遠い記憶、遠い未来。

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第三章-3850年-

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深い眠りの中、意識ははっきりとしてきた。

自分はどこにいるのだろう?

それ以前に私は誰だ?

ここは一体…


プシューー!
どこからか機械の動く音が聞こえてきた。
何かが開く音が。

すると私を覆っていた水の塊が下に移動すると
地面の小さな穴たちに水は吸い込まれていく。

閉じていた目を開いてみた。

一人分入れるぐらいの円型の水槽に、私が寝ていたのだ。

なにも着てないので、冷え込む身体を両腕で抱きしめたまま

周りを見回してみた。

「ここは一体!」

研究室らしい部屋の中、私を観察するように。
白衣を着た4人が見ていた。


頭痛がする中でまぶたに手をおいてこの状況が把握できないままでいた。

一人の白衣を着た女性が私を立たせながら、水槽の扉を開けて研究室内まで歩かされると椅子に座るように指示をした。

ペンライトで、目の瞳孔をチェックしては、口内のチェックもしている。

「よし!後は部屋まで案内してあげて。」とまだ20前後な顔で、長い髪を後ろで束ねているその女性が言った。

「まだ、様子を見てみましょう」と用紙にチェックを行いながら、

研究室のドアが開かれた。

廊下を見ると病院なのか、どこかの巨大な乗り物の中の部屋なのか、とにかく状況がつかめないでいた。

「あのー。ここは何処なんですか?」と
目の前で白衣を着た巨大な二人に言った。

よく自分の声を聞けば子供の声だった。


「そんなことは今は関係ない。その前に服装と部屋を準備してあるから、その後に父親に会いにいく。」
と巨大な人間の一人が言う。

父親?私に?疑問が多すぎてついていけない。

部屋に着くと、勉強机とベッドにプレゼント箱が置かれている、その横の窓から外の景色を見ることが出来た。

外の世界は、空中を飛ぶ車がたくさん存在しており、私が立っている場所は、高層ビルの44階だった。

窓から見える下の街を見ると活気溢れるアメリカ市街のような世界が広がっていた。

人工的には作られた街並みのビルに巨大なテレビが映し出されている。ニュース番組なのだろうか。

この世界は見たことがない世界であるのは確かだ。

「この服に着替えなさい。」と私を真っ直ぐ見つめる巨大な人は、
どこか無機質感を感じた。

言われるがまま、着るとそれは子供服。

鏡越しで自分を見ると、驚いた。
鏡に映る自分は、子供だった。

あたかも今生れたばかりのような。

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