遠い記憶、遠い未来。

haco.

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事実から確信へと

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JR函館本線の線路上を歩いていた。

マップを見ながら、次の駅を辿った。
「深川駅」と書いてあった。

ここから「神居古潭」までの距離はそんなに離れていなかった。
車でも向かったとしても1時間で着くぐらいの場所。

駅内に上がれる駅員用の4段ほどの階段があった。
階段を上がると、自販機と20人ぐらいは座れる椅子が並んでいる駅内に入った。
見渡す限り、本土にいた頃の廃墟さはほとんど感じられなかった。

ただ埃と枯れ葉だけが存在していた。

壁にかけられた撮影した風景写真に目が入った。
この街を映し出した写真がある。

日付を見ると「2323年1月24日撮影」と書いてある。

「もう、何年も前に廃駅となっているのね」

写真には、この駅の最後を見にきた、駅員4名と携わった関係者だろう。
笑顔で写っている集合写真だった。

並べられている写真を眺めていると一つの写真に目が入った。

「1985年11月17日撮影」の写真には駅内の休憩室を撮られていたものだった。
そこにやはりいた「山内透吾」が。
記録ノートを取り出すともう一度確認してみた。

「あった!ここだわ」


「1985年11月15日」と書かれたページを捲ると
中田は山内透吾の後を追っていた内容だった。
その中に北海道のご当地番組のことも書かれていてその番組内に「山内透吾」が映っていることを書いていた。

「日付が近いわ・・。」

「ほんとに近いのかもしれない。」

セイカは、確信していた。早く会わなければ。
この世界を戻せるなら。




 




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