Forever Friends

てるる

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さらば、カシマさん2

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新幹線の40分というのは、鈍行の40分より
早く過ぎるように感じるのは、気のせいだろうか。

さすがに毎日のようにメールをやり取りし、
1日遊んでいると話すネタもなくなり、
今更新しい話題で盛り上がってしまうと、
オチまでたどり着かず、中途半端な気持ちのまま、
別れないといけなくなりそうで残念だから、
どちらから言い出すともなく、
俺たちは沈黙していた。
窮屈さのまったくない沈黙だ。
時折カシマさんが、俺の顔を見るのが
むくむくの仔犬のよう。
鹿島先輩はいつもこんな目でみつめられているのか。
いやいや、もっと愛情深いはずだよな。

あと10分ほどで名古屋というときに、
カシマさんが、惜別の辞を述べはじめた。
停車時間が短いので、バタバタしてしまうからだろうが、
いつになく他人行儀だ。
俺としては、忘れ物をしそうになりながら、
ドタバタと列車を降りていくカシマさんを期待するのだが、
手際よく荷物をまとめて、降り際に、


「今日は会えてよかったよ」


とカシマさんは笑みを浮かべた。

何ですか、その今生の別れのような言い草は!

今までそんなこと言ったことないじゃないか、
カシマさんらしくもない。
何か悪いものでも喰ったんだろうか、いや
今日はずっと同じものを食していたぞ。

すっかり虚を突かれてしまい、何の気の利いた言葉も
思いつかず、


「俺も」


と、精いっぱいの笑顔で返した。


ロンダさんは、鹿島夫人になって、名古屋に降りたった。
今度は鈍行に乗り換えて、家族の待つ家に帰っていく。

俺の知るカシマさんじゃないような気がして、
少しばかり心がぽっかりした。
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