そして俺は召喚士に

イル

文字の大きさ
上 下
27 / 198

27話 技術との接触②

しおりを挟む
「なるほど、これは記録用にも使えそうですね!」
 休みの日の雲ヶ崎駅前。学校付近のその場所に、ハルルと来ていた。
 その相手は、今教えたスマホのカメラ機能に興味津々だ。


 優秀な集まり場所でもある駅前、休日といえどそれなりに人通りはある。
 一度立ち止まり、ハルルが地図を確認。少し戻って曲がり、大通りから外れる。

「この付近…のはずなんですが。」
 ハルルが手元の地図と見比べる。この場所で間違いなさそうだ。
 空地に面した建物だ。店舗のようだが看板は無く、窓から見える中にも何も無い空き店舗のようだ。
「それで、どういう話だったんだ?」
「ここで奇妙な音がした、との事です。『大量の紙を切り裂くような音』と言ってました。
 『物音がして開業の工事かと思ったら何も起こっていなかった』、と。」
「…物音なんて怪談の基本すぎて、判断できないな。」
「いえ、今回は予測はついてます。そういった音には覚えがあるので。」
 そう言うハルルは、いつになく真剣な様子だ。
「おそらく『私たちの方の世界』との干渉があったのでしょう。
 特に何も起きてなければいいのですが…あるいは近似した違う現象?
 いずれにせよ、調べる必要があります。」
 そう言いハルルが集中、手元に黄色い光がともる。
 その探知に、すぐに何かが引っかかったようで──
「ユートさん後ろ!」
 なんの事かと考える前に、反射的に後方確認。
 声に驚いてか魔力に反応してか、草むらから何かが飛び出す。
 巨大なネズミのような…なんだ?
 ひとつわかるのは、明確な敵意。

 異界の存在、だとしたら下手な対処で裏目になるのも怖い。
 よけるべきか払うべきか。
 答えに至る前に、対応は目の前に現れた。

 迎撃する丸い…モンスター?
 一手遅れてハルルの攻撃が、その相手を捉える。

 直後襲う、激しい頭痛。
 ふらつき近くの壁にもたれ掛かる。
「い、いまのは…?」
 ネズミ型の存在、丸いモンスター、どっちも……。
 …いや、今は考えるのもきっつい……。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おっぱい編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート詰め合わせ♡

処理中です...