遠い記憶、遠い未来。

haco.

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愚痴と現実

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「いやーまいったよ!」とレンは帰ってそうそう、
愚痴ってきた。
「どーしたの?仕事でなにかあったの?」
と答えながら夜ご飯の支度をしていた。

「宇宙船の強度を高めろなんて言われて、これでも精一杯がんばってるんだぜ。設計から見直して作り直しだとか。絶対なんか裏がある!」
愚痴と現実問題の間で揺れ動きながらも
ご飯をモグモグ食べている。

愚痴を聞いてあげるのも彼女の役目なんてため息付きながらも
聞いていた。

昔からレンは筋が通らない話は頑固な性格なもので、屈指たりはしなかった。教会にいた頃はそれで言い合いになった時もあり、
からかってくる男の子がいればすぐに喧嘩になることも。
それも筋が通らない話からはじまることだった。

だけどプラス面で考えれば自分に自信があるということだ。
でなければ整備士にはなれないだろうし。

「そもそも宇宙船作ってどーするんだ?この星捨てて他の星に住む気か!」

またレンの妄想の暴走が始まった。
「私はそれよりも他の星に生き物がいるのか興味あるなあ」
と言い返した。

「ずるい!人の話曲げたなあ」とレンが笑いながら言った。

それでもレンの言ってることは現実になるとは
その時思わなかった。

この星の寿命が短いことが。。
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