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七竅
16、罠
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翌日、騎士団長のラジーブが恭親王ら三人の皇子に言った。
「チャーンバー家の娘を助けたとかで、お礼の品が届いておりますが……」
「たまたま行き会っただけだ。そこまですることではない。騎士団で分けてくれ」
チャーンバー家というのは、かつてこの地を治めていた厲蠻の小王国、イルファーン王国の王家の末裔で、現在でもこの地方の名望家として、隠然たる力を持っているという。
「もともと、我が家の主筋に当たります」
ラジーブの家はイルファーン王国では将軍を世襲した家だという。
「なるほど、だから農民たちも必死になって取り返そうとしたのだな」
恭親王が納得すると、ラジーブが言う。
「いまだに、あの家を王家として崇める者も多いのです。あの娘を刺史が手籠めにしたら、イルファーン王国の遺民は軒並み怒り狂うでしょうな。暴動が起きかねないところでした」
「ものすごい別嬪だったぞ、ヴィサンティ、つったかな」
「それは妹の方ですね。刺史が執着しているとは、存知ませんでした。」
心なし、廉郡王が頬を染めているのを見て、恭親王は眉を顰める。確かに、はっきりした派手顔の美少女で、凹凸を強調した性感爆炸な身体つき。廉郡王のどストライクだ。
「王家、といったって、耐性あるかどうかわからんぞ?」
「そんなこと、わーってる!」
ムキになって言い返す廉郡王の様子に、恭親王は何となく嫌な予感を覚えながら、それでもあと数日で巡検を終えて帝都へと向かう予定なのだから、何事も起こりようがないと彼は思い直す。
だが、事態はその翌日にとんでもない方向に動いた。
「大変です! チャーンバー家の娘が刺史の手の者に攫われました!」
血相を変えて走ってきたラジーブに、巡検の報告書の最終チェックをしていた三人の皇子たちはあ然とする。恭親王は無意識にチリチリする首筋に手を当てていた。
「また?」
「どういうことだよっ!」
「チャーンバー家の執事が使者を寄こしました。メイロン県だけでなく、周辺の県でも厲蠻が殺気だっています。何しろ、先日の一件でまだ懲りていないのですからね。洪水の件でも厲蠻の怒りは極限まで高まっているのに」
恭親王は頭を巡らす。刺史が、そんなことをするだろうか。それも、皇子の目の前で――。
その思考の流れを、廉郡王の怒声が遮った。
「どこだ?! どこに向かっている! あんの豚野郎の手に渡すとか、胸糞悪い! 取り返してやる!」
「おそらくナンユーの津から、船でランヤンに運ぶ予定ではないかと……」
「聖騎士を招集しろ! 今すぐナンユーの津でヴィサンティを取り返す!」
旧イルファーン王国の王女とも言うべきヴィサンティが、ただでさえ憎まれている刺史に攫われたとなれば、厲蠻の怒りは極限に達して暴発するに違いない。それを防ぐにはヴィサンティを皇子たちの手で取り戻し、然るのちに悪徳刺史にきちんとした報いをくれてやるほかない。ぼやぼやしている時間はなかった。船出していまえば、万事休すだ。ヴィサンティが刺史に汚される前に助け出したとしても、南岸から攫われた時点で間違いなく民衆は沸騰する。彼女が船に乗せられる前に、助け出さなければならないのだ。
廉郡王の決断は、いわば雄の本能による脊髄反射的なものであったが、これ以上、厲蠻の民意が帝国から離れることを防ぐためには正しいと、周囲の者たちが同意したため、廉郡王の命令は有効なものとして下達された。そうと決まれば即刻行動しなければならない。素早く支度をして二百騎の聖騎士とともにナンユー県に向かう。
「案内を頼むぞ、ラジーブ」
「こちらこそ、ヴィサンティをよろしくお願いします。子供の頃からの知り合いなのです」
刺史の非道に対し、騎士団は許可なく兵をだすことができない。だが、ラジーブ一人であれば、皇子の道案内として出馬可能であった。
二百騎で固まり、砂埃を上げながらプーランタ河に並行する東西の街道を西へと走り抜ける。恭親王は頭の中で南岸の地図を思い浮かべ、ルートを考える。南岸十五県の中心に位置するメイロン県より、プーランタ河に接するナンユー県では街道を北上して途中でこの東西の街道に行き当たり、そこから西に折れるはずだ。おそらくは馬車であろうから、うまくいけば街道上で捕まえられる。
だが、恭親王のその目論見は外れた。すれ違うのは農民が野菜を満載した荷馬車や、稲藁を背に積んだ驢馬、牛や羊だけだった。
(騎士団への報せの到着が遅かったのだろうか……これは、間に合うか?)
