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019. いわゆる毒親ってヤツですよ!
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此処はどこだ?
俺は何をしていたんだっけ?不思議な感覚に今、襲われている。
うっすらと少しずつだが霞んで見えない視界が鮮明になっていく。視界が良くなっていくにつれて周りの音を拾えるようになってきた。
「オイ、○✕▲#%っ!!」
声からして男の人の声が聞こえる。何を言っているのか分からない。
「いいか、俺を怒らせると恐いからな!!」
何を大声で喋っているんだ?
「何だぁその目は?!!」
何をそんなに大声で喋る必要があるんだ?言いたいコトがあるなら、さっさと言えばいいのに。
「その態度は何だ!!」
酔ってんのかこの人?態度がデカイのはそっちだろ?
物に当たり散らしたり、やっぱり酔っぱらいだ。
その後も酷かった。
誰のお陰で飯が食えるとか生きていけるだとか典型的な会話のオンパレードが続いた。
散々悪態を吐いたと思ったら胸ぐらを掴まれ俺の顔に痛みが走り体制を崩して床に倒れこんだ。
「!!?」
痛みを感じる所を手で抑え男性を見た。
「いきなり何、しやがる!!?」
(?、俺、喋ってないのに口から言葉が出て来た)
「何しやがるだと?!誰に向かって言ってやがるんだ!!・・・あ"あ"っ?!!!」
(誰って・・・嗚呼、思い出した。)
この男が誰で、この状況も察しがついた。
これは"七年前の記憶"だ。棄てた俺の過去の記憶だ。
「俺はお前のお父様でお前は俺のバカ息子」
俺は親でお前は糞ガキだとジェスチャーを交えて説明?してきた。両方の親指を自分に向けたかと思ったら両方の人指し指を俺にビシッと指差し喋っている。
端から見るとリズム感の無いラッパーの様だ。
ラッパー・・・プフッ!!
頭部はハゲ上がって油ぎっしゅな丸顔に立派な太鼓っ腹、どう見てもタヌキ親父だろう・・・ブフォッ!!
滋賀県の狸の信楽焼きだろう・・・。
「俺が上でお前が下だ、感謝して敬えよ!!」
まだ、やってるよ。何が感謝だよ!自分の息子殴っておいて敬えって頭おかしいよ、この人・・・嗚呼、だから頭部が寂しいコトになっているのか。
思い出したよ。
このイタイ人は俺の実父だ。
この人に対して不信感の様な感情を持ったのは俺が小学校高学年の頃だったと思う。最初は仕事で疲れているんだと思っていたがみるみると父親の俺に対しての態度が悪くなっていった。
俺自身何かした覚えは無いのに絡み方が異様だった。
最初は口汚く汚い言葉を浴びせられたりバカにする様な言葉が増えてエスカレートしていった。中学生の頃からは真面に親と口を利いたコトすらなかった。
最終的には手まで出してくる始末だ。
まるで爆弾・・・イヤ、爆竹だ。当時は扱いに困っていた。
関わらないように距離を取っても親を無視するな!!って言って追いかけて来たり何か喋ってくるから取り敢えず返事をしたら、俺をバカにしてるのか!!だったり。手を出す時は守りの体制を取ったりやり返したりすると、親に手を上げる気かぁ!!
もうねぇ、本当に酷かった。
取り扱い説明書が欲しかった。イヤ、あっても役に立たない気もするけど。それくらい当時は酷かった。
母親もいたが存在が空気な人だった。
助けを求めた時もあったが我関せずを貫いた。息子が酷い目にあっても助けるコトは無かった。
父親の後ろでほくそ笑んでいた顔を見た時は諦めたよ。だって母親の顔が狐の様に見えたからだ。
虎の威を借る狐だった。
口角を上げニタリと笑った顔は気持ち悪いほど恐かった。
そして、とうとう事件がおきた。
俺が中学三年の頃、卒業式も間近に迫ってくる時期に父親が宣言したのだ。
「お前を高校にはやらん!」
「・・・はぁ?」
何言ってんだこの人?!
時間と費用のムダだとか言い出した。息子の最終学歴を中卒にする気か!!
「勉強なんかしたって頭悪いお前にはいらんだろ?」
なんて言い出した。
イヤイヤ、義務教育はどうした?!!
