あの頃の夏には

haco.

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逢いたくて

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「おやすみー」

風呂から上がり、母に言った。

その時、玄関から音が聞こえてきた。

「ただいまー」父の声が高らかに上がって、台所まで聞こえてくる。

「今日もハイテンションだな。」優斗はため息をつきながら2階へとあがろうとした。

「ちょいと、優斗!!待ってくれよ。」お酒の匂いが鼻につく。

「お父さん、臭いよ!たまには早く帰ってきて、お母さんのご飯食べてあげなよ」

いつもの父親に説教が始まった。

「それは今はいいんだよ。」優斗の言葉を遮った。

「で?」冷たい目で父を見つめる。

「で?じゃないだろ。今日どうだった?初日の先生はちゃんとやれたか?」

「まあ、やれたと思う」

階段越しで話し合っていた二人をリビングまで母が誘った。

「そこで話しないで、リビングで話し合いましょうよ」

「お母さん、わりい!明日も早いんだ。」

それもそのはずだった、もう23時に近い時間になっていた。

「お父さんもあまり寄らずにまっすぐ帰りなよ!」

一言を言い、自分の部屋へと入った。

「あいつもすっかり教師気取りになったもんだ!」と母に訴える父。


ガチャ・・
ドアを閉めて、受け持つクラスの名簿に目を通す為に、デスクに座った。

「さてと・・。早く済ませて、寧々に会いに行こう!」


夢の中へとついたのは、0時を過ぎた後だった。


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