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奴隷商人編
47 お嬢様とルキア
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「お嬢。かなり危険な道のりだ。悪いことは言わねぇ」
「無駄です、バナン。お嬢様がその程度のことで言うことをお聞きになるとお思いですか?」
「そうなんだよなー。なんとか聞き出したのが、ここから北東の森の中なんだと。それなりの魔物がいる程度はわけはないが」
「それってもしかして、パメルトラの森のこと?」
「ああ、そうだ。いくだけで一週間。内部の探索となると正直何日かかることか」
エルフの子供たちがこの屋敷に来て一年近くが経った。
そして、ルキアがようやく集落の事を話してくれたのだ。
当然私もその旅に同行するつもりでいる。
バナンとクロは、テーブルに置かれた地図を見て何やら考え込んでいる。
それは、今までのように済む話ではないので二人を悩ませている原因でもある。
私は夕食頂いているのだけど、うるさいことこの上ない……
「お嬢。悪いがもう一度言わせてくれ、本当に行くのか?」
「皆からすれば行かせたくはないのはわかる。私みたいなお荷物の相手をしながら危険な場所へ行くのは無謀よね」
私は弱い。今はあの小さいチロにでさえ、私だけが剣を持っていたとしても間違いなく私が負ける。
というよりも、奴隷の子供たち全員に勝てない自信すらある。
そんなのが付いてくるっていうんだから、二人にとって最悪でしかない。
「それでも、私は約束したのよ。必ず返すって」
「お嬢。俺たちはお嬢に危険があるのなら止めて欲しいってだけだ。俺から何を言っても無駄だということも分かっている。だったら、そのような言い回しは聞き捨てならねぇんだよ。ここにいる奴らはお嬢を守るためにいる。それはわかってくれ」
「そうよね。ごめんなさい」
いくら弱いからと言って、私はバナンや奴隷たちの主だ。
だからなのか、卑下をすることかなり嫌っている。私が皆に自信を持てと言っているのに、その私がこんな事を言うことが気に入らないのね。
「なら言い直すわ。私はこの子達を返すために、パメルトラントの森に行く。貴方達は同行し私を守りなさい」
「お嬢様。パメルトラの森です」
「お嬢が行くって決めたのなら……おめぇら、分かってんだろうな!」
「「おおーー!!」」
奴隷達の声が食堂全体に響き渡り、さっきとは変わりその声は煩いだけでなく頼もしく思えた。
しかし、そんな中でも状況を察した子供たちはあまり嬉しそうな表情をしていない。
「あの、お嬢様。クレスとティア居なくなっちゃうんですか?」
「ごめんね。仲良くしなさいって言っておきながら。本当にごめんなさい」
「ううん。お嬢様は何も悪くない、です。私は、わたしば……」
私は泣きじゃくる子供を抱きしめ、ただ謝ることしか出来なかった。
ティアも涙を流しながら、私にしがみつき二人を抱き込むと他の子供達も同じようにしがみつき出した。
先ほどと打って変わり子供たちの鳴き声が響いていた。
「お姉様……お姉様」
「ティア、それにクレス」
「お嬢様」
ティアは、私のことをお姉様と言ってかなり慕ってくれていたけど、分かっていたこととは言え少し辛いわね。
一頻り泣いていた子供達も、私が手を離し立ち上がると各々泣くのをやめていく。
「子供達はこれから旅に出るまでの間、一切の仕事を禁止する」
「「「分かりました!!!」」」
「皆。数日しかないけど、好きにだけ遊べばいい。したいことがあれば皆に相談すればいい。どうしたって別れは辛い。なら今という時間を目一杯楽しみなさい。分かった?」
そう言い切って、ティアとクレスの手を子供達に委ねた。
少し重い足取りだったが、庭へと出ると何かを叫ぶ声が聞こえ、いつものような声が聞こえていた。
