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六竅
18、からくり
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翌日、約束通り十五と名乗る若様は、ユイファの提示した金額を携え、黒い鷹を肩に止まらせてやってきた。
もっとも、風呂敷に包んだ金錠を持ってきたのは彼ではなく護衛の青年で、シウ自身はそれに一切、触れようとしなかったが。
ユイファが自身で手入れしている野趣溢れる庭の上空にその鷹を放ってから、シウは応接室に入った。ゲルフィンの他に、彼の従弟だという二十歳前後の青年も、新たに加わっていた。
「トルフィンと言います。よろしくお願いします」
ゲスト家という超名門の若者だというのに、まったく偉ぶるところもなく、丁寧にユイファに礼をする。真っ直ぐな黒髪を肩につくかつかないかまで伸ばし、黒い瞳がくるくるとよく動く。人当たりもよく、ユイファが出した蕎麦粉入りの菓子を若様と取り合うように食べている。
「そうそう、お世話になりますんで、これ、みなさんで」
と、帝都で評判の、老舗菓子舗の高級生菓子まで差し入れとして持参する鉄壁の気配りに、ユイファも感心する。かつて、ネルー家がまだ没落する以前は、ユイファも好んで食べたそれを、ありがたく頂戴することにした。
それから三日ほどかけ、ゲルフィンはトルフィンに手伝わせ、執事のヨウの立ち合いのもと書類を洗い直し、ネルー家の元の邸宅や、帝都内の店舗、商会それ自体が、不当な安値で買われていること、郊外の畑地の売却益が不当に仲介業者に搾取されていること、などを明らかにした。何より問題は、借金の残りを返済しつつユイファや義弟が生活していくための生活の資として残されているのが、敢えて収益の不安定な小作地だったり、収益の上がりにくい安い家作だったりすることだ。
「邸宅や商会、帝都の店舗、帝都や郊外の土地などが、正当な価格で売却されていれば、借金はもっと減っていたはずです。たしかに犯罪人として足元を見られていた点はあるでしょうが、それでも帝都の土地建物を相場の半額以下で売却するなど、他の取引にも影響を及ぼしかねないので、国としても望ましくないことです。さらに、残した小作地のあがりが不安定過ぎて予定金額を返済できず、罰則の利息がかかってしまっているのです。小作地の収入に比べて、毎月の返済額の設定もおかしい。はっきり申し上げて、この財産整理は不自然です」
ゲルフィンは書類の数字を指差しながら指摘する。
「私が管財するならば、帝都の店舗は売らずに賃貸に出します。かなりの高家賃が見込めますからね。後々利益の見込めそうなものを全て不当に安値で買い叩き、月々の返済を収入に比べて高めに設定して、遠からず生活に行き詰るように仕向けているとしか思えません」
小作地や借家、借地のリストを見ていたトルフィンも言った。
「同じ借地でも、あがりのいいところは選んで売却して、あまり収益の出ない場所ばかり残してあるんです。明確に悪意を持ってやってると思うんですけど……この、管財人を連れてきたのは誰なんですか?」
話を聞いていたユイファが目を見開く。
「そんな……! ソールの小父様は亡くなった父の友人で……あんなことになって、実家からも縁を切られてしまったわたしに、ただ一人親切にしてくださったのです。まさかそんな……」
ユイファの発言に、シウが声をかける。
「その、ソールという人が連れてきたの?」
「はい……だって、何とか罰金を支払って主人を牢から出したのですが、すでに病が重くて……牢に入っていたのはほんの、数日だったのに……それでそのまま、まともに口をきくこともできないまま……」
