Forever Friends

てるる

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ロンダさんというひと

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「工藤くんが来るなら、あたしも行く!」


と、ロンダさんこと、旧姓・論田(ろんでん)、
新姓・鹿島志乃さんが言うから、
俺も久々に大学時代の弓道部のOB会に
出席することにした。

奥さんは、あまりいい顔をしない。
表向きは、2歳になったばかりの
大和がやんちゃ盛りで、手がかかるからだが、
どうやら、俺とロンダさんとの仲が
気になるらしい。


「ただの同期だよ?」


そんなことは彼女も知っている。
だって彼女が試合会場で、初めて俺に声を
掛けてきたとき俺の隣に居たのが、
外ならぬロンダさんだからだ。


ロンダさんは、俺のタイプだった。

見た目がシバの仔犬みたいで、
むくむくしている。
そして、いつも何かもしゃもしゃ食べていて、
いつも何か面白そうなことがないかと
きょろきょろしている。

「そんなことないよ!」

と、膨れる顔は、どう見てもマシマロで、
もちもちとした小さい子が、大きな弓を抱えて
よちよちしているのが、俺的ツボで、
目が離せなかった。

うん、恋愛対象ではないんだよ。
全然まったく。


そんな相手にすら、奥さんがヤキモチを焼いてくれるのは、
悪くない気分だ。
10年近くフラれた後で、結婚してくれた大事な
奥さんだからね。
僕の恋女房。
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