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六竅
12、側室いじめ
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側室のレイナは、ユリアに遠慮して邸内でひっそりと過ごし、自室から出ることも稀であった。それを心配した恭親王は、予定にキャンセルが出たある午後、レイナを庭に連れ出した。エールライヒを上空に放ち、二人で庭を散策する。恭親王はレイナの手を取り、時に腰に手を回してゆっくりと庭を巡る。恭親王の趣味と、エールライヒの餌になる野ネズミ、モグラなどが育ちやすいように、庭師には手を入れすぎないように命じていて、下草も鬱蒼としている。伸びた蔓に足を取られ、レイナが躓くのを恭親王が抱き留める。
「大丈夫か」
「……はい。ありがとうございます」
レイナの身体からは髪に塗られた香油と、懐に入れた匂い袋の微かな香りが漂うのみ。それをしばらく堪能するようにレイナを抱き締めていた恭親王は、人の気配を感じて顔を上げた。
見ると、たまたま庭に出て来たユリアが、不快げに柳眉を逆立てている。
慌てて恭親王から離れて一礼するレイナを殊更に無視して、ユリアは派手な扇子で顔を隠すようにしながら、恭親王に嫌味を言う。
「今日はお忙しいから、わたくしとのお茶には来られないと言いながら、賤しい女といちゃつくお時間はあるのでございますね」
「当たり前だ。キャンセルが出て空いた時間をどう使おうが、私の勝手だ。せっかくの時間を、気のない相手のために割いたりしない。それだけのこと……興が削がれたな、レイナ。部屋へ戻ろう」
恭親王がこれ見よがしにレイナの腰を抱いて歩き去るのを、ユリアはギリギリと奥歯を噛みしめ、扇子を折らんばかりに握りしめて見送った。
その翌日――。
恭親王が出かけた午後、自室で侍女二人と刺繍をするレイナの許に、ユリアの侍女が現れた。
「奥様があなた様をお茶にご招待なさいました。急ぎ東房に参られるように」
「い、今から、ですか?」
レイナがあっけにとられて聞き返すのに、侍女は権高にレイナを見下しながら、言った。
「お待たせなさるものではありません」
レイナは目を見開き、慌てて普段着の上に袖なしの長衣を一枚羽織り、少しだけ豪華な刺繍の入った飾り帯を締め、一人の侍女を伴って部屋を出た。前を行くユリアの侍女に懸命についていき、初めて正室の住む東房に入る。
同じ邸とは思えないほど、豪華な造り。螺鈿と珊瑚、色鮮やかな磁器。恭親王がそれほど好まない、キラキラしい家具や装飾に囲まれて、レイナは身を固くする。
「お招きいただきまして、ありがとうございます」
レイナが静かに挨拶をすると、正面に座るユリアはちらりとレイナを一瞥し、喉の奥でふっと笑った。
「昨日は失礼をしてしまったわね。……それにしても、その服装はやっぱり辺境流っていうのかしら?帝都の流行りとは違うようだけど」
レイナの衣裳はメイローズの差配ではあるが、辺境のレイナの家と取引のある衣裳屋を通している。レイナの実家の領地では絹織物の生産も盛んで、最近では帝都でも取引されるようになっていた。レイナは極力、故郷の布を使った衣裳を着るようにしていたのだ。
「……北方の我が家の領地で作る布を使っておりますので。これを身につけると落ち着きます」
低い、しっとりとした声でレイナは答える。
「恭親王殿下の側室としては、地味というより、少々野暮ったいのではなくて?お前の見識一つで殿下が恥をかかれるのよ。もっとセンスよく、華やかに装うことはできないの?」
レイナは目を瞬く。邸から出ることのないレイナの服装で、恭親王の趣味があれこれ言われることはないと思うが、反論はしにくい。
「だいたい、お前はたかだか子爵家の娘。龍種である殿下のお子なんて孕めまいに、僭上にも殿下の閨を独占し、恥じるところはないの」
たしかにこの邸にいる夜は恭親王はレイナの部屋にしか来ないが、レイナの立場で正室の部屋に行けだの、もう来るなだの言えることではない。
「わたくしは賤しい生まれでございますので、全ては殿下の思し召しのままにするよりございません」
「生意気な! お前の部屋にしか行かないのは、殿下のご意志だとでも言いたいの!」
バシャ!と頭から茶が浴びせられた。玉露で温いのが救いであったが、レイナは頭が真っ白になって固まっていた。背後に控えていたレイナの侍女が、声も出せずに固まっている。
明らかに侮蔑を含んだ声が、レイナに追い打ちをかける。