「これからは稼いで俺を養え、しっかり親孝行しろよ!」
ニタニタした気味の悪い笑顔で父親は言ってのけた。
もう色々抜けているんだろう、常識的なコトとか倫理観とか道徳心とかスッポ抜けているんだと思った。きっと何を言っても、決定事項で意思を曲げるつもりは無いだろう。
だが俺だって黙っている訳にはいかない。
自分の将来を潰され従って生きていくつもりは無い。
俺も対策を打って出た。こういう"暴君"タイプは自分より強い立場の人に対しては弱いコトを知っている。
俺は今回の件を父方の親族に相談した。
祖父母と父親の兄弟にサクッと連絡を入れてやった。案の定、父親は叱責を受けた。心の中でざまーみろ!と思ったよ。
祖父母や伯父さんから謝罪もされた。悪いのは父親なのに、当の本人は反省の色が見えなかった。
なので何かある度に連絡を入れてやった。
「お前、いい加減にしろよ!!!」
また、伯父さん達に相談しなきゃだな~なんて思っていると顔を真っ赤にしながら怒鳴ってきた。
すると体重が乗った拳が俺の顔目掛けて飛んで来たが寸前の所で避けた。避けられた事で更に怒髪天となった父親は俺の首に手を掛けた。
「俺をバカにしやがって!!」
血走った目で力一杯首を締める父親。
「♯%@▲ーーーっ!!!」
勢いで喋っている生で呂律が回っていない。
父親の様子が明らかにおかしい。今までとは違うと感じた。
これは、俺に対しての明確な"殺意"だった。
この親は落ちる所まで落ちたんだなと悟った瞬間だった。
「ふざけんなぁーーーっ!!」
散々理不尽なコトをして結局、力ずくで解決してくる父親に俺も我慢の限界だった。
揉み合いになり意識が飛んだ。
「キャァァァーーーッ!!!」
悲鳴が聞こえハッと声のする方を見ると買い物袋を床に落とした母親だった。
「あ・・・あんた、何してんのよ?!」
何を・・・?
意識がハッキリする中で俺は目を疑った。
俺の手や身体は真っ赤だった。
右手にはキッチンに閉まってあった包丁が握られていた。
「イテェ~・・・イテェ~よぅ・・・」
足元には痛みで悶える父親が血を流して泣いていた。
手が震え包丁を床に捨てた。
「か・・・母さん」
母親に助けを求めたが悲鳴を上げて逃げて行った。
期待はしていなかったが目の当たりにすると、やはりショックだった。
零れる涙をふき自分で救急車へ電話した。
「・・・もしもし、父親が血だらけで倒れてます・・・」
その後、警察にも連絡を入れた。
俺の担当となった警察官にこれまでの事を全て話した。
救急車に運ばれた父親は出血していたものの分厚い脂肪のお陰で命に別状は無かったと担当した刑事さんから聞いた。
俺は何をしていたんだっけ?不思議な感覚に今、襲われている。
うっすらと少しずつだが霞んで見えない視界が鮮明になっていく。視界が良くなっていくにつれて周りの音を拾えるようになってきた。
「オイ、○✕▲#%っ!!」
声からして男の人の声が聞こえる。何を言っているのか分からない。
「いいか、俺を怒らせると恐いからな!!」
何を大声で喋っているんだ?
「何だぁその目は?!!」
何をそんなに大声で喋る必要があるんだ?言いたいコトがあるなら、さっさと言えばいいのに。
「その態度は何だ!!」
酔ってんのかこの人?態度がデカイのはそっちだろ?
物に当たり散らしたり、やっぱり酔っぱらいだ。
その後も酷かった。
誰のお陰で飯が食えるとか生きていけるだとか典型的な会話のオンパレードが続いた。
散々悪態を吐いたと思ったら胸ぐらを掴まれ俺の顔に痛みが走り体制を崩して床に倒れこんだ。
「!!?」
痛みを感じる所を手で抑え男性を見た。
「いきなり何、しやがる!!?」
(?、俺、喋ってないのに口から言葉が出て来た)
「何しやがるだと?!誰に向かって言ってやがるんだ!!・・・あ"あ"っ?!!!」
(誰って・・・嗚呼、思い出した。)
この男が誰で、この状況も察しがついた。
これは"七年前の記憶"だ。棄てた俺の過去の記憶だ。
「俺はお前のお父様でお前は俺のバカ息子」
俺は親でお前は糞ガキだとジェスチャーを交えて説明?してきた。両方の親指を自分に向けたかと思ったら両方の人指し指を俺にビシッと指差し喋っている。
端から見るとリズム感の無いラッパーの様だ。
ラッパー・・・プフッ!!
頭部はハゲ上がって油ぎっしゅな丸顔に立派な太鼓っ腹、どう見てもタヌキ親父だろう・・・ブフォッ!!
