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これはデートじゃありませんわ!
しおりを挟む第2王子からの
「そうか、ミリアーネ。まるで天女のような君には真新しいハンカチが似合うと思うんだ。地面に落としてしまったものでは、汚くてしょうがないだろ。この俺がお前のために新しいハンカチをプレゼントしてやろう」
という、非常に上から目線な発言によって、私と第2王子は町のハンカチ屋さんに来ている。
もちろん、学校をサボって。
税金で通っているんだから、もう少し、まともに勉強しなさいよ!
「うーん、ここのハンカチはどれも安物でミリアーネには似合わないな。ミリアーネもそう思うだろ?」
「そうかしら?とても可愛らしいものばかりだと思うわ」
「いや、格の高い人間はそれにあったものを身につけなければいけないんだ!」
とか、なんとか言ってくれちゃってますけど、軽々しく呼び捨てでミリアーネって連呼しないでくれますかね?私たち婚約者でも恋人でもないんですけど。知り合ってから30分。ただのクラスメート以下ですよ?
「おい、店主。この店で1番高いのを持って来い。この俺様が買ってやる」
店主が持ってきたものは確かに手触りがとても良い。
「ふん、まあギリギリ及第点だな。代金はロビン第2王子の名で請求しといてくれ」
ちょっと待て。値段くらい聞けや。
「あの、このハンカチいくらくらいするんですか?」
マジか?えっ?その値段庶民の生活費一ヶ月分よ?
「何だ?こんな安物じゃ、気に入らないか?」
ヤバイわ。この人の脳内、ネジが半分くらい緩んでますわ。
「代金は税金から支払われるのでしょう?私困りますわ。こんな、高価なものを…」
「気にするな。税金なんていくらでも増やせるだろう?俺様とミリアーネの輝かしい未来のためになら、民の方からどうぞお使いくださいと言ってくると思うぞ」
ヤバイわ。この人。というか、輝かしい未来って何?妄想癖でもあるのかな?
ひとまず、店主さんと目配せして
「私、ハンカチもオーダーメイドなの。既製品は買いたくないわ」
と言って、店を出る。
この後、食事にも付き合わされ、第2王子の武勇伝(笑)を聞かされ続けた。
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