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I ニナルティナ王国とリュフミュラン国
引き金a 突撃! ..
しおりを挟む「おらあああ~~いっけぇーーー!!」
ドドドドドドッ
リュフミュラン義勇軍の衣図ライグが巨馬を乗りこなし、陣砦周囲で包囲作戦の為に待機していたニナルティナ軍の北部隊にみるみる肉薄して行く。
最初ニナルティナ軍は中央の魔戦車部隊が易々と陣砦を突破し、それに呼応して北側からも陣を破って村に突入したり、あるいはイチかバチかでリュフミュラン軍が打って出た来た場合も、やはり北側と南側から包囲殲滅する予定であった。
それが砂緒による魔戦車への異様な連続攻撃により中央の主力部隊が浮足立ち全軍の士気の低下が起こり始めている時に、奇襲しようと待機していた北の包囲部隊にいきなり衣図の奇襲が始まり大混乱状況になっていた。それに砂緒が最初に乗っかった魔戦車隊隊長の死亡も加わり混乱に拍車を掛けていた。
「うっらあああ、ぶち破れーーー!!」
「ひゃっはーーーー!!」
ズドドドドド……
衣図に率いられたガラの悪い騎馬部隊の先頭集団が、野蛮人の様な雄叫びを上げ遂に一気に北の一軍の戦列に殺到を始める。
ドガガッ!
衣図が手に入れたばかりの軍用巨馬が、突然の敵襲に驚いてたじろぐ集団を3,4人も吹き飛ばす。それを発端に次々となだれ込むリュフミュラン側の騎馬部隊。魔戦車の突撃力を騎馬隊の遥か上の物とみなし、今回騎馬部隊を率いて来なかったニナルティナ軍には、巨大な塊となって突っ込んで来る騎馬隊の突撃を止める術が全く無かった。
「行けるぞオラーッ各自魔法瓶投擲! 仲間に当てるなよ!!」
衣図は巨馬で走りながら巨大な剣で敵をばっさばっさ切り捌き、ガラの悪い部下達は大声で叫びながら【魔法瓶】という魔法版手りゅう弾を投げつけた。
びゃびゃっ
急襲された敵は大急ぎで各自小さな塊となり、小隊の外周に向けて魔法防御や物理防御を施したが、容赦無くその中心部に何個も魔法瓶が投げ込まれていくつもの敵部隊は内部から吹っ飛んで行く。
ドドーーーン!!
「ぎゃーーーーっ!」
衣図ライグは敵中を駆け抜けながら、これはいけるという手応えを感じ始めていた。
(想像以上に敵が脆い! 相当にこちらを舐め切っていたなフヒヒ!!)
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