遠い記憶、遠い未来。

haco.

文字の大きさ
上 下
1 / 121

遠い記憶、遠い未来のお話

しおりを挟む

目が覚めるとそこはすべてが白に満ちた世界だった

見渡す限り白く、広大にある。

広大の中、自分の身は透明な存在だった。

小さな物質だけではあるが、自分の存在はたしかに「物質」である。
触ることもない体もなければ、動くということもできない。

動くということを知らないだけかもしれない。
ただ浮いている「物質」だった。


心の中の衝動が「動きたい」と語り始めた。


とにかく、意識を集中してみよう。。。。


「······················」


力を込めてみたが、なにも始まらない


もっと力をこめてみよう

「··································」

念を込めると、黒い球体が自分の体内から「生まれた」。


黒い球体はそれからずっと動かない。


自分も動けないのでなにもできない。


この白の世界に「時間」があるのかどうかわからないが


流れるまま、ずっと動くのを待っていた。


長い時間の中、自分がなにモノなのか?どこから生まれたのか?
考えてみたが、わからないのが事実だった。

「意識」の部分が振動するとは目の前の景色が揺れ始めた。

それから黒い球体の存在も共鳴するかのように身震いするように揺れていく。
静かだったこの世界が突然、地鳴りがするとともに、目の前の風景が一変しはじめたのだ。


球体は繁殖するように、球体の中から複数の球体が生まれ、広大な白の世界を埋め尽くすぐらいの白黒の世界へと変貌を繰り返した。

球体の巨大なエネルギーは、磁石で引き寄せるようにたぐり、引きずり寄せていった。

響く轟音と、身体が振動を繰り返しながら

ごく自然な流れのように黒い球体の中に吸い込まれていく


響く乱気流のような音が遠くから聞こえては近くで聞こえては意識は突然、真っ白になった。



・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




先程みた風景から一変して、見えたのは、見渡す限りの黒の世界だった。

「ここはいったい。」


静まり返す黒の世界は自分の存在すら孤独にさせた。
ただ、ひとつ言えるのは、自分の存在だけが光輝いていた。

そこでまた一息かけるように「意識」を集中してみた。
それがこの世界の摂理のように白く光る球体から球体が生まれては、繁殖を続け始めた。
黒い世界の中で、散らばるかのように広がりつづけた。

遠くから聞こえる 命の鼓動が聞こえてくる。

それは「星」となり

そう。。ここの世界は「宇宙」だった。

この世界ではじめて「意識」として生まれたのが自分だった。


しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~

りーさん
ファンタジー
 ある日、異世界に転生したルイ。  前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。  そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。 「家族といたいからほっといてよ!」 ※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

処理中です...