93 / 121
京都
しおりを挟む
9月頃、初夏から移り変わるように少し落ち着きはじめてくる。
景色を潤すようにピチャピチャと雨音が聞こえていた。
山の麓まで辿り着くと「氷室神社」で足を止めた。
レインコートを纏いながら歩いていると
雨の匂いの中に少し海の匂いを感じていた。
神社から見える街なみはオレンジ色に染まる景色の中に金閣寺は半分倒壊をしていた。
3層構造の上部だけが海から見えていた。
1層目の寝殿と2層は武家造りの潮音洞(ちょうおんどう)はほとんど浸水している。
周辺をざわめくように魚が群れていた。
煌めく夕焼けの下、金閣寺の3層目だけが目立つように立っている。
初めて見る京都の景色は、悲しむような風景と化していた。
セイカは、神社の屋根の下で町並みを眺めていた。
「やっとここまで来たのね」
福岡から始まった道のりは、2年近くかかっていた。
自動車があればその半分ぐらいで着くだろう。
この2000年の間、長い眠りに入っていた。
あの倒壊した蓮見蓮の家の中で。
気付いた時には、世界が廃墟と化していた。
いや、そうではないことを願いたいと思っている。。
地球のどこかで生存している人間はいるはずだ。
思いを込めながら、今まで来た。
それでも人の気配は感じれなかった。
「ほんとに、もういないのかしら・・・」
募る思いを手で胸を抑える。
ギュ・・っと。
景色を潤すようにピチャピチャと雨音が聞こえていた。
山の麓まで辿り着くと「氷室神社」で足を止めた。
レインコートを纏いながら歩いていると
雨の匂いの中に少し海の匂いを感じていた。
神社から見える街なみはオレンジ色に染まる景色の中に金閣寺は半分倒壊をしていた。
3層構造の上部だけが海から見えていた。
1層目の寝殿と2層は武家造りの潮音洞(ちょうおんどう)はほとんど浸水している。
周辺をざわめくように魚が群れていた。
煌めく夕焼けの下、金閣寺の3層目だけが目立つように立っている。
初めて見る京都の景色は、悲しむような風景と化していた。
セイカは、神社の屋根の下で町並みを眺めていた。
「やっとここまで来たのね」
福岡から始まった道のりは、2年近くかかっていた。
自動車があればその半分ぐらいで着くだろう。
この2000年の間、長い眠りに入っていた。
あの倒壊した蓮見蓮の家の中で。
気付いた時には、世界が廃墟と化していた。
いや、そうではないことを願いたいと思っている。。
地球のどこかで生存している人間はいるはずだ。
思いを込めながら、今まで来た。
それでも人の気配は感じれなかった。
「ほんとに、もういないのかしら・・・」
募る思いを手で胸を抑える。
ギュ・・っと。
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる