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第4章 沢田くんと夢の遊園地
沢田くんと待ち合わせ
しおりを挟む……ついにこの日が来てしまった。
沢田くんと遊園地!
昨日の夜はドキドキしすぎてなかなか眠れなくて焦った。目の下にクマなんてできて欲しくない。
日曜日の朝、結局6時半に起きた私は、さっそく鏡の前で顔色をチェックしたり、ギリギリまで悩んだカットソーとミモレ丈のスカートに着替えたり、ヘアアイロンで短い毛先を巻いたりと大忙しだった。
デートなんて初めて。しかも相手はあの沢田くん。
いつもよりしっかりオシャレして沢田くんをびっくりさせたかった。
場所は私が乗りたいと思ったアトラクションを全て兼ねそろえている県内最大の遊園地にした。
集合時間は開園と合わせて、現地で落ち合うことになっている。
沢田くんの私服を見るのも初めてだな。パジャマは見たことあるけど。
あー緊張してきた!
「気合い入ってるな。どうしたんだ、景子は」
「男の子とデートするんだって」
「デート⁉︎ ぶはっ!」
「ちょっとお父さん、味噌汁噴かないでよ」
リビングでは朝食中の両親がそんな会話をしている。
こういうのってちょっと気まずいなあ。早めに準備して、早めに行って、早めに沢田くんを待ってよう!
私はごはんもそこそこに済ませて家を出た。歩き回ることを想定して、通学用のローファーではなくてスニーカーを履いていく。
天気は予報通りの快晴だった。ちょっと汗ばむくらいの陽気だ。
念の為、良い香りのするミストをつけて準備はオッケー。
電車と駅からの直行バスを乗り継ぎ、私はようやく遊園地に到着した。
時間は待ち合わせの15分前というところ。いろいろやってたらけっこうあっという間にいい時間になっていたけど、沢田くんはまだ来ていないかな?
【佐藤さん、まだかな……】
来てた。
遠くからでもパッと目を引く艶やかな黒髪と、透明感のある白い肌。それを引き立てるような7分丈の白シャツと細い黒デニムを履いている……私服姿の沢田くん!!!
やばい、血を吐きそうなほどカッコ良いんですが!!
【もしかして、ドッキリだったらどうしよう((((;゚Д゚)))))))緊張しすぎて朝5時に目が覚めたんだけど、もしかしてまだ夢の中だったらどうしよう! 知らず知らずのうちに二度寝することってあるよね。佐藤さんを待たせるわけにはいかないと思って1時間前から待っている俺っていう夢……悪夢じゃん!!((((;゚Д゚)))))))夢なら早く覚めろーーーっ!!!】
ええええっ、1時間も前から待ってたの⁉︎
私は慌てて沢田くんの前に小走りで近づいた。
「沢田くんっ」
【ドキッ!!!Σ(゚д゚lll)】
無表情に驚く沢田くん。顔面固まったままで、私を見つめて、
【さ、佐藤さん……来てくれた!!。゚(゚´Д`゚)゚。ええっ、めっちゃ可愛い! めっちゃ可愛いよ~~~!!! ああ、これが夢だったら脳内で作り出した俺、グッジョブ。いや、目覚めろや!!!】
いきなりテンションMAXのもよう。可愛すぎてニヤニヤしちゃう。
「ごめん、待った?」
「……今、来たとこ」
しかも嘘ついてるし。
【一度言ってみたかったんだ、このセリフヽ(*^ω^*)ノ】
気持ちは分かるよ、沢田くん! 私も同じさ!!
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