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haco.

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むかし話4

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宗介は他の子と違い、なかなか行動にするまでが遅い。
つまり、信子との恋もかなり遅いと言ってもよかった。

中学校の頃は、卒業まで信子に片思いのまま高校生になった。

愛媛から東京へと宗介は実家から上京してくる頃には20代後半になっていた。

同じ高校にはなれなかったが、信子とはお互い社会人になってからまた会うこととなった。

その当時、宗介は都内の工場で働いていた。
ある夏日の午後、鉄工場のの鉄柱が足に直撃してきて、骨にひび割れが起こしていた。
引きづる足のまま病院まで向かい、診察を受けていた。

「あらあ、これはひどいですね」医師の石田康介が言う。
細いフレームをかけたメガネをかけ直してレントゲンを見ていた。

「いてて」

「まあ、安静にしときましょう。」
診察後に一言

「ありがとうございます」と頭を下げながら受付室の椅子に座った。

ギブスが取れるまで2ヶ月だと言われた。
ため息をついていると

誰かに笑われたような気がした。
真向かいに座った女性が笑っていた。

思わず見とれてしまう。
この場に相応しくないほどの美人だった。

その女性は、どこか新谷信子に似ていた。

「新谷さーん。診察室へお願いします。」白衣の看護師が呼ぶ。

「あ、はい!」立ち上がり診察室へと向かっていく。

見とれている宗介はハッとした。

「新谷?・・・・え?あの新谷信子!」

まさかの偶然だった。
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