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第3章 沢田くんと炎のドッジボール
沢田くんとイメージチェンジ2
しおりを挟む「あのー、沢田くん?」
私は転校していないよ、と誤解を解こうとした瞬間だった。
【佐藤さんが俺に何も言わずにいなくなっちゃうなんて、そんな……! いや、別に俺に言いたいことなんて何もないとは思うんだけど、佐藤さんはいい人だからもしかしたら「さようなら」とか言ってくれるかもしれないと思ったのに……。あ、待って。「さようなら」って言葉に泣きそうになってる。なにこの破壊力。金曜○ードショーのジ◯リ作品並にグッとくる。特に『火垂るの○』はヤバい。節子~~!!。゚(゚´Д`゚)゚。あかん、思い出し泣きしそう。逆のことを考えるんだ!! 最近めっちゃ笑ったこと。そう、お風呂でデカめの虫が浮いてると思ってつまんだら自分のホクロだったよね。皮膚ちぎれるかと思ったわ。アレは笑ったな~。……いや、佐藤さん!!! なんでいなくなっちゃったのさーーー!!!】
沢田くん、相当パニックになってる。
私に全然気づいてくれないし。
【俺、これから何を楽しみに学校来たらいいの? 佐藤さんのいない学校なんて、ハトのいないハト時計みたいなもんじゃん。ハトのギミック失ったらあいつただの柱についてる時計だよ? 全然楽しくない! 俺の学校生活オワタ\(^o^)/ いきなり最終回~!_(┐「ε:)_チーン。ああああ、佐藤さんロスが激しすぎて何も考えられないよ~~!!】
いや、めっちゃ考えてるじゃん。
【どうしよう、おじさん……! 佐藤さんがいなくなっちゃったよー!】
おっと今度は脳内劇場ですか。
【落ち着け、沢田空よ。おじさんだって佐藤さんがいなくなっちゃって大パニックさ。お前には分からないだろうが、動揺してパンツを表裏反対にはいちゃってるからね。トイレに行って用を足そうとしたら個室入らないといけないんだから。それくらい佐藤さんを失った衝撃は大きいんだぞ】
【よくわかんないよ、おじさん】
うん、私も分かんない。
【バカな男たちね。たかが女ひとり消えたところで、何を動揺してるんだか(バリバリ)】
おっと、今度はおばさんだ。
【それより聞いて。おばさん何故か2キロ太っちゃった】
せんべいやめないからだよ、おばさん。
それにしても沢田くん、私にいつ気がつくんだろう?
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