焦りがだんだん大きくなる。それは、隣で唇を引き結んで馬を走らせている廉郡王も同じようだった。黒い瞳をギラつかせて、廉郡王が吐き捨てた。
「くそっ途中で捕まえられると思ったのに! どんなスピードで馬車を走らせたんだ!」
「急ぎましょう、こちらの道が、津への近道です」
ラジーブの案内で街道を外れた細い道に入る。途端に、恭親王の首筋にチリチリとした警告が走る。
「やめろ! そっちはダメだ!」
「大丈夫です! 近道なんです!」
ラジーブは強引にその道を選び、目を血走らせた廉郡王はそれに続いていく。
二百騎の一団では馬脚を乱さないように走らねばならない。チリチリする警告の意味するところを考えながら恭親王は馬を駆るよりほかない。
やがて正面に滔滔たるプーランタの流れと、ナンユーの津が見えてきた。ラジーブは一行を河原に導いていく。馬の腰まで隠される、丈の高い草の生い茂る中をひたすら走る。
(思い過ごしなのか――? だが、この――)
折しも、今にも出航しようとする高速艇が船着き場に止まっている。そこへ、馬車から縛られた女が下ろされ、船の方に引ったてられている。
「ヴィサンティ!」
「待てぇっこの野郎っ!」
ラジーブと廉郡王が馬腹を蹴ってさらにスピードを上げる。二人と数人の護衛の聖騎士が一団から抜け出して、少し差が開いた、その時――。
強烈な警告を首筋に感じ、恭親王が叫んだ。
「止まれ! これ以上進むな!」
ふいに、目の前の地面が消えた。ずどん、と凄まじい地響きと砂煙があがり、二騎ほど、間に合わずに消えた地面に吸い込まれていく。
「下がれ、罠だ!」
高い草に覆われて見えなかったが、巨大な落と穴が仕込まれていたのだ。上から漁網が降ってくるのを、恭親王は咄嗟に剣を抜いて切り裂く。見ると、先行した廉郡王が驚いて振り返り、状況に目を丸くしていた。
「なっ! いったい、何がっ!」
次の瞬間、ラジーブが剣の平で廉郡王を強かに殴りつけ、廉郡王がどさりと馬から落ちた。
「グイン――!」
「貴様何をっ!」
廉郡王の周囲の聖騎士たちは、状況が理解できないうちに、いつの間にか背後に現れたラジーブ配下の騎士たちによって瞬く間に拘束されてしまう。
気づけば、恭親王たち聖騎士の周囲も、棒や鍬を手にした農民と、ラジーブ配下の厲蠻の兵士によって囲まれていた。
ラジーブが彫の深い、浅黒い顔に残忍な笑みを浮かべて言った。
「できれば三人とも手に入れるつもりだったが、仕方がない。ひとまずこの皇子だけでももらっていく」
「なっ――! グインをどうする気だ」
「安心しろ、俺にはそっちの気はない。主のご命令だ」
「主――?」
「プーランタ南岸の、正統なる支配者だ。まやかしの陰陽の教えなどを押し付けた、貴様ら太陽の皇子などとは違う、正しい王だ」
周囲から石飛礫がぶつけられ、鎧や兜に当たってカンカンと乾いた音を立てる。
「せいぜい、南岸で彷徨って朽ち果てるがいい、偽りの聖騎士ども。砦も我々厲蠻のものだ、貴様らに帰る家などない!」
その言葉を聞いて、恭親王は謀られたことを悟る。
「退却――! 砦に戻るぞ!」
「しかし、殿下がっ!」
廉郡王の侍従武官であるリックが駆け寄ろうとするのを、ゲルフィンが止める。
「待て、殿下なら殺されることはない! だが、お前はダメだ!」
「でも! 殿下ぁ!」
その時、廉郡王の正傅ゼクトが飛び出して、馬でふわりと落とし穴を越えて行った。