「メイド達には苦労をかけてしまうけど、数日間よろしく頼むね」
「かしこまりました。私達も精一杯務めさせていただきます」
「バナン。部隊の数人を子供達の見張りにして、危険がないように」
「了解した。お嬢、怪我をした場合ポーションを使いますか?」
「使っていいわ。皆よろしくお願いします」
私が一礼をすると、奴隷達は皆同じように頭を下げている。
それ姿勢は私が食堂を出るまで続いていた。
いつものように執務室へと入ると、テラスにルキアの姿があった。
「どうしたの?」
ルキアは何も答えることもなく視線を落として首を横に振った。
「ルキア、ありがとう。村の場所を教えてくれて」
「感謝されるいわれはない。私がもっと早く言えばあの子達は泣かずに済んだかもしれない」
「今そんな話をしても意味はないよ。あの子達にとって貴重な経験ができただけでも、私は有意義なことだと思うの。でも、あんなに泣かれると少し決心が揺らぎもしたわ」
「そうか」
ルキアの表情からしても、私と似たことを思っているのかもしれない。
ここにいれば、私に何かない限り問題のない自由に近い生活ができる。
彼女は無愛想ではあるけど、それなりに私のことを認めている気がする。
奴隷部隊での活躍、エルフだけではなく奴隷の子供と一緒に遊んでいるところも見た。私に悪態をつくことも無くなっている。
何がきっかけだったのかわからないけど、彼女もこれから平穏な日々が送れると良いわね。
「もうこれは、必要ないわね。今まで本当にごめんなさい」
いつもバナンに持たせていた魔石を取り出し、彼女を縛り付けていた首輪を解除をする。
首輪は真っ二つに割れ床に転がった。
「クロ。これを壊して」
「わかりました……」
クロは魔石を軽く放り投げ、太刀筋の見えない剣捌きで魔石は小さな欠片へと刻まれた。
あえて、ルキアの目の前でやるあたり。彼女に対しての警告にも思えた。
魔力を取り戻したエルフ、場合によっては私の敵になりうる人物でもあったためかクロの本気を見せつけているようだった。
「無駄です、バナン。お嬢様がその程度のことで言うことをお聞きになるとお思いですか?」
「そうなんだよなー。なんとか聞き出したのが、ここから北東の森の中なんだと。それなりの魔物がいる程度はわけはないが」
「それってもしかして、パメルトラの森のこと?」
「ああ、そうだ。いくだけで一週間。内部の探索となると正直何日かかることか」
エルフの子供たちがこの屋敷に来て一年近くが経った。
そして、ルキアがようやく集落の事を話してくれたのだ。
当然私もその旅に同行するつもりでいる。
バナンとクロは、テーブルに置かれた地図を見て何やら考え込んでいる。
それは、今までのように済む話ではないので二人を悩ませている原因でもある。
私は夕食頂いているのだけど、うるさいことこの上ない……
「お嬢。悪いがもう一度言わせてくれ、本当に行くのか?」
「皆からすれば行かせたくはないのはわかる。私みたいなお荷物の相手をしながら危険な場所へ行くのは無謀よね」
私は弱い。今はあの小さいチロにでさえ、私だけが剣を持っていたとしても間違いなく私が負ける。
というよりも、奴隷の子供たち全員に勝てない自信すらある。
そんなのが付いてくるっていうんだから、二人にとって最悪でしかない。
「それでも、私は約束したのよ。必ず返すって」
「お嬢。俺たちはお嬢に危険があるのなら止めて欲しいってだけだ。俺から何を言っても無駄だということも分かっている。だったら、そのような言い回しは聞き捨てならねぇんだよ。ここにいる奴らはお嬢を守るためにいる。それはわかってくれ」
「そうよね。ごめんなさい」
いくら弱いからと言って、私はバナンや奴隷たちの主だ。
だからなのか、卑下をすることかなり嫌っている。私が皆に自信を持てと言っているのに、その私がこんな事を言うことが気に入らないのね。
