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漣の波形
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10月中旬、京都から琵琶湖まで向かう道中まで差し掛かってくると、茂み合間に道路線が土の合間から見えていた。
ふと、周辺を見渡してみたが町の気配はなかった。
空にまで覆い尽くすように生い茂る林に、河川のせせらぎが響きわたっている。
枯れ枝の上を踏むたびに、「パキパキ・・」と砕けていく。
道先を目で追いながら、今どのあたりを進んでいるのか、地図を広げみた。
「滋賀県は栗東市あたりのようね」
ほころびた砂を追いはり、コンクリートの道路がはっきりと見えた。
道沿い通りに進むと「琵琶湖」へとたどり着いた。
風に乗りながら、潮の香りが鼻につく。
琵琶湖は広大な範囲に海のように広がっていた。
遠地まで眺めてはぼやけてしか見えない山々が連なっている。
その間で海さざなみの音に重なるようにヒョロローと鳴くトンビが飛行を繰り返している。
合奏するように自然の音色が響く中、
「こんなに広いのね。家族で行きたかったな・・・」
靡く髪を手で押さえて、湖を眺めていた。
今日は特に風が強かった。
秋晴れ、時々曇りになる。
雨が降りそうな気配は感じるが今のところはまだ降ってはいなかった。
最近の天候は特に、移り変わりは早すぎると感じてしまう。
大雨になり、晴れ渡り、曇り空へと変わる、この琵琶湖はそんな天候に似合っているように
見えてきた。
しばらく、湖を見渡せる道沿いを歩いてく。
鼻歌を鳴らしながら、1時間の距離を歩くと、「宮ケ浜水泳場」と書かれた木造看板が見えてきた。
もう、人がいない水浴場は意味がないまま、存在している。
セイカは、浜辺に腰を下ろし、リュックは砂浜におかまいなしにドサっと置いた。
昔、ミユの母に旅先で購入した絵葉書でもらった琵琶湖の景色を思い出す。
「たしか、このあたりだわ」
見渡す角度を変えながら、眺めてた。
目の前に孤島が存在している、地図で確認をすると「沖島」と記されていた。
特に思い出があるわけではないが、初めて見る、その島に夕焼けが差し込み、シルエットを作り始めていた。
静かに夕闇の世界へと時間は流れはじめる。
立ち上がると、またリュックを背負い歩き始めた。
今日の寝床をどこにしようか考えていた。
湖の近くにテントを建てるには気温がかなり低くなっていく。
現地点から見える遠くの町が見えてきた。
山間と湖の境に並ぶ町へと向かっていった。
小さく波打つ湖の音色を聞きながら。
ふと、周辺を見渡してみたが町の気配はなかった。
空にまで覆い尽くすように生い茂る林に、河川のせせらぎが響きわたっている。
枯れ枝の上を踏むたびに、「パキパキ・・」と砕けていく。
道先を目で追いながら、今どのあたりを進んでいるのか、地図を広げみた。
「滋賀県は栗東市あたりのようね」
ほころびた砂を追いはり、コンクリートの道路がはっきりと見えた。
道沿い通りに進むと「琵琶湖」へとたどり着いた。
風に乗りながら、潮の香りが鼻につく。
琵琶湖は広大な範囲に海のように広がっていた。
遠地まで眺めてはぼやけてしか見えない山々が連なっている。
その間で海さざなみの音に重なるようにヒョロローと鳴くトンビが飛行を繰り返している。
合奏するように自然の音色が響く中、
「こんなに広いのね。家族で行きたかったな・・・」
靡く髪を手で押さえて、湖を眺めていた。
今日は特に風が強かった。
秋晴れ、時々曇りになる。
雨が降りそうな気配は感じるが今のところはまだ降ってはいなかった。
最近の天候は特に、移り変わりは早すぎると感じてしまう。
大雨になり、晴れ渡り、曇り空へと変わる、この琵琶湖はそんな天候に似合っているように
見えてきた。
しばらく、湖を見渡せる道沿いを歩いてく。
鼻歌を鳴らしながら、1時間の距離を歩くと、「宮ケ浜水泳場」と書かれた木造看板が見えてきた。
もう、人がいない水浴場は意味がないまま、存在している。
セイカは、浜辺に腰を下ろし、リュックは砂浜におかまいなしにドサっと置いた。
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「たしか、このあたりだわ」
見渡す角度を変えながら、眺めてた。
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特に思い出があるわけではないが、初めて見る、その島に夕焼けが差し込み、シルエットを作り始めていた。
静かに夕闇の世界へと時間は流れはじめる。
立ち上がると、またリュックを背負い歩き始めた。
今日の寝床をどこにしようか考えていた。
湖の近くにテントを建てるには気温がかなり低くなっていく。
現地点から見える遠くの町が見えてきた。
山間と湖の境に並ぶ町へと向かっていった。
小さく波打つ湖の音色を聞きながら。
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