その時のことを思い出したのか、ユイファは両手で顔を覆う。重篤な状態の夫を看病する間にも、官憲の手の者が邸に現れ、金目の物は洗いざらい持ち出していく、そんな状況であるのに、国庫金の横領という大罪を犯したネルー家のとの縁を嫌い、ユイファの長兄は一切の関わりを絶つと通告してきたのだ。そんな中で、亡き父の友人で、ユイファの夫とも共通の友人だったソールだけが、ユイファの元を訪れ、様々な差配を代わりに行ってくれたという。
ユイファの肩を優しく抱くようにして、シウが彼女を慰めるのを横目にちらりと見てから、ゲルフィンが控えていた執事のヨウに目を向ける。
「ソールと言うのは?」
「はい、帝都の金銀街のユル商会の董事をしていらっしゃいます」
「……ネルー商会の株や店舗の多くを買い取ったのはユル商会だな。不自然さに気づかなかったのか?」
初老のヨウははっとして思わず跪く。
「申し訳ございません……。その当時のことは本宅の執事が全て取り仕切っておりまして、わたしが気づいた時にはすでに本宅も帝都の店舗もソール様の手に渡っておりました。別宅と小作地だけ残したのは、全て奥様のご要望だとばかり……」
急に話を振られたユイファは驚いて立ち上がった。
「わ、わたしは……本宅は売ってもいいって言ったの。広すぎて使用人もたくさん必要だし、維持できないと思って。だから別邸は残したいとは要望したわ。でも、店舗や畑地のことはさっぱりわからないから、お任せしたのよ。お店のことは全て本宅の執事と、商会の……」
ユイファが言い淀むのに、ゲルフィンの目がきらりと光った。
「商会の副董事をしていたモンクですな。あいつは今、ソール傘下の商人として、ネルー家の顧客を引き継ぐ形で商売をしています。間違いなくグルですな。……ついでに言えば、本宅の執事も今やソールの店の一つを任されていますよ。何もわからない奥さんを守るフリをしながら、寄ってたかったこの家を乗っ取ったのですよ」
ゲルフィンの言葉に衝撃を受けたユイファはふらふらとその場に崩れ落ちそうになり、シウが背後から抱き留める。
「そんな……ソールの小父様が……どうして……?」
シウの腕を振り払うこともできないほど茫然自失したユイファは、ただ、一言呟き、その瞳からみるみる一粒の涙が流れ落ちた。
「これ以上、奥さんの前で話すのは無理だろう。とりあえず、不当に買い叩かれた分をどうするかとか、残った借金の件とか、ゲルフィンとトルフィンで相談してよ。……奥さん、少し気分を変えて、書庫で本のことを話そう。お金の件は二人に任せておけばいいから」
シウに優しい声で言われて、ユイファが涙に濡れた顔でこくんと頷くと、シウはいかにも女慣れした動作でユイファの腰に手を回して部屋から誘導して連れ出していった。
その様子を見たトルフィンが、後ろに控えていたゾラの脇腹を肘で突っついた。
「付いていけよ! ぼーっとしてる場合じゃないだろ!」
「ええっ! 付いていったらやばくね?」
「やばいから付いていくんだろ! 何のための護衛だよ!」
「で……坊ちゃんの安全を守るため」
「違うよ! 奥さんの貞操を守るためだよ! 意外と手が早いんだから! しっかり監視してこい、馬鹿!」
「うへぇ、お邪魔虫って最悪~」
手をひらひらさせながら、ゾラが仕方なく後を着いていくのを見て、トルフィンとゲルフィンが溜息をつく。女扱いが上手い男というのは、ああいう男のことを言うのだろう。妻のアイシャと今一つギクシャクしているゲルフィンは、眉間に皺を寄せ、唇をへの字に曲げた。
ゲルフィンは気を取り直して、執事のヨウに向き合う。
「その、ソールという男は、ここにもよく来るのか?」
「……ええと、二月に一度くらいでしょうか。菓子などのお土産を持参して、お庭でお茶を召し上がって、少しばかりお話ししていかれます。もともと、奥様の亡くなられたお父上様の、骨董仲間とうかがっております」