「ゼクト――!」
「わしは廉郡王殿下の正傅です。殿下のお側を離れることはできません。……エルド、必ずや殿下をお迎えに参るのだぞ! ゲルフィン、リック、短気はならぬ。機会は必ず訪れる。いざ、さらば!」
副傅のエルド以下に声をかけると、そのまま振り向きもせずにラジーブらの方に走り去った。
廉郡王の命はおそらく絶たれることはない。だが、その他の者は――。
しかし、たとえ死地に赴くと知っていても、正傅はその皇子に殉じるべきである――ソアレス家の血に叩きこまれた教えが、ゼクトを廉郡王のもとに向かわせたのだ。
その様子を茫然と見ていたエルド以下に、恭親王が喝を入れるように命令を下し、同時に肩の鷹を空に放った。
「砦を確保することが先決だ! その後にグインを救う道はできる! エールライヒを追い、血路を開いて戻るぞ!」
恭親王の指示を聞いて、我に返った一団は一斉に馬首を巡らす。周囲の農民たちが身構えて退いた瞬間を狙い、爆発的なスピードで馬を駆り、騎士団の砦へと取って返した。
先導するように飛ぶ、黒い鷹を追いかけて――。
「チャーンバー家の娘を助けたとかで、お礼の品が届いておりますが……」
「たまたま行き会っただけだ。そこまですることではない。騎士団で分けてくれ」
チャーンバー家というのは、かつてこの地を治めていた厲蠻の小王国、イルファーン王国の王家の末裔で、現在でもこの地方の名望家として、隠然たる力を持っているという。
「もともと、我が家の主筋に当たります」
ラジーブの家はイルファーン王国では将軍を世襲した家だという。
「なるほど、だから農民たちも必死になって取り返そうとしたのだな」
恭親王が納得すると、ラジーブが言う。
「いまだに、あの家を王家として崇める者も多いのです。あの娘を刺史が手籠めにしたら、イルファーン王国の遺民は軒並み怒り狂うでしょうな。暴動が起きかねないところでした」
「ものすごい別嬪だったぞ、ヴィサンティ、つったかな」
「それは妹の方ですね。刺史が執着しているとは、存知ませんでした。」
心なし、廉郡王が頬を染めているのを見て、恭親王は眉を顰める。確かに、はっきりした派手顔の美少女で、凹凸を強調した性感爆炸な身体つき。廉郡王のどストライクだ。
「王家、といったって、耐性あるかどうかわからんぞ?」
「そんなこと、わーってる!」
ムキになって言い返す廉郡王の様子に、恭親王は何となく嫌な予感を覚えながら、それでもあと数日で巡検を終えて帝都へと向かう予定なのだから、何事も起こりようがないと彼は思い直す。
だが、事態はその翌日にとんでもない方向に動いた。
「大変です! チャーンバー家の娘が刺史の手の者に攫われました!」
血相を変えて走ってきたラジーブに、巡検の報告書の最終チェックをしていた三人の皇子たちはあ然とする。恭親王は無意識にチリチリする首筋に手を当てていた。
「また?」
「どういうことだよっ!」
「チャーンバー家の執事が使者を寄こしました。メイロン県だけでなく、周辺の県でも厲蠻が殺気だっています。何しろ、先日の一件でまだ懲りていないのですからね。洪水の件でも厲蠻の怒りは極限まで高まっているのに」
恭親王は頭を巡らす。刺史が、そんなことをするだろうか。それも、皇子の目の前で――。
その思考の流れを、廉郡王の怒声が遮った。
