星空の声

haco.

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2日は経ったはず。カレンダーに×して消していくと急に不安が寄せてくる。
その理由もいつまでこんな状況が続くか分からないからだ。

もしかして、人類滅亡!なんてことも頭を横切ってしまっている。

リモコンでチャンネルを変えてもどこの局もつながりはしなかった。
雑な画面だけがずっと続いている。

「どこもノイズだらけだな・・・もしかしてウイルスは局全般にも広がっていてもう報道するものもいないのかもな」

「はあ・・・・ずっとこの部屋にいるのも苦しいなあ」

息苦しさを感じても窓を開けはしなかった。風に舞いながらウイルスが広がり続けているのなら、この部屋にも侵食していくはず。

2時間ほどなにもせずに外を眺め続けていた。

動く気配はないが、たまにパトカーのサイレンがちらつくことはあった。
だが、その後からサイレンさえもウイルスに侵されたかのように静かになった。

目線をいつも通っているコンビニに目を向けてみると、店内の扉は開けっぱなしになっている。
カナタは気づいていた。この状況が続けば食糧さえも家にあるものは尽きていくだろう。
そのためにもスーパーかコンビニに行かなければならない。

「どうすればいいんだよ。なにか対策を考えなければ」

近くの店に行く為になにが必要なのか、部屋にあるものを調べはじめた。

「マスク・・・、あ、でもこんなだけの感染力だ。マスクでも無理がある・・・」

考えてもうまく頭が回らない。

壁に視点を合わせながら、ボーっとしている頭だけ目が泳いでいる。

壁にかけてあるコルク板に一つの写真に目をとめた。
それは、沙耶と2年前にバイクでデートをしにいった湘南の海岸で撮影した写真だった。

あの時、沙耶と付き合い始めてまだ一年も経っていなかった。彼女をいつも後ろに乗せて
いろんなとこへと旅行に行ったりしていた。

仲良しな感じで寄り添っている二人を見ていた。

「沙耶・・・・。ごめんよ。俺が頼りなくて・・」
今更だけど。感情が定まらないまま涙が出ていた。

「ううう・・・・」

ベッドにうずくまり、自分の闇へと消えていきそうになった。

ただ、写真を見て発見したことがあった。

「ヘルメット!!」なにかを発見したかのように
カナタはもう一度写真を見返した。

「そうだ!!ヘルメットだ。」

カナタの考えはこうだった。外に出るためには、ヘルメットの隙間をガムテープで頑丈に縛りつけて、
隙間なく、被ることだった。

そうすれば、ある程度の感染から防げるはずだ。

物置部屋を開けて早速ヘルメットを手にとった。
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