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お母さんの変化
お母さんの変化①
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日々が過ぎる中で、少しずつお母さんの様子に変化が見られるようになった。
忙しい仕事のせいで、家にいる時間が減ってきているのだ。
最初は気づかなかったけれど、ある日、お母さんが疲れた顔で帰ってきたとき、ぼくはその変化をはっきりと感じた。
「ただいま、絵里ちゃん」
お母さんが帰宅すると、それだけ言ってまっすぐキッチンへ向かってしまった。
いつもは絵里ちゃんに優しく微笑みかけてくれるのに、今日はそれがない。
絵里ちゃんも
「おかえり、ぶよちゃんも待ってたよ!」
と明るく言ったけれど、お母さんの反応がいつもと違っていたから、少し心配そう。
次の日も、お母さんは早朝から出かけてしまい、帰ってくるのは遅くなってしまった。
絵里ちゃんはお父さんと話していたけど、どことなく寂しそうにぼくには見えた。
夕食の準備のときは、お母さんと絵里ちゃんがお話する時間。
でも、ここ最近は家、お父さんが用意することも増えていって、ぼくはその様子を見ているのが切なかった。
絵里ちゃんは、学校での出来事をお母さんに話したくても、なかなか時間が取れないのがわかるからだ。
そんなある晩、絵里ちゃんが宿題をしているとき、お母さんがため息をついているのを見かけた。
お母さんの肩が少し落ちていて、ちょっと元気がないように見えた。
絵里ちゃんが心配そうに
「お母さん、大丈夫?」
と声をかけると、お母さんはちょっとびっくりしたあと、優しく微笑んで、
「大丈夫よ、絵里ちゃん。ただちょっと忙しいだけ」
と答えたけれど、やっぱりちょっと元気がないみたいだった。
「ぶよちゃん、お母さんどうしたのかなぁ・・・」
絵里ちゃんがぼくを抱きしめながらつぶやいた。
ぼくはぬいぐるみだからお返事はできない。
彼女を元気づけられないのがもどかしいよ・・・。
忙しい仕事のせいで、家にいる時間が減ってきているのだ。
最初は気づかなかったけれど、ある日、お母さんが疲れた顔で帰ってきたとき、ぼくはその変化をはっきりと感じた。
「ただいま、絵里ちゃん」
お母さんが帰宅すると、それだけ言ってまっすぐキッチンへ向かってしまった。
いつもは絵里ちゃんに優しく微笑みかけてくれるのに、今日はそれがない。
絵里ちゃんも
「おかえり、ぶよちゃんも待ってたよ!」
と明るく言ったけれど、お母さんの反応がいつもと違っていたから、少し心配そう。
次の日も、お母さんは早朝から出かけてしまい、帰ってくるのは遅くなってしまった。
絵里ちゃんはお父さんと話していたけど、どことなく寂しそうにぼくには見えた。
夕食の準備のときは、お母さんと絵里ちゃんがお話する時間。
でも、ここ最近は家、お父さんが用意することも増えていって、ぼくはその様子を見ているのが切なかった。
絵里ちゃんは、学校での出来事をお母さんに話したくても、なかなか時間が取れないのがわかるからだ。
そんなある晩、絵里ちゃんが宿題をしているとき、お母さんがため息をついているのを見かけた。
お母さんの肩が少し落ちていて、ちょっと元気がないように見えた。
絵里ちゃんが心配そうに
「お母さん、大丈夫?」
と声をかけると、お母さんはちょっとびっくりしたあと、優しく微笑んで、
「大丈夫よ、絵里ちゃん。ただちょっと忙しいだけ」
と答えたけれど、やっぱりちょっと元気がないみたいだった。
「ぶよちゃん、お母さんどうしたのかなぁ・・・」
絵里ちゃんがぼくを抱きしめながらつぶやいた。
ぼくはぬいぐるみだからお返事はできない。
彼女を元気づけられないのがもどかしいよ・・・。
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