「……あら、ごめんあそばせ、手が滑ったわ。大変、濡れ鼠になってしまったわね。みっともないこと。……誰ぞ、拭くものを持って来て」
「いえ、滅相もございません、自分で致します」
はっとしてレイナは懐から自身の手巾を出して濡れた頭を拭おうとしたが、それよりも前に絹布を持ったユリアの右手が迫ってきた。薬指と小指には尖った指甲套が嵌められ、レイナは反射的に目を閉じる。額に鈍い痛みが走る。髪が掴まれ、乱暴に揺さぶられる。何か生ぬるいものが額からこめかみへと流れていくが、レイナは身動き一つできずに凍り付いていた。
「あら、まあ、簪が抜けてしまったわ」
カシャンと微かな音がして、レイナの足元に銀線細工の簪が落ちる。蜻蛉の意匠のこれは、実家の母の数少ない形見の品だ。レイナがハッとして、慌ててしゃがんで拾おうと簪に伸ばした白い手の甲の上に、精巧なビーズ刺繍を施した赤い履が乗って、ギリギリと踏みしめているのが目に入った。体重のかかる鈍い痛みと、掌の下で簪が折れて、掌に突き刺さるのを感じる。
「あら、ごめんあそばせ、びっくりだわ。わたくしの足の下に汚らわしい手があるなんて。わざとではなくってよ?」
そうしてしゃがみこんだままのレイナの耳に、冷たい、氷のような声が聞こえた。
「賤しい生まれのくせに、高貴な方を寝所で篭絡するのは、姉妹の得意技かしら。……身の程知らずにはそれ相応の報いが必要ね、そう思わないこと?」
踏みつけられる手の痛みよりも、額の傷の痛みよりも、生まれて初めて明確に向けられた、どす黒い憎しみが心に突き刺さり、レイナはその場からしばらく動けなかった。
部屋に一人残った侍女が機転を利かせて主房のシャオトーズに知らせたために、恭親王は帰宅早々にレイナの被害を知り、しばらく口もきけないほど驚いた。
「なん……で?」
さっぱり、理解ができなかった。レイナとユリアには何の接点もない。なぜ、レイナがユリアに呼び出され、お茶をかけられ、額をあの恐ろし気な爪(恭親王はそれを護身用の武器だと思っていた)で傷つけられ、足で踏みつけられねばならないのか、意味がわからなかった。
「仮にも、十二貴嬪家の令嬢だろう?女の子がそんなことするなんて――」
鴛鴦宮の秀女にも諍いはあったが、せいぜい、陰口を叩くとか、持ち物を隠すとか、そんな程度だった。あとはレイナが以前、やられたようにどこかに閉じこめられるとか。あまりに物理的な暴力に、恭親王は信じられないという気持ちの方が大きかった。
「何故、レイナに?昨日、ユリアと口喧嘩したのは、私なのに――」
恭親王の反応に、ゲルもメイローズも眉間に皺を寄せる。
「嫉妬でございましょう」
「嫉妬――」
嫉妬、という感情が恭親王には理解できない。彼自身まだ、誰かに嫉妬したことがないからだ。
「何て言われたの?」
「いえ、たいしたことはございません。わたくしが、不調法だったのでございます」
「レイナが不調法だったからって、その額の傷は……」
傷を診察したゲルの見立てでは、痕は残らないだろうとのことだった。
「……ちょっと俄かには理解できない。以後、ユリアの呼び出しには応じなくていいから。お前の行動を制限するのは嫌だけれど、何か難癖をつけられないように、私の許可なくお前を東房に入れることは禁ずることにする」
恭親王は折れてしまった銀線細工の簪を手巾にくるみ、懐に入れて言った。
「これは、直るかどうかはわからないが、私が修理に出す。大切な品をすまなかった」
「いえ、勿体ないことです」
ひとまずレイナを下がらせて、恭親王は深い溜息をつく。
(面倒くさい――)
レイナに落ち度がないのはわかっているが、これからユリアを質さねばならないとなると、ただただ気が重い。怒り以前に、もはや訳がわからなかった。
何故自分ではなく、レイナを攻撃するのか。レイナを傷つけたところで、ユリアが愛されるわけじゃないのに。むしろそんな狂暴な女はさらに嫌われるだけではないか。
表面上親切にしているだけで、実際にはレイナを愛していない恭親王には、寵愛を独占しているように見えるレイナに対する、ユリアの鬱屈した感情を思いやることができない。ユリアの心の中に、ユリア本人にも制御できない黒々とした負の感情が渦巻いていること、それが全てレイナに向かって燃え盛っていることが、全く想像もできていなかった。
「厄介だが、話を聞くしかないだろうな」
いかにも億劫そうに重い腰を上げ、正室の部屋へ向かう恭親王の後を歩きながら、ゲルは不可思議な顔で首を傾げていた。烈火の如く怒り狂うと思っていたのに、案外、主は淡々として、ただただ面倒くさそうである。
(レイナ様が傷つけられて、何ともないのか――?)
