遠い記憶、遠い未来。

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家族

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探偵事務所の中田は、平日の昼間に山内透吾に電話をかけた。

「はい、山内ですが。」

「探偵事務所の中田です」

「あ、どうも。。」と私は言った。

中田の電話内容は、是非、家に招待したいという話だった。
家族に話をしていており、透吾のことに興味を持っているとう話だった。
中田の家族構成は、既婚のため、中田妻と子供が2人もいるという。
話を聞いていると「うちの家族は、ミステリーとか謎めいたものが好きででしてね」
と中田。「あなたにひと目でも良いので会いたい」と
言ってきた。

申し分ない。自分も会って仲良くなりたいものだ。

一週間後の日曜日に朝の9時に支度して家を出た。
一人暮らしとは楽なもので、気楽に一人で行動ができる。

世田谷区は若林駅から降りると徒歩で15分の距離に住宅街に入り込む。
住宅街の5軒先に中田家の一軒家が見えてきた。

世田谷区は、高級住宅が並ぶところが多いと世間からよくいわれている。まさに中田家もそうだった。

新築一戸建てで。すべての壁は真っ白で、洗礼された建築になっている。
入るのすらためらうような高級感ある建物だ。

インターホンを鳴らすと

「はあい。」

おそらく中田妻である。

「中に入られてどうぞ!」

と言って切ると、カチンと音をたてると

オートロックが解除した、

さすがのセキュリティの硬さにビックリした。

ドアが開かれると「ささ。どうぞどうぞ!」

と言いながら、中田妻の顔を初めてみた。

女優の誰かに似ているが、顔立ちは、くっきり2重の瞳に。
笑うとエクボが似合いそうな。世田谷美人。


リビングまで通されると。
すべてに驚いた。

玄関からリビングまでの距離よりも
3階まで続く広い螺旋階段に目を奪われていた。

筋金入りのお金持ちだと心の中で思った。

中田さんの前職を聞いたことはあったが、
元は大手会社でエリートとしての道に行ってた時期に、この
一戸建てを購入したと言っていた。

室内を見渡すと、飾りという飾りはなく、白の壁だけがどこ
の部屋に入っても目立つようになっている。

「まるで、美術館にきたみたいだ。。」

と私が言うと
「飾り気がないでしょ。うちは主人が物を置きたがらないのよ。」
「私もそうなんですけどね」 

「でもこの家は、そこか良いところですね。自分なんか、部屋散らかしばかりなので」
手で頭をかきながら、私がいった。

「片付けにいこうかしら?」
と言うと背後から

「由美子。すぐに浮気しようとするなあ」 
と中田が、リビングのドアを開けながら言ってきた。

「イケメン見ると顔色変わるのわかりやすいからね」

中田がそこまで言うのも、由美子は何度か不倫をした経験から
浮気調査を自分でするようになった。
その調査から自分に向いてると思ったらしい。
探偵事務所を建てるのも。

2階からゴトゴトと音をたてながら、リビングに降りてくるものがいた。

「お父さん、お客さん来たの?」と大声で夫妻の子供達が降りてきた。


「こんにちわ!山内透吾と言います!今日はよろしくね。」
「あっそれと近場で美味しそうなお菓子があったので、是非一緒に食べましょう!」と手土産を由美子に渡した。

「お気づかいありがとうございます!」
と由美子。

「積もる話もあるだろうが、まま、テーブルで落ち着いて食事しよう」と中田は言った。
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