遠い記憶、遠い未来。

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「うわあ、気持ちいいー!」

青く澄み渡る空に手を広げて、くじらの頭の上で満喫していた。
カモメの声と波打つ音で雄大な海の広さを感じていた。


まさか、くじらの上に乗れる日が来るとはとセイカは信じられなかった。

「ありがとね。くじらくん。」

風になびかれながらも、返答をしてくれた。
「ボォー!!」


行く方向は本土の入り口、山口県。

誰か人がいたらいいなあと思っていた。

あの津波の中でも生きながらえた人はいるのだろうか。

もし、生きていたとしてももう2000年は過ぎている、廃墟と化した星にいるのだろうか。

セイカ以外の人間は。

とりあえず進むしかない。

あまり期待はしないでおこうと心の中で思っていた。

そしてくじらの泳ぐスピードが少し早くなってきた。
もしかしたら、願ってくれてるのかも知れない。

まだ人類はいるのか。

「そうだよね。思い続かないとね。」
セイカは少し、助けられたような気がした。

願い続ければ必ず会えるはずだと。
「山内透吾」へと。

まずは目指すは下関へ!



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