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遠い記憶、遠い未来のお話
しおりを挟む目が覚めるとそこはすべてが白に満ちた世界だった
見渡す限り白く、広大にある。
広大の中、自分の身は透明な存在だった。
小さな物質だけではあるが、自分の存在はたしかに「物質」である。
触ることもない体もなければ、動くということもできない。
動くということを知らないだけかもしれない。
ただ浮いている「物質」だった。
心の中の衝動が「動きたい」と語り始めた。
とにかく、意識を集中してみよう。。。。
「······················」
力を込めてみたが、なにも始まらない
もっと力をこめてみよう
「··································」
念を込めると、黒い球体が自分の体内から「生まれた」。
黒い球体はそれからずっと動かない。
自分も動けないのでなにもできない。
この白の世界に「時間」があるのかどうかわからないが
流れるまま、ずっと動くのを待っていた。
長い時間の中、自分がなにモノなのか?どこから生まれたのか?
考えてみたが、わからないのが事実だった。
「意識」の部分が振動するとは目の前の景色が揺れ始めた。
それから黒い球体の存在も共鳴するかのように身震いするように揺れていく。
静かだったこの世界が突然、地鳴りがするとともに、目の前の風景が一変しはじめたのだ。
球体は繁殖するように、球体の中から複数の球体が生まれ、広大な白の世界を埋め尽くすぐらいの白黒の世界へと変貌を繰り返した。
球体の巨大なエネルギーは、磁石で引き寄せるようにたぐり、引きずり寄せていった。
響く轟音と、身体が振動を繰り返しながら
ごく自然な流れのように黒い球体の中に吸い込まれていく
響く乱気流のような音が遠くから聞こえては近くで聞こえては意識は突然、真っ白になった。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先程みた風景から一変して、見えたのは、見渡す限りの黒の世界だった。
「ここはいったい。」
静まり返す黒の世界は自分の存在すら孤独にさせた。
ただ、ひとつ言えるのは、自分の存在だけが光輝いていた。
そこでまた一息かけるように「意識」を集中してみた。
それがこの世界の摂理のように白く光る球体から球体が生まれては、繁殖を続け始めた。
黒い世界の中で、散らばるかのように広がりつづけた。
遠くから聞こえる 命の鼓動が聞こえてくる。
それは「星」となり
そう。。ここの世界は「宇宙」だった。
この世界ではじめて「意識」として生まれたのが自分だった。
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