「どこだ?! どこに向かっている! あんの豚野郎の手に渡すとか、胸糞悪い! 取り返してやる!」
「おそらくナンユーの津から、船でランヤンに運ぶ予定ではないかと……」
「聖騎士を招集しろ! 今すぐナンユーの津でヴィサンティを取り返す!」
旧イルファーン王国の王女とも言うべきヴィサンティが、ただでさえ憎まれている刺史に攫われたとなれば、厲蠻の怒りは極限に達して暴発するに違いない。それを防ぐにはヴィサンティを皇子たちの手で取り戻し、然るのちに悪徳刺史にきちんとした報いをくれてやるほかない。ぼやぼやしている時間はなかった。船出していまえば、万事休すだ。ヴィサンティが刺史に汚される前に助け出したとしても、南岸から攫われた時点で間違いなく民衆は沸騰する。彼女が船に乗せられる前に、助け出さなければならないのだ。
廉郡王の決断は、いわば雄の本能による脊髄反射的なものであったが、これ以上、厲蠻の民意が帝国から離れることを防ぐためには正しいと、周囲の者たちが同意したため、廉郡王の命令は有効なものとして下達された。そうと決まれば即刻行動しなければならない。素早く支度をして二百騎の聖騎士とともにナンユー県に向かう。
「案内を頼むぞ、ラジーブ」
「こちらこそ、ヴィサンティをよろしくお願いします。子供の頃からの知り合いなのです」
刺史の非道に対し、騎士団は許可なく兵をだすことができない。だが、ラジーブ一人であれば、皇子の道案内として出馬可能であった。
二百騎で固まり、砂埃を上げながらプーランタ河に並行する東西の街道を西へと走り抜ける。恭親王は頭の中で南岸の地図を思い浮かべ、ルートを考える。南岸十五県の中心に位置するメイロン県より、プーランタ河に接するナンユー県では街道を北上して途中でこの東西の街道に行き当たり、そこから西に折れるはずだ。おそらくは馬車であろうから、うまくいけば街道上で捕まえられる。
だが、恭親王のその目論見は外れた。すれ違うのは農民が野菜を満載した荷馬車や、稲藁を背に積んだ驢馬、牛や羊だけだった。
(騎士団への報せの到着が遅かったのだろうか……これは、間に合うか?)
焦りがだんだん大きくなる。それは、隣で唇を引き結んで馬を走らせている廉郡王も同じようだった。黒い瞳をギラつかせて、廉郡王が吐き捨てた。
「くそっ途中で捕まえられると思ったのに! どんなスピードで馬車を走らせたんだ!」
「急ぎましょう、こちらの道が、津への近道です」
ラジーブの案内で街道を外れた細い道に入る。途端に、恭親王の首筋にチリチリとした警告が走る。
「やめろ! そっちはダメだ!」
「大丈夫です! 近道なんです!」
ラジーブは強引にその道を選び、目を血走らせた廉郡王はそれに続いていく。
二百騎の一団では馬脚を乱さないように走らねばならない。チリチリする警告の意味するところを考えながら恭親王は馬を駆るよりほかない。
やがて正面に滔滔たるプーランタの流れと、ナンユーの津が見えてきた。ラジーブは一行を河原に導いていく。馬の腰まで隠される、丈の高い草の生い茂る中をひたすら走る。
(思い過ごしなのか――? だが、この――)
折しも、今にも出航しようとする高速艇が船着き場に止まっている。そこへ、馬車から縛られた女が下ろされ、船の方に引ったてられている。
「ヴィサンティ!」
「待てぇっこの野郎っ!」