「小父様ってことは、けっこうな年なんだよね?」
トルフィンも意外そうに尋ねる。
「ええと……たしか、亡くなられた旦那様より、八つばかし上だと。今、四十くらいでしょうか。奥様はご幼少からのお知り合いとかで、ソールの小父様とお呼びなさっています」
執事の言葉に、トルフィンは眉をわずかに上げる。父親の友人で、二十近く年上だったら子供の目から見れば、十分に小父様だ。
「ソールが商会や店舗を買い上げることについて、奥さんは何か言っていたか?」
「はい、とにかく旦那様が亡くなった直後は、本宅の金目の物は洗いざらいなくなるし、目の玉の飛び出るような借金の返済を迫られて、奥様は相当に疲弊しておられましたからね。ソール様が商会と店舗を購入して、それで借金取りの方にいくらか叩き返してくださって、ようやく一息ついたような感じで……。感謝しこそすれ、まさか買いたたかれているなど、想像もしていませんでした」
まず、間違いなくソールと高利貸しは繋がっている。ネルー家の残った財産を全て掠め取るつもりで、親切な小父様の顔をしてユイファに近づき、不当に安く買いたたいて私腹を肥やす。
「……もしや、その男、奥さんに言い寄っているようなことは……」
「いえその……もし生活が苦しいなら、邸に来ないかと仰ったそうですが、『今さら養女なんて年齢でもありません』と、奥様が笑ってお断りになりました。私から見ると結婚の申し込みに見えたのですが、奥様は想像もしておられないようで……」
「うわっ、その天然の切り返し、俺ならマジで凹むわ……」
ユイファから見て、ソールはあくまでも父親の友人なのだろう。
「生活に行き詰るように仕向けて、どうにもならなくなった奥さんを囲い込む予定だったのかもな」
ゲルフィンも不愉快そうにつぶやく。
「我々が書籍を購入してそれで借金を返してしまうと、ヤツの思惑が外れる。そうなった時、実力行使に出る可能性がある。しばらく、外出時や夜間などは気を付けた方がいい」
執事のヨウが青ざめて頷いた。
もっとも、風呂敷に包んだ金錠を持ってきたのは彼ではなく護衛の青年で、シウ自身はそれに一切、触れようとしなかったが。
ユイファが自身で手入れしている野趣溢れる庭の上空にその鷹を放ってから、シウは応接室に入った。ゲルフィンの他に、彼の従弟だという二十歳前後の青年も、新たに加わっていた。
「トルフィンと言います。よろしくお願いします」
ゲスト家という超名門の若者だというのに、まったく偉ぶるところもなく、丁寧にユイファに礼をする。真っ直ぐな黒髪を肩につくかつかないかまで伸ばし、黒い瞳がくるくるとよく動く。人当たりもよく、ユイファが出した蕎麦粉入りの菓子を若様と取り合うように食べている。
「そうそう、お世話になりますんで、これ、みなさんで」
と、帝都で評判の、老舗菓子舗の高級生菓子まで差し入れとして持参する鉄壁の気配りに、ユイファも感心する。かつて、ネルー家がまだ没落する以前は、ユイファも好んで食べたそれを、ありがたく頂戴することにした。
それから三日ほどかけ、ゲルフィンはトルフィンに手伝わせ、執事のヨウの立ち合いのもと書類を洗い直し、ネルー家の元の邸宅や、帝都内の店舗、商会それ自体が、不当な安値で買われていること、郊外の畑地の売却益が不当に仲介業者に搾取されていること、などを明らかにした。何より問題は、借金の残りを返済しつつユイファや義弟が生活していくための生活の資として残されているのが、敢えて収益の不安定な小作地だったり、収益の上がりにくい安い家作だったりすることだ。
