遠い記憶、遠い未来。

haco.

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退化する心

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「1985年8月13日」

山内透吾からようやく事務所宛てに電話が来た。

一度会って確認したいことがあるそうだ。
私は、彼に息子さんも同席して良いか聞いてみた。

すると、迷いながらも受け入れてくれたようだ。

「1985年8月16日」

午前10時に事務所で待ちあわせをした。

山内悟も同席。

時間が5分ぐらいすぎた頃、父親である山内透吾が事務所にやってきた。

16年ぶりの再会らしい。

父親の変わってない姿を見て、息子の悟はびっくりしていた。 あの写真に映る父親と変わらないままでいた。

私は、真相を知るためにいくつかの写真を見せると目をそらせようとする父親が見えた。

彼のなにがそうさせるのか聞いてみるが、やはり無口だった。

私から話しを切り出すと、少し同様したようだ。

まるで尋問してる気持ちになった。

ようやく諦めたようなフリをすると
一言言い始めた。「こんな話しても、信じてもらえるかわからない」と言った。

私は「あなたの過去を調べてきたんです」と言うとテーブルに、ちらばめた写真を見せてみた。

「私はほんとうのあなたを知りたいんですよ。この事実がほんとうなら」と責めたてると


「こんな、話しても誰も信じないと思います。それでもいいなら。。」
と語り始めた。

「私は、不老不死なのかもしれない。いや実際にはそうなんだよ。」

「不老不死?」

「私は、どの時代でも家族を捨ててきたようなものです。
数え切れないほどの人達とも関わってきました。でも、長くは続かなかった。」

おそらく彼はずっと苦しんできたはずだ。
これだけの情報があるだけに信じられないとは言えない。

話を続けていくと、確信に迫るように手を繋いでみてくださいと彼は言ってきた。

少し半信半疑ながらも触れてみた。

壮大な体験を私と息子の悟は味わった。

言葉では表現できない。
しいていえば、彼自体が万物の根源なのだろう。

宇宙を地球を創造している、そして私達が存在できる理由も彼が、いや山内透吾本人がいたからだ。

いくつもの何億光年も生きた彼は、姿形前に生きた生命体になっていた。

「セイカ」になっていた。

まだ信じられないが、これは体験した私がただ記録として残していこうと思う。

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