遠い記憶、遠い未来。

haco.

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朝焼けの笑み

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今日はめずらしく朝焼けの頃に目が覚めた。

自分が寝てたベッドの真向かいに寝てたランと
ここに来てからずっと一緒の部屋にいる「リン」という小柄な体格でお人形のようなきれいな顔立ちの女の子も
私の視界の範囲でぐっすりと寝ていた。

リンとはどこか私と同じ性格をしていた。

同じようなしぐさをしたり、ここに来た頃から、周りを冷静に見つめては少し大人びた対応

歳もあるのかもしれない。私より2つ上でもあるから
そうなるのかもしれない

リンから聞いた話。
元々、親はいないと聞かされた。
それも赤ちゃんの頃に捨てられ、拾ってくれた家族がいたらしい。
最初は優しく接してくれたけど。それは表向き。
4歳の頃に人身売買として様々なところに渡り歩いて
その矢先の出来事に、戦争に巻き込まれてこの教会まで来たと
いうことだった。

私から見れば、私よりも辛い経験をいっぱいしていることに
自分自身に腹立っていた。

どれだけ自分が幸せだったか、リンの人生は辛いことばかりなのに
不平等な世界にも腹立ていた。

今や横で寝てるリンを見て、頭を擦ってあげたかった。

外から小鳥のさえずりとともに、閉じていた目がゆっくりと開けて

「おはよう!セイカ」

とリンが言ってきた

どこか幸せそうな笑みを浮かべながら

「おはよ!」

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