この一件の後、恭親王の足はユリアの部屋どころか、レイナの部屋からも遠のくことになる。
「大丈夫か」
「……はい。ありがとうございます」
レイナの身体からは髪に塗られた香油と、懐に入れた匂い袋の微かな香りが漂うのみ。それをしばらく堪能するようにレイナを抱き締めていた恭親王は、人の気配を感じて顔を上げた。
見ると、たまたま庭に出て来たユリアが、不快げに柳眉を逆立てている。
慌てて恭親王から離れて一礼するレイナを殊更に無視して、ユリアは派手な扇子で顔を隠すようにしながら、恭親王に嫌味を言う。
「今日はお忙しいから、わたくしとのお茶には来られないと言いながら、賤しい女といちゃつくお時間はあるのでございますね」
「当たり前だ。キャンセルが出て空いた時間をどう使おうが、私の勝手だ。せっかくの時間を、気のない相手のために割いたりしない。それだけのこと……興が削がれたな、レイナ。部屋へ戻ろう」
恭親王がこれ見よがしにレイナの腰を抱いて歩き去るのを、ユリアはギリギリと奥歯を噛みしめ、扇子を折らんばかりに握りしめて見送った。
その翌日――。
恭親王が出かけた午後、自室で侍女二人と刺繍をするレイナの許に、ユリアの侍女が現れた。
「奥様があなた様をお茶にご招待なさいました。急ぎ東房に参られるように」
「い、今から、ですか?」
レイナがあっけにとられて聞き返すのに、侍女は権高にレイナを見下しながら、言った。
「お待たせなさるものではありません」
レイナは目を見開き、慌てて普段着の上に袖なしの長衣を一枚羽織り、少しだけ豪華な刺繍の入った飾り帯を締め、一人の侍女を伴って部屋を出た。前を行くユリアの侍女に懸命についていき、初めて正室の住む東房に入る。
同じ邸とは思えないほど、豪華な造り。螺鈿と珊瑚、色鮮やかな磁器。恭親王がそれほど好まない、キラキラしい家具や装飾に囲まれて、レイナは身を固くする。
「お招きいただきまして、ありがとうございます」
レイナが静かに挨拶をすると、正面に座るユリアはちらりとレイナを一瞥し、喉の奥でふっと笑った。
「昨日は失礼をしてしまったわね。……それにしても、その服装はやっぱり辺境流っていうのかしら?帝都の流行りとは違うようだけど」
レイナの衣裳はメイローズの差配ではあるが、辺境のレイナの家と取引のある衣裳屋を通している。レイナの実家の領地では絹織物の生産も盛んで、最近では帝都でも取引されるようになっていた。レイナは極力、故郷の布を使った衣裳を着るようにしていたのだ。
「……北方の我が家の領地で作る布を使っておりますので。これを身につけると落ち着きます」
低い、しっとりとした声でレイナは答える。
「恭親王殿下の側室としては、地味というより、少々野暮ったいのではなくて?お前の見識一つで殿下が恥をかかれるのよ。もっとセンスよく、華やかに装うことはできないの?」
レイナは目を瞬く。邸から出ることのないレイナの服装で、恭親王の趣味があれこれ言われることはないと思うが、反論はしにくい。
「だいたい、お前はたかだか子爵家の娘。龍種である殿下のお子なんて孕めまいに、僭上にも殿下の閨を独占し、恥じるところはないの」
たしかにこの邸にいる夜は恭親王はレイナの部屋にしか来ないが、レイナの立場で正室の部屋に行けだの、もう来るなだの言えることではない。
