そして俺は召喚士に

イル

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49話 夏の締めに③

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 キリと別れ、改めて当初の流れに戻る。
 やはり定番の焼きそばか…いやもう少し見て回ろう。
 甘いものとかはまだ今じゃない、後回し。
 たこ焼き、唐揚げ、フランクフルト。どれも捨てがたい択、ちょっと迷う。


 座れる場所探し、確保。
 発泡スチロールの簡易皿の一品。見た目のインパクトに負けて決めた、お好み焼き串だ。
 とはいえいざ食べてみれば流石に普通にお好み焼きの味、だが無難においしい。多めに紅ショウガを利かせているのが良い。
「隣、いいか?」
 聞き覚えある声、ショウヤだ。
「あぁ、空いてる。
 …てか、キリもう来てたぞ?」
「部活上がりで腹減ってんだ、食ってから行くよ。」
 ショウヤのは定番中の定番、透明パックの焼きそばだ。
 キリの方もそういう前提という様子だったし、第三者が気にすることではないか、と割り切る。

「てかショウヤって何部なんだ?」
 食べながら思った事を、そのままショウヤに投げかける。
「あれ、言ってなかったっけ。テニス部だよ。
 つってもすげぇ緩いとこだし、気が向いた時に行く程度。今日だって軽く壁打ちした程度だし。」
「そんな緩いもんなのか。」

「おー、いたいた。」
 と思ってるところに乱入者、さっき振りのキリだ。
「せめて終わった時にでもメッセージ送ろーぜ?」
 尤もなキリの言い分だが、不満というよりかは「いつもの」といった様子だ。
「もうちょいしたら、するつもりだったよ。」
 と返しながら、焼きそばを少しかかげて指し示す。
「…うちも何か買ってくるか。」
 と言葉を残し、キリが場を離れる。
 同時に、ショウヤがこちらに向き直りながら言う。
「そうだ、さっきあの子見つけたけど、待ち合わせか?」
「あの子ってハルル?」
「そうそう上利田さん。
 折角なんだし、行ってくれば? まだ居るかは分からんけど。」
 最近ハルルとの行動が多かったしたまには、と思っていたが、いざ意識の表面に引き出されると気になってしまうというもの。
 少し迷い、答えを返す。
「…そうだな、ちょっと探してみる。」
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