沢田くんはおしゃべり

ゆづ

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第3章 沢田くんと炎のドッジボール

沢田くんと友情の握手

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 えええええええええええ~~~⁉︎


 私はまばたきするのも忘れてその光景を見ていた。
 ……信じられない。
 まさか、アレがこうなってああ展開して、こんな結末になるなんて……!
 Bチームのみんなも唖然として、誰も勝利の声をあげないでいる。


「最後のアレ、何だったの? よく分かんなかったけど……」
「なんか、小野田くんが勝手に倒れたみたいに見えたけど?」
「沢田がトドメを刺したのは見た。でもその前がわけわかんねえ」


 でしょうね!!
 私もまさかこんなわけのわかんない決着になるなんて、想像もしていなかったよ!
 可哀想な小野田くん。
 せっかく沢田くんとの友情を取ったのに、あっさり攻撃されて。


【奥義を出す間もなく勝ってしまった……!((((;゚Д゚)))))))この人、何考えてるのかよく分かんなくてやっぱり怖い!!】


 沢田くんは青い顔をして小野田くんに背を向けた。すると小野田くんが「沢田!」と声をかけた。
 沢田くんがそろそろと振り向くと、小野田くんが渋く微笑みながら近づいてきた。


「……いい試合だったな。好敵手ともよ」


 小野田くんから握手の手が差し出される。
 試合後にライバル同士が心を通わせ合う感動のシーンに、沢田くんは──。


「はぁ?【(ㆀ˘・з・˘)】」


 眉根に皺を寄せた顔でそう冷たく言い放ち、再びクルッと彼に背を向けた。


「行こう、佐藤さん【あの人、怖い!!((((;゚Д゚)))))))】」
「う、うん……」


 沢田くんに促されて私もBチームのみんなのところに戻りかけたけど、小野田くんが気になったから途中で少し振り返ってみた。


「…………」

 小野田くんは地面に両手と膝をついてガックリと項垂れていた。_| ̄|○




 ドンマイ、小野田くん!
 いつか思いが伝わる日が来るよ! きっと……多分……。



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