ラジーブと廉郡王が馬腹を蹴ってさらにスピードを上げる。二人と数人の護衛の聖騎士が一団から抜け出して、少し差が開いた、その時――。
強烈な警告を首筋に感じ、恭親王が叫んだ。
「止まれ! これ以上進むな!」
ふいに、目の前の地面が消えた。ずどん、と凄まじい地響きと砂煙があがり、二騎ほど、間に合わずに消えた地面に吸い込まれていく。
「下がれ、罠だ!」
高い草に覆われて見えなかったが、巨大な落と穴が仕込まれていたのだ。上から漁網が降ってくるのを、恭親王は咄嗟に剣を抜いて切り裂く。見ると、先行した廉郡王が驚いて振り返り、状況に目を丸くしていた。
「なっ! いったい、何がっ!」
次の瞬間、ラジーブが剣の平で廉郡王を強かに殴りつけ、廉郡王がどさりと馬から落ちた。
「グイン――!」
「貴様何をっ!」
廉郡王の周囲の聖騎士たちは、状況が理解できないうちに、いつの間にか背後に現れたラジーブ配下の騎士たちによって瞬く間に拘束されてしまう。
気づけば、恭親王たち聖騎士の周囲も、棒や鍬を手にした農民と、ラジーブ配下の厲蠻の兵士によって囲まれていた。
ラジーブが彫の深い、浅黒い顔に残忍な笑みを浮かべて言った。
「できれば三人とも手に入れるつもりだったが、仕方がない。ひとまずこの皇子だけでももらっていく」
「なっ――! グインをどうする気だ」
「安心しろ、俺にはそっちの気はない。主のご命令だ」
「主――?」
「プーランタ南岸の、正統なる支配者だ。まやかしの陰陽の教えなどを押し付けた、貴様ら太陽の皇子などとは違う、正しい王だ」
周囲から石飛礫がぶつけられ、鎧や兜に当たってカンカンと乾いた音を立てる。
「せいぜい、南岸で彷徨って朽ち果てるがいい、偽りの聖騎士ども。砦も我々厲蠻のものだ、貴様らに帰る家などない!」
その言葉を聞いて、恭親王は謀られたことを悟る。
「退却――! 砦に戻るぞ!」
「しかし、殿下がっ!」
廉郡王の侍従武官であるリックが駆け寄ろうとするのを、ゲルフィンが止める。
「待て、殿下なら殺されることはない! だが、お前はダメだ!」
「でも! 殿下ぁ!」
その時、廉郡王の正傅ゼクトが飛び出して、馬でふわりと落とし穴を越えて行った。
「ゼクト――!」
「わしは廉郡王殿下の正傅です。殿下のお側を離れることはできません。……エルド、必ずや殿下をお迎えに参るのだぞ! ゲルフィン、リック、短気はならぬ。機会は必ず訪れる。いざ、さらば!」
副傅のエルド以下に声をかけると、そのまま振り向きもせずにラジーブらの方に走り去った。
廉郡王の命はおそらく絶たれることはない。だが、その他の者は――。
しかし、たとえ死地に赴くと知っていても、正傅はその皇子に殉じるべきである――ソアレス家の血に叩きこまれた教えが、ゼクトを廉郡王のもとに向かわせたのだ。
その様子を茫然と見ていたエルド以下に、恭親王が喝を入れるように命令を下し、同時に肩の鷹を空に放った。
「砦を確保することが先決だ! その後にグインを救う道はできる! エールライヒを追い、血路を開いて戻るぞ!」
恭親王の指示を聞いて、我に返った一団は一斉に馬首を巡らす。周囲の農民たちが身構えて退いた瞬間を狙い、爆発的なスピードで馬を駆り、騎士団の砦へと取って返した。
先導するように飛ぶ、黒い鷹を追いかけて――。
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