね。昔からよくあるネタらしいけど、それだけ扱われるだけの良さっていうか。
見た目は完全に人間なのも、本来なら異質な存在が『わざわざ人間に寄せてくれてる』って考え方でむしろアリ派。
で、そんだけ似せてる中で、たまに会話の中でも時折生物としての基準を欠く少しズレた視点が垣間見える、無自覚なやつだよね、あれ。」
「つまり好印象だった、って事でいいんだよな…?」
「そういう擬態相手である人間に寄せようとしてくれるのが『良さ』なんだよ。」
「えっ、そんな勝手に取っていいものなんですか!?」
一方、テーブルの向かい側。
流れる皿を取るキリを見て、ハルルが驚く。
「そういうもんなんだよ、回転寿司ってのは。」
話のついでに折角だしと、4人で回転寿司。
実家付近のは回転レーン撤廃されたが、ここは今も存続してる店だ。
「あ、その味噌ラーメン取って。」
「おっけ。」
レーン側席の役目、ショウヤに一品目を受け渡す。
初手でラーメン?とは思ったが、なるほど、そういうのもアリか。
キリもえび天握りから入ってるし、早くもかなりフリーダムな卓上になってる。
「で、ハルルはいつも通り俺と同じでいいか?」
「はい、選定お願いします!」
さてどうしようか、と思ったところで。
「そうだ、ハルルって生魚は行けるのか??」
「初挑戦です!」
「そっか、じゃあ……。」
レーンの中から、2皿セットで流れてるのを探す。
端末から注文してもいいが、最初くらいは待たずにいきたい。
流れの上流の席だ、その条件を満たすものは多い。
その中でぱっと目についた一品。美しいピンクの輝き、サーモンだ。
なんかのサイトでの寿司人気投票でも1位だった見覚えもあるし、回転寿司といえば、と言ってもいいだろう。
一皿をハルルに渡し、自分の見真似でハルルも醤油をかけ。
ハルルの箸の扱いも慣れたもので、まだ慎重さは見受けられるが、危なげはなく口まで運ぶ。
瞬間、神妙な表情。
そしてしばらく味わったのちに、ぽつりと一言。
「なるほど、これが異国情緒……。」
ちょっとした巻き込まれで怪異とか魔界の事をちょっと知っただけで別に術とか使えない、自分以上に普通の「こっちの世界の一般人」。
だからよりフラットな目線で、ナナノハの要求に応えられるだろう。そういう目論見だった。
その事について聞いた結果、返ってきたのは洪水のような早口だった。
「まず『平穏に暮らしたいAI兵器』って属性が強いよね。昔からよくあるネタらしいけど、それだけ扱われるだけの良さっていうか。
見た目は完全に人間なのも、本来なら異質な存在が『わざわざ人間に寄せてくれてる』って考え方でむしろアリ派。
で、そんだけ似せてる中で、たまに会話の中でも時折生物としての基準を欠く少しズレた視点が垣間見える、無自覚なやつだよね、あれ。」
「つまり好印象だった、って事でいいんだよな…?」
「そういう擬態相手である人間に寄せようとしてくれるのが『良さ』なんだよ。」
「えっ、そんな勝手に取っていいものなんですか!?」
一方、テーブルの向かい側。
流れる皿を取るキリを見て、ハルルが驚く。
「そういうもんなんだよ、回転寿司ってのは。」
話のついでに折角だしと、4人で回転寿司。
実家付近のは回転レーン撤廃されたが、ここは今も存続してる店だ。
「あ、その味噌ラーメン取って。」
「おっけ。」
レーン側席の役目、ショウヤに一品目を受け渡す。
初手でラーメン?とは思ったが、なるほど、そういうのもアリか。
キリもえび天握りから入ってるし、早くもかなりフリーダムな卓上になってる。
「で、ハルルはいつも通り俺と同じでいいか?」
「はい、選定お願いします!」
さてどうしようか、と思ったところで。
「そうだ、ハルルって生魚は行けるのか??」
「初挑戦です!」
「そっか、じゃあ……。」
レーンの中から、2皿セットで流れてるのを探す。
端末から注文してもいいが、最初くらいは待たずにいきたい。
流れの上流の席だ、その条件を満たすものは多い。
その中でぱっと目についた一品。美しいピンクの輝き、サーモンだ。
なんかのサイトでの寿司人気投票でも1位だった見覚えもあるし、回転寿司といえば、と言ってもいいだろう。
一皿をハルルに渡し、自分の見真似でハルルも醤油をかけ。
ハルルの箸の扱いも慣れたもので、まだ慎重さは見受けられるが、危なげはなく口まで運ぶ。
瞬間、神妙な表情。
そしてしばらく味わったのちに、ぽつりと一言。
「なるほど、これが異国情緒……。」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
真水のスライム
イル
ファンタジー
旅立ちで出会った奇妙な「それ」との、冒険の記録。
主に更新通知・告知用Twitterアカウント作りました:https://twitter.com/fil_novelist
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
とある辺境伯家の長男 ~剣と魔法の異世界に転生した努力したことがない男の奮闘記 「ちょっ、うちの家族が優秀すぎるんだが」~
海堂金太郎
ファンタジー
現代社会日本にとある男がいた。
その男は優秀ではあったものの向上心がなく、刺激を求めていた。
そんな時、人生最初にして最大の刺激が訪れる。
居眠り暴走トラックという名の刺激が……。
意識を取り戻した男は自分がとある辺境伯の長男アルテュールとして生を受けていることに気が付く。
俗に言う異世界転生である。
何不自由ない生活の中、アルテュールは思った。
「あれ?俺の家族優秀すぎじゃね……?」と……。
―――地球とは異なる世界の超大陸テラに存在する国の一つ、アルトアイゼン王国。
その最前線、ヴァンティエール辺境伯家に生まれたアルテュールは前世にしなかった努力をして異世界を逞しく生きてゆく――
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる