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転生
しおりを挟む目が覚めると目の前には「人間」と言われる生き物が立って
「ワタシ」を見ていた。
物珍しそうにずっと見てくるが、「ワタシ」にとっては誰かが
わからない。
「おめでとうございます!!」と白衣を着た女性が手でぱちぱちしながら
思いっきりの笑顔になった。
「ありがとうございます」という男性がいて
泣いている。
「ワタシ」はこの世界で、親というものと知り得た。
この星では、母が母体となり、子が生まれてくるらしい。
そっと、「ハハオヤ」は体を持ち上げて、顔を近づけてくる。
どこかの星がきらめくように、目の中が輝いてみえる。
うっとりと見つめられると、「ジブン」も「ハハオヤ」の存在に
うっとりと見とれていた。
その横で、「チチオヤ」は、次は自分もと言わんばかりに、
「ワタシ」を抱きかかえてきた。
とても幸せな気持ちになれた。
そのときには、自分が昔の記憶がもうないことに気づいた。
創造したこの時を。
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