「邸宅や商会、帝都の店舗、帝都や郊外の土地などが、正当な価格で売却されていれば、借金はもっと減っていたはずです。たしかに犯罪人として足元を見られていた点はあるでしょうが、それでも帝都の土地建物を相場の半額以下で売却するなど、他の取引にも影響を及ぼしかねないので、国としても望ましくないことです。さらに、残した小作地のあがりが不安定過ぎて予定金額を返済できず、罰則の利息がかかってしまっているのです。小作地の収入に比べて、毎月の返済額の設定もおかしい。はっきり申し上げて、この財産整理は不自然です」
ゲルフィンは書類の数字を指差しながら指摘する。
「私が管財するならば、帝都の店舗は売らずに賃貸に出します。かなりの高家賃が見込めますからね。後々利益の見込めそうなものを全て不当に安値で買い叩き、月々の返済を収入に比べて高めに設定して、遠からず生活に行き詰るように仕向けているとしか思えません」
小作地や借家、借地のリストを見ていたトルフィンも言った。
「同じ借地でも、あがりのいいところは選んで売却して、あまり収益の出ない場所ばかり残してあるんです。明確に悪意を持ってやってると思うんですけど……この、管財人を連れてきたのは誰なんですか?」
話を聞いていたユイファが目を見開く。
「そんな……! ソールの小父様は亡くなった父の友人で……あんなことになって、実家からも縁を切られてしまったわたしに、ただ一人親切にしてくださったのです。まさかそんな……」
ユイファの発言に、シウが声をかける。
「その、ソールという人が連れてきたの?」
「はい……だって、何とか罰金を支払って主人を牢から出したのですが、すでに病が重くて……牢に入っていたのはほんの、数日だったのに……それでそのまま、まともに口をきくこともできないまま……」
その時のことを思い出したのか、ユイファは両手で顔を覆う。重篤な状態の夫を看病する間にも、官憲の手の者が邸に現れ、金目の物は洗いざらい持ち出していく、そんな状況であるのに、国庫金の横領という大罪を犯したネルー家のとの縁を嫌い、ユイファの長兄は一切の関わりを絶つと通告してきたのだ。そんな中で、亡き父の友人で、ユイファの夫とも共通の友人だったソールだけが、ユイファの元を訪れ、様々な差配を代わりに行ってくれたという。
ユイファの肩を優しく抱くようにして、シウが彼女を慰めるのを横目にちらりと見てから、ゲルフィンが控えていた執事のヨウに目を向ける。
「ソールと言うのは?」
「はい、帝都の金銀街のユル商会の董事をしていらっしゃいます」
「……ネルー商会の株や店舗の多くを買い取ったのはユル商会だな。不自然さに気づかなかったのか?」
初老のヨウははっとして思わず跪く。
「申し訳ございません……。その当時のことは本宅の執事が全て取り仕切っておりまして、わたしが気づいた時にはすでに本宅も帝都の店舗もソール様の手に渡っておりました。別宅と小作地だけ残したのは、全て奥様のご要望だとばかり……」
急に話を振られたユイファは驚いて立ち上がった。
「わ、わたしは……本宅は売ってもいいって言ったの。広すぎて使用人もたくさん必要だし、維持できないと思って。だから別邸は残したいとは要望したわ。でも、店舗や畑地のことはさっぱりわからないから、お任せしたのよ。お店のことは全て本宅の執事と、商会の……」
ユイファが言い淀むのに、ゲルフィンの目がきらりと光った。
「商会の副董事をしていたモンクですな。あいつは今、ソール傘下の商人として、ネルー家の顧客を引き継ぐ形で商売をしています。間違いなくグルですな。……ついでに言えば、本宅の執事も今やソールの店の一つを任されていますよ。何もわからない奥さんを守るフリをしながら、寄ってたかったこの家を乗っ取ったのですよ」
ゲルフィンの言葉に衝撃を受けたユイファはふらふらとその場に崩れ落ちそうになり、シウが背後から抱き留める。
「そんな……ソールの小父様が……どうして……?」
シウの腕を振り払うこともできないほど茫然自失したユイファは、ただ、一言呟き、その瞳からみるみる一粒の涙が流れ落ちた。
