遠い記憶、遠い未来。

haco.

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砂漠の地

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ここは富士宮市なのか?

曖昧なまま疑問が生まれてきた。

果たしてここは静岡県なのだろうか。

ほとんどの地形が原型をなしていない。
砂漠の上を歩くが、なにもないに等しい。

風が靡く限り、砂埃が舞っている。

「ケホケホ・・・」

目に入りそうになり、目を閉じる。

もう一度開けると夢でないと知らされる現実が広がっていた。


「なんで・・・富士山が見当たらないわ」

「なぜなの・・・」

あるはずの緑も山がほとんど見当たらない。


砂漠だけが存在していた。

火山と地鳴りを繰り返しては津波にも大きな被害が、何年も続いていた。
爪痕を残すように、この世界は砂漠の星へと変わっていた。
地図を広げても、場所が把握できない。
コンパスを頼りにするしかなかった。

とりあえず足を踏み、一歩づつ進み始める。

柔らかい砂地が砂ぼこりを立てている。

ザ・・・ザ・・・

音を立てながら、2時間ぐらいは経っていた。

なにも見えない地を見つめては、汗も滴り落ちてくる。

この先に町やビルはあるのか・・
それとも森林が生い茂っているのか

いろんな思想を想いながら、足を進めていく。

盛り上がっている箇所が所々、見えてくる。

ただ風が吹く度に、舞っていた。

「喉が乾く・・・」

照らし続ける太陽の下で、帽子が被って長袖の茶色のパーカーを被って歩いていた。
コンパスの位置からすると、北緯が35度と東経が138度と示していた。

この位置に、富士山はあったはずだ。

砂漠山で盛り上がってる箇所がある。
もしかしたら、富士山の名残なのかもしれない。


景色は、刻々と夕闇へと変わり始め、暑かった気温が少し冷め始めてきた。
途方もなく歩いていると、ボトルの水も残りが少なくなってきた。

セイカは、足を下ろししまった。

「疲れたあ・・・」

「はあ、ほんとに終わりはあるのかしら」

遠くを見つめてもなにも凹凸なものも見当たらなかった。




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