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浮遊の渦
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妻、「羽角ユミ」の3回忌が終わった後、羽角家で集会を行っていた。
親戚一同と、久々に会うサキと盛り上がっていた。
ミユの母は、集会途中で辞退をして帰っていた。
父が他界した後、羽角康太の代わりにサキが父の代理をしてくれていた。
「ミユさん亡くなってもう、2年かあ。」
サキと妻は蓮の苦労話で、よく意気投合をしていたそうだ。
「ミユさんはほんとに良い奥さんだったよ。お前のことでよく相談もあったもんだ。」
「どんな話してたの?」
「それは秘密さ」
「サキとミユが付き合ってる言い方じゃないか」
「ヤキモチか?」
「まあそんなもんかな」
「素直じゃないなあ。相変わらず」
サキは、羽角家から見渡せる夜の幻想に映し出される海を見ていた。
「ここは良い所だな」
夜風を浴びているサキを見て、蓮は思っていた。
「サキはさ、なんで父の肩代わりをしてくれたの?」
「なんでだろうな。オレも社長と同じになっていたのかもしれないな」
「クローンを創造するなんてさ。実際俺も興味があったから、関わっていたんだ」
「社長みたいな欲は少なくとも少しはあったよ。」
「オレにも責任があるんだ、だからさ。お前への償いだよ」
「そか、オレはサキも父さんも今では憎んでないよ。だって今の自分があるのは、サキと父さんがいてくれたから存在できたんだ。」
「蓮・・・」
そんな二人は静かに夜の海に黄昏れていた。
「なあ、テレビ見てみろよ」後ろからテツの声が聞こえてきた。
「富士山噴火したってニュースで言ってるよ」
蓮とサキはテレビに振り返ると東京の街は富士山の噴火によって、黒い煙幕が街全体を降り注いでいた。
「なんだ・・これ!」蓮は恐怖を覚えていた。
ニュースキャスターの女性がヘルメットをかぶって実況していた。
「ただいま、緊急速報で、富士山が午後10時に噴火を起こしました。」
「噴火に伴い、基盤に亀裂が入っており、地震に影響を起こしております。ただちに、市の指示に従い、学校等に避難してください。」
「東京やべえーじゃん。」
ビールジョッキを片手に持ちながら、カオルはびっくりしていた。
蓮は、これはただの予測で起こったことかもしれないと思った。
「もしかして・・・」
「もしかして?」サキが言うと
《グラッ》
「え?」蓮はなぜか予想できていた。
「ここから逃げるんだ!!!」
蓮の声が家中に響き渡る
地震が少しづつ大きく揺れ始めた。
「蓮、どうすればいい?」サキは蓮の考えていることがわかるようだ。
「とりあえず、高台まで向かうぞ!」
「ちょっとまって!地震でしょ?」ミユナが冷静を保っているつもりだが。
「これは、ただの地震じゃない。」
蓮は声を張り上げながら、外へと指示を仰いでいる。
地面がさらに激しく揺れ始めていく
《グラッ》
《グラッ》
地下から地鳴りが鳴り始めていた。
聞いたことがある音だった。
そう、地球が誕生したときに味わった火山噴火により、死んでゆく恐竜達の悲鳴が今でも伝わってくる。
ニュースキャスターの女性は「各地でも今、火山噴火が始まっていると只今の情報で入ってきました。」
テレビの中でも地震が起きていた。
これは、地球全体の火山噴火が一斉に暗黒の闇へと誘っていた。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
ガタン!!!
