そして俺は召喚士に

イル

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48話 夏の締めに②

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 立ち並ぶ屋台群。
 鉄板で焼く音、ソースを中心とした色々混じるにおい。
 目立つのは、やはり回転のいい飲食関係の屋台だ。
 折角だし何か買い食いするのが風情。そう思い、並びを眺めながら迷う。

 その途中で遭遇する、目立つ見覚えある後ろ姿。
「キリ、来てたのか。」
 タイミングを見計らい、呼びかける。その相手が撃ち終わったコルク銃を置き、振り向く。
 私服は初見だ。時期もあってか、結構な薄着。
「ショウヤに誘われてな。まぁその本人がまだ見つからねぇが。」
「ショウヤも来てるのか。」
「って言ってた。けど来る時間分からないって言ってたし、それはそれとして勝手にしてる。」
 キリが射的の戦利品を数度宙に放り弄び、ふと思い立つ。
「これ、やるよ。」
 手渡される、ボトル入りのガム。コンビニとかで500円くらいするやつだ。
「一番むずそうだからって挑戦したけど、ガムって苦手でさ。」
 …結構な重量だ。よく撃ち落としたな。


「よぉ、楽しんでるか?」
 不意の言葉、屋台の屋根の上からだ。それにキリが言葉を返す。
「うわでた。」
「でたとはなんだ! こちとら神の御使い様だぞ!」
 青白く光る相手。近くの神社のお狐様だ。
「出自なんて運ゲーでしかマウント取れねぇのか?」
「うんげ…ぐう。」

「どう? 魔法を求める明確な目的は見つかった?」
 傍ら、もう1匹の方が話しかけてくる。
「いや…まだ何も変わらず……。」
「…無理してって事でもないんじゃないかな。殆どの人は魔法とかそういう類と無縁で暮らしてるんだし。
 それに、最近多いよ。無理に関わってひどい目見るの。」
「…時期的に肝試しとかか?」
「さぁ。心情までは見通せないからね、僕の力は。
 でも君にはいい助言者がいるし、そうならないよう願うよ。」
「願う側なんだ。」
「前にも言ったけど、そういうのはあいつの管轄だからね。僕はただ見守るだけだ。」
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