「なら言い直すわ。私はこの子達を返すために、パメルトラントの森に行く。貴方達は同行し私を守りなさい」
「お嬢様。パメルトラの森です」
「お嬢が行くって決めたのなら……おめぇら、分かってんだろうな!」
「「おおーー!!」」
奴隷達の声が食堂全体に響き渡り、さっきとは変わりその声は煩いだけでなく頼もしく思えた。
しかし、そんな中でも状況を察した子供たちはあまり嬉しそうな表情をしていない。
「あの、お嬢様。クレスとティア居なくなっちゃうんですか?」
「ごめんね。仲良くしなさいって言っておきながら。本当にごめんなさい」
「ううん。お嬢様は何も悪くない、です。私は、わたしば……」
私は泣きじゃくる子供を抱きしめ、ただ謝ることしか出来なかった。
ティアも涙を流しながら、私にしがみつき二人を抱き込むと他の子供達も同じようにしがみつき出した。
先ほどと打って変わり子供たちの鳴き声が響いていた。
「お姉様……お姉様」
「ティア、それにクレス」
「お嬢様」
ティアは、私のことをお姉様と言ってかなり慕ってくれていたけど、分かっていたこととは言え少し辛いわね。
一頻り泣いていた子供達も、私が手を離し立ち上がると各々泣くのをやめていく。
「子供達はこれから旅に出るまでの間、一切の仕事を禁止する」
「「「分かりました!!!」」」
「皆。数日しかないけど、好きにだけ遊べばいい。したいことがあれば皆に相談すればいい。どうしたって別れは辛い。なら今という時間を目一杯楽しみなさい。分かった?」
そう言い切って、ティアとクレスの手を子供達に委ねた。
少し重い足取りだったが、庭へと出ると何かを叫ぶ声が聞こえ、いつものような声が聞こえていた。
「メイド達には苦労をかけてしまうけど、数日間よろしく頼むね」
「かしこまりました。私達も精一杯務めさせていただきます」
「バナン。部隊の数人を子供達の見張りにして、危険がないように」
「了解した。お嬢、怪我をした場合ポーションを使いますか?」
「使っていいわ。皆よろしくお願いします」
私が一礼をすると、奴隷達は皆同じように頭を下げている。
それ姿勢は私が食堂を出るまで続いていた。
いつものように執務室へと入ると、テラスにルキアの姿があった。
「どうしたの?」
ルキアは何も答えることもなく視線を落として首を横に振った。
「ルキア、ありがとう。村の場所を教えてくれて」
「感謝されるいわれはない。私がもっと早く言えばあの子達は泣かずに済んだかもしれない」
「今そんな話をしても意味はないよ。あの子達にとって貴重な経験ができただけでも、私は有意義なことだと思うの。でも、あんなに泣かれると少し決心が揺らぎもしたわ」
「そうか」
ルキアの表情からしても、私と似たことを思っているのかもしれない。
ここにいれば、私に何かない限り問題のない自由に近い生活ができる。
彼女は無愛想ではあるけど、それなりに私のことを認めている気がする。
奴隷部隊での活躍、エルフだけではなく奴隷の子供と一緒に遊んでいるところも見た。私に悪態をつくことも無くなっている。
何がきっかけだったのかわからないけど、彼女もこれから平穏な日々が送れると良いわね。
「もうこれは、必要ないわね。今まで本当にごめんなさい」
いつもバナンに持たせていた魔石を取り出し、彼女を縛り付けていた首輪を解除をする。
首輪は真っ二つに割れ床に転がった。
「クロ。これを壊して」
「わかりました……」
クロは魔石を軽く放り投げ、太刀筋の見えない剣捌きで魔石は小さな欠片へと刻まれた。
あえて、ルキアの目の前でやるあたり。彼女に対しての警告にも思えた。
魔力を取り戻したエルフ、場合によっては私の敵になりうる人物でもあったためかクロの本気を見せつけているようだった。
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