滋賀県の狸の信楽焼きだろう・・・。
「俺が上でお前が下だ、感謝して敬えよ!!」
まだ、やってるよ。何が感謝だよ!自分の息子殴っておいて敬えって頭おかしいよ、この人・・・嗚呼、だから頭部が寂しいコトになっているのか。
思い出したよ。
このイタイ人は俺の実父だ。
この人に対して不信感の様な感情を持ったのは俺が小学校高学年の頃だったと思う。最初は仕事で疲れているんだと思っていたがみるみると父親の俺に対しての態度が悪くなっていった。
俺自身何かした覚えは無いのに絡み方が異様だった。
最初は口汚く汚い言葉を浴びせられたりバカにする様な言葉が増えてエスカレートしていった。中学生の頃からは真面に親と口を利いたコトすらなかった。
最終的には手まで出してくる始末だ。
まるで爆弾・・・イヤ、爆竹だ。当時は扱いに困っていた。
関わらないように距離を取っても親を無視するな!!って言って追いかけて来たり何か喋ってくるから取り敢えず返事をしたら、俺をバカにしてるのか!!だったり。手を出す時は守りの体制を取ったりやり返したりすると、親に手を上げる気かぁ!!
もうねぇ、本当に酷かった。
取り扱い説明書が欲しかった。イヤ、あっても役に立たない気もするけど。それくらい当時は酷かった。
母親もいたが存在が空気な人だった。
助けを求めた時もあったが我関せずを貫いた。息子が酷い目にあっても助けるコトは無かった。
父親の後ろでほくそ笑んでいた顔を見た時は諦めたよ。だって母親の顔が狐の様に見えたからだ。
虎の威を借る狐だった。
口角を上げニタリと笑った顔は気持ち悪いほど恐かった。
そして、とうとう事件がおきた。
俺が中学三年の頃、卒業式も間近に迫ってくる時期に父親が宣言したのだ。
「お前を高校にはやらん!」
「・・・はぁ?」
何言ってんだこの人?!
時間と費用のムダだとか言い出した。息子の最終学歴を中卒にする気か!!
「勉強なんかしたって頭悪いお前にはいらんだろ?」
なんて言い出した。
イヤイヤ、義務教育はどうした?!!
「これからは稼いで俺を養え、しっかり親孝行しろよ!」
ニタニタした気味の悪い笑顔で父親は言ってのけた。
もう色々抜けているんだろう、常識的なコトとか倫理観とか道徳心とかスッポ抜けているんだと思った。きっと何を言っても、決定事項で意思を曲げるつもりは無いだろう。
だが俺だって黙っている訳にはいかない。
自分の将来を潰され従って生きていくつもりは無い。
俺も対策を打って出た。こういう"暴君"タイプは自分より強い立場の人に対しては弱いコトを知っている。
俺は今回の件を父方の親族に相談した。
祖父母と父親の兄弟にサクッと連絡を入れてやった。案の定、父親は叱責を受けた。心の中でざまーみろ!と思ったよ。
祖父母や伯父さんから謝罪もされた。悪いのは父親なのに、当の本人は反省の色が見えなかった。
なので何かある度に連絡を入れてやった。
「お前、いい加減にしろよ!!!」
また、伯父さん達に相談しなきゃだな~なんて思っていると顔を真っ赤にしながら怒鳴ってきた。
すると体重が乗った拳が俺の顔目掛けて飛んで来たが寸前の所で避けた。避けられた事で更に怒髪天となった父親は俺の首に手を掛けた。
「俺をバカにしやがって!!」
血走った目で力一杯首を締める父親。
「♯%@▲ーーーっ!!!」
勢いで喋っている生で呂律が回っていない。
父親の様子が明らかにおかしい。今までとは違うと感じた。
これは、俺に対しての明確な"殺意"だった。
この親は落ちる所まで落ちたんだなと悟った瞬間だった。
「ふざけんなぁーーーっ!!」
散々理不尽なコトをして結局、力ずくで解決してくる父親に俺も我慢の限界だった。
揉み合いになり意識が飛んだ。
「キャァァァーーーッ!!!」
悲鳴が聞こえハッと声のする方を見ると買い物袋を床に落とした母親だった。
「あ・・・あんた、何してんのよ?!」
何を・・・?
意識がハッキリする中で俺は目を疑った。
俺の手や身体は真っ赤だった。
右手にはキッチンに閉まってあった包丁が握られていた。
「イテェ~・・・イテェ~よぅ・・・」
足元には痛みで悶える父親が血を流して泣いていた。
手が震え包丁を床に捨てた。
「か・・・母さん」
母親に助けを求めたが悲鳴を上げて逃げて行った。
期待はしていなかったが目の当たりにすると、やはりショックだった。
零れる涙をふき自分で救急車へ電話した。
「・・・もしもし、父親が血だらけで倒れてます・・・」
その後、警察にも連絡を入れた。
俺の担当となった警察官にこれまでの事を全て話した。
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