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27話 技術との接触②
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「なるほど、これは記録用にも使えそうですね!」
休みの日の雲ヶ崎駅前。学校付近のその場所に、ハルルと来ていた。
その相手は、今教えたスマホのカメラ機能に興味津々だ。
優秀な集まり場所でもある駅前、休日といえどそれなりに人通りはある。
一度立ち止まり、ハルルが地図を確認。少し戻って曲がり、大通りから外れる。
「この付近…のはずなんですが。」
ハルルが手元の地図と見比べる。この場所で間違いなさそうだ。
空地に面した建物だ。店舗のようだが看板は無く、窓から見える中にも何も無い空き店舗のようだ。
「それで、どういう話だったんだ?」
「ここで奇妙な音がした、との事です。『大量の紙を切り裂くような音』と言ってました。
『物音がして開業の工事かと思ったら何も起こっていなかった』、と。」
「…物音なんて怪談の基本すぎて、判断できないな。」
「いえ、今回は予測はついてます。そういった音には覚えがあるので。」
そう言うハルルは、いつになく真剣な様子だ。
「おそらく『私たちの方の世界』との干渉があったのでしょう。
特に何も起きてなければいいのですが…あるいは近似した違う現象?
いずれにせよ、調べる必要があります。」
そう言いハルルが集中、手元に黄色い光がともる。
その探知に、すぐに何かが引っかかったようで──
「ユートさん後ろ!」
なんの事かと考える前に、反射的に後方確認。
声に驚いてか魔力に反応してか、草むらから何かが飛び出す。
巨大なネズミのような…なんだ?
ひとつわかるのは、明確な敵意。
異界の存在、だとしたら下手な対処で裏目になるのも怖い。
よけるべきか払うべきか。
答えに至る前に、対応は目の前に現れた。
迎撃する丸い…モンスター?
一手遅れてハルルの攻撃が、その相手を捉える。
直後襲う、激しい頭痛。
ふらつき近くの壁にもたれ掛かる。
「い、いまのは…?」
ネズミ型の存在、丸いモンスター、どっちも……。
…いや、今は考えるのもきっつい……。
休みの日の雲ヶ崎駅前。学校付近のその場所に、ハルルと来ていた。
その相手は、今教えたスマホのカメラ機能に興味津々だ。
優秀な集まり場所でもある駅前、休日といえどそれなりに人通りはある。
一度立ち止まり、ハルルが地図を確認。少し戻って曲がり、大通りから外れる。
「この付近…のはずなんですが。」
ハルルが手元の地図と見比べる。この場所で間違いなさそうだ。
空地に面した建物だ。店舗のようだが看板は無く、窓から見える中にも何も無い空き店舗のようだ。
「それで、どういう話だったんだ?」
「ここで奇妙な音がした、との事です。『大量の紙を切り裂くような音』と言ってました。
『物音がして開業の工事かと思ったら何も起こっていなかった』、と。」
「…物音なんて怪談の基本すぎて、判断できないな。」
「いえ、今回は予測はついてます。そういった音には覚えがあるので。」
そう言うハルルは、いつになく真剣な様子だ。
「おそらく『私たちの方の世界』との干渉があったのでしょう。
特に何も起きてなければいいのですが…あるいは近似した違う現象?
いずれにせよ、調べる必要があります。」
そう言いハルルが集中、手元に黄色い光がともる。
その探知に、すぐに何かが引っかかったようで──
「ユートさん後ろ!」
なんの事かと考える前に、反射的に後方確認。
声に驚いてか魔力に反応してか、草むらから何かが飛び出す。
巨大なネズミのような…なんだ?
ひとつわかるのは、明確な敵意。
異界の存在、だとしたら下手な対処で裏目になるのも怖い。
よけるべきか払うべきか。
答えに至る前に、対応は目の前に現れた。
迎撃する丸い…モンスター?
一手遅れてハルルの攻撃が、その相手を捉える。
直後襲う、激しい頭痛。
ふらつき近くの壁にもたれ掛かる。
「い、いまのは…?」
ネズミ型の存在、丸いモンスター、どっちも……。
…いや、今は考えるのもきっつい……。
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