「部屋が!揺れている!」
地面がさらに激しく揺れていく
蓮達は、外へと向かうと。
電気スタンドがテレビが食器棚のドアが激しく開き、食器が次々と落ちていく。
木造立ての一軒家は二階の床が激しさのあまりに耐えれなく、崩れていった。
「はあはあ・・・」サキは蓮に頼るしかできなかった。
この世界の神であるなら、蓮ならなにかできると信じていた。
周りを見渡せば街中の人々が騒いで逃げ回っていた。
火事と地震の間で人はどうするすべは出来なかった。
「来た!!!」蓮は叫ぶように言った。
海を見ていると、遠くから地鳴りとともに近寄ってくるものがいた。
大型の津波だった。
「うわああああ‼‼‼」テツとカオルは青ざめながらも走っていく
それでも間に合わない。
「蓮!!!」サキは高台に総勢で走りながら言うと
「く、間に合わない!!!」蓮は最後の抵抗をするように全力疾走をしている。
津波はまるで巨大な生き物のようにうねりながら、蓮達を飲み込んでいった。
流されるまま、家族を引き裂いていく・・・
「お父さん!!」ミユナの助ける声が遠のいていく・・
蓮の意識はなくなっていた。
コポコポ・・・・・・
親戚一同と、久々に会うサキと盛り上がっていた。
ミユの母は、集会途中で辞退をして帰っていた。
父が他界した後、羽角康太の代わりにサキが父の代理をしてくれていた。
「ミユさん亡くなってもう、2年かあ。」
サキと妻は蓮の苦労話で、よく意気投合をしていたそうだ。
「ミユさんはほんとに良い奥さんだったよ。お前のことでよく相談もあったもんだ。」
「どんな話してたの?」
「それは秘密さ」
「サキとミユが付き合ってる言い方じゃないか」
「ヤキモチか?」
「まあそんなもんかな」
「素直じゃないなあ。相変わらず」
サキは、羽角家から見渡せる夜の幻想に映し出される海を見ていた。
「ここは良い所だな」
夜風を浴びているサキを見て、蓮は思っていた。
「サキはさ、なんで父の肩代わりをしてくれたの?」
「なんでだろうな。オレも社長と同じになっていたのかもしれないな」
「クローンを創造するなんてさ。実際俺も興味があったから、関わっていたんだ」
「社長みたいな欲は少なくとも少しはあったよ。」
「オレにも責任があるんだ、だからさ。お前への償いだよ」
「そか、オレはサキも父さんも今では憎んでないよ。だって今の自分があるのは、サキと父さんがいてくれたから存在できたんだ。」
「蓮・・・」
そんな二人は静かに夜の海に黄昏れていた。
「なあ、テレビ見てみろよ」後ろからテツの声が聞こえてきた。
「富士山噴火したってニュースで言ってるよ」
蓮とサキはテレビに振り返ると東京の街は富士山の噴火によって、黒い煙幕が街全体を降り注いでいた。
「なんだ・・これ!」蓮は恐怖を覚えていた。
ニュースキャスターの女性がヘルメットをかぶって実況していた。
「ただいま、緊急速報で、富士山が午後10時に噴火を起こしました。」
「噴火に伴い、基盤に亀裂が入っており、地震に影響を起こしております。ただちに、市の指示に従い、学校等に避難してください。」
「東京やべえーじゃん。」
ビールジョッキを片手に持ちながら、カオルはびっくりしていた。
蓮は、これはただの予測で起こったことかもしれないと思った。
「もしかして・・・」
「もしかして?」サキが言うと
《グラッ》
「え?」蓮はなぜか予想できていた。
「ここから逃げるんだ!!!」
蓮の声が家中に響き渡る
地震が少しづつ大きく揺れ始めた。
「蓮、どうすればいい?」サキは蓮の考えていることがわかるようだ。
「とりあえず、高台まで向かうぞ!」
「ちょっとまって!地震でしょ?」ミユナが冷静を保っているつもりだが。
「これは、ただの地震じゃない。」
蓮は声を張り上げながら、外へと指示を仰いでいる。
地面がさらに激しく揺れ始めていく
《グラッ》
《グラッ》
地下から地鳴りが鳴り始めていた。
聞いたことがある音だった。
そう、地球が誕生したときに味わった火山噴火により、死んでゆく恐竜達の悲鳴が今でも伝わってくる。
ニュースキャスターの女性は「各地でも今、火山噴火が始まっていると只今の情報で入ってきました。」
テレビの中でも地震が起きていた。
これは、地球全体の火山噴火が一斉に暗黒の闇へと誘っていた。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
ガタン!!!
「部屋が!揺れている!」
地面がさらに激しく揺れていく
蓮達は、外へと向かうと。
電気スタンドがテレビが食器棚のドアが激しく開き、食器が次々と落ちていく。
木造立ての一軒家は二階の床が激しさのあまりに耐えれなく、崩れていった。
「はあはあ・・・」サキは蓮に頼るしかできなかった。
この世界の神であるなら、蓮ならなにかできると信じていた。
周りを見渡せば街中の人々が騒いで逃げ回っていた。
火事と地震の間で人はどうするすべは出来なかった。
「来た!!!」蓮は叫ぶように言った。
海を見ていると、遠くから地鳴りとともに近寄ってくるものがいた。
大型の津波だった。
「うわああああ‼‼‼」テツとカオルは青ざめながらも走っていく
それでも間に合わない。
「蓮!!!」サキは高台に総勢で走りながら言うと
「く、間に合わない!!!」蓮は最後の抵抗をするように全力疾走をしている。
津波はまるで巨大な生き物のようにうねりながら、蓮達を飲み込んでいった。
流されるまま、家族を引き裂いていく・・・
「お父さん!!」ミユナの助ける声が遠のいていく・・
蓮の意識はなくなっていた。
コポコポ・・・・・・
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