遠い記憶、遠い未来。

haco.

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休息の地

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「疲れたあ・・」

3日かけてようやく都会へと辿り着いた。
足を止めた場所には「函館公園」。


函館市は市内でも札幌の次に賑わう街だ。右を向いても左を向いても家と店が立ち並ぶ、辿り着いたこの街は、殆どの建物も街並みも綺麗なままだ。

「どうしてなのかしら」

この街にはついさっきまでいたかのように人が忽然と消えていた。

車や電車の動く音すらなにもないが、鳥の鳴く声だけが響きわたっている。

ありふれた街の姿がそのまま残されていた。

「ありえない。だって今までほとんどの場所が壊滅状態だったのよ。どうして」

「植物も、存在してない・・・」

見慣れているはずの生い茂っているはずの苔や木の幹もなかった。
長い年を重ねていったはずの街は、ずっと変わらないままだ。

あんぐりと開けていた口を閉じ込む。

「とりあえずは、ここを探索してみようかしら」

一足踏む。

横断歩道まで来るとさらに徒歩を進める。

「あ、服屋さんがあるわ」

ガラス越しに並ぶマネキンが目立って立っている。

「まるでなにかが、この街を守ってたかのように見えるわ」

「靴もボロボロだし。ちょうどいいわ」

店内に入ると、埃がかぶってない洋服が溢れていた。

「もしかして・・・透吾なの?」

おそらく、彼がセイカが来ることを感じて、街を「保存」していたのかもしれない。
それだけは言える。

この街は「休息の地」なのかも知れない。

「なんか、複雑ね・・・」

透吾の考えていることが少し気に食わなかった。







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