「これ以上、奥さんの前で話すのは無理だろう。とりあえず、不当に買い叩かれた分をどうするかとか、残った借金の件とか、ゲルフィンとトルフィンで相談してよ。……奥さん、少し気分を変えて、書庫で本のことを話そう。お金の件は二人に任せておけばいいから」
シウに優しい声で言われて、ユイファが涙に濡れた顔でこくんと頷くと、シウはいかにも女慣れした動作でユイファの腰に手を回して部屋から誘導して連れ出していった。
その様子を見たトルフィンが、後ろに控えていたゾラの脇腹を肘で突っついた。
「付いていけよ! ぼーっとしてる場合じゃないだろ!」
「ええっ! 付いていったらやばくね?」
「やばいから付いていくんだろ! 何のための護衛だよ!」
「で……坊ちゃんの安全を守るため」
「違うよ! 奥さんの貞操を守るためだよ! 意外と手が早いんだから! しっかり監視してこい、馬鹿!」
「うへぇ、お邪魔虫って最悪~」
手をひらひらさせながら、ゾラが仕方なく後を着いていくのを見て、トルフィンとゲルフィンが溜息をつく。女扱いが上手い男というのは、ああいう男のことを言うのだろう。妻のアイシャと今一つギクシャクしているゲルフィンは、眉間に皺を寄せ、唇をへの字に曲げた。
ゲルフィンは気を取り直して、執事のヨウに向き合う。
「その、ソールという男は、ここにもよく来るのか?」
「……ええと、二月に一度くらいでしょうか。菓子などのお土産を持参して、お庭でお茶を召し上がって、少しばかりお話ししていかれます。もともと、奥様の亡くなられたお父上様の、骨董仲間とうかがっております」
「小父様ってことは、けっこうな年なんだよね?」
トルフィンも意外そうに尋ねる。
「ええと……たしか、亡くなられた旦那様より、八つばかし上だと。今、四十くらいでしょうか。奥様はご幼少からのお知り合いとかで、ソールの小父様とお呼びなさっています」
執事の言葉に、トルフィンは眉をわずかに上げる。父親の友人で、二十近く年上だったら子供の目から見れば、十分に小父様だ。
「ソールが商会や店舗を買い上げることについて、奥さんは何か言っていたか?」
「はい、とにかく旦那様が亡くなった直後は、本宅の金目の物は洗いざらいなくなるし、目の玉の飛び出るような借金の返済を迫られて、奥様は相当に疲弊しておられましたからね。ソール様が商会と店舗を購入して、それで借金取りの方にいくらか叩き返してくださって、ようやく一息ついたような感じで……。感謝しこそすれ、まさか買いたたかれているなど、想像もしていませんでした」
まず、間違いなくソールと高利貸しは繋がっている。ネルー家の残った財産を全て掠め取るつもりで、親切な小父様の顔をしてユイファに近づき、不当に安く買いたたいて私腹を肥やす。
「……もしや、その男、奥さんに言い寄っているようなことは……」
「いえその……もし生活が苦しいなら、邸に来ないかと仰ったそうですが、『今さら養女なんて年齢でもありません』と、奥様が笑ってお断りになりました。私から見ると結婚の申し込みに見えたのですが、奥様は想像もしておられないようで……」
「うわっ、その天然の切り返し、俺ならマジで凹むわ……」
ユイファから見て、ソールはあくまでも父親の友人なのだろう。
「生活に行き詰るように仕向けて、どうにもならなくなった奥さんを囲い込む予定だったのかもな」
ゲルフィンも不愉快そうにつぶやく。
「我々が書籍を購入してそれで借金を返してしまうと、ヤツの思惑が外れる。そうなった時、実力行使に出る可能性がある。しばらく、外出時や夜間などは気を付けた方がいい」
執事のヨウが青ざめて頷いた。
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