「わたくしは賤しい生まれでございますので、全ては殿下の思し召しのままにするよりございません」
「生意気な! お前の部屋にしか行かないのは、殿下のご意志だとでも言いたいの!」
バシャ!と頭から茶が浴びせられた。玉露で温いのが救いであったが、レイナは頭が真っ白になって固まっていた。背後に控えていたレイナの侍女が、声も出せずに固まっている。
明らかに侮蔑を含んだ声が、レイナに追い打ちをかける。
「……あら、ごめんあそばせ、手が滑ったわ。大変、濡れ鼠になってしまったわね。みっともないこと。……誰ぞ、拭くものを持って来て」
「いえ、滅相もございません、自分で致します」
はっとしてレイナは懐から自身の手巾を出して濡れた頭を拭おうとしたが、それよりも前に絹布を持ったユリアの右手が迫ってきた。薬指と小指には尖った指甲套が嵌められ、レイナは反射的に目を閉じる。額に鈍い痛みが走る。髪が掴まれ、乱暴に揺さぶられる。何か生ぬるいものが額からこめかみへと流れていくが、レイナは身動き一つできずに凍り付いていた。
「あら、まあ、簪が抜けてしまったわ」
カシャンと微かな音がして、レイナの足元に銀線細工の簪が落ちる。蜻蛉の意匠のこれは、実家の母の数少ない形見の品だ。レイナがハッとして、慌ててしゃがんで拾おうと簪に伸ばした白い手の甲の上に、精巧なビーズ刺繍を施した赤い履が乗って、ギリギリと踏みしめているのが目に入った。体重のかかる鈍い痛みと、掌の下で簪が折れて、掌に突き刺さるのを感じる。
「あら、ごめんあそばせ、びっくりだわ。わたくしの足の下に汚らわしい手があるなんて。わざとではなくってよ?」
そうしてしゃがみこんだままのレイナの耳に、冷たい、氷のような声が聞こえた。
「賤しい生まれのくせに、高貴な方を寝所で篭絡するのは、姉妹の得意技かしら。……身の程知らずにはそれ相応の報いが必要ね、そう思わないこと?」
踏みつけられる手の痛みよりも、額の傷の痛みよりも、生まれて初めて明確に向けられた、どす黒い憎しみが心に突き刺さり、レイナはその場からしばらく動けなかった。
部屋に一人残った侍女が機転を利かせて主房のシャオトーズに知らせたために、恭親王は帰宅早々にレイナの被害を知り、しばらく口もきけないほど驚いた。
「なん……で?」
さっぱり、理解ができなかった。レイナとユリアには何の接点もない。なぜ、レイナがユリアに呼び出され、お茶をかけられ、額をあの恐ろし気な爪(恭親王はそれを護身用の武器だと思っていた)で傷つけられ、足で踏みつけられねばならないのか、意味がわからなかった。
「仮にも、十二貴嬪家の令嬢だろう?女の子がそんなことするなんて――」
鴛鴦宮の秀女にも諍いはあったが、せいぜい、陰口を叩くとか、持ち物を隠すとか、そんな程度だった。あとはレイナが以前、やられたようにどこかに閉じこめられるとか。あまりに物理的な暴力に、恭親王は信じられないという気持ちの方が大きかった。
「何故、レイナに?昨日、ユリアと口喧嘩したのは、私なのに――」
恭親王の反応に、ゲルもメイローズも眉間に皺を寄せる。
「嫉妬でございましょう」
「嫉妬――」
嫉妬、という感情が恭親王には理解できない。彼自身まだ、誰かに嫉妬したことがないからだ。
「何て言われたの?」
「いえ、たいしたことはございません。わたくしが、不調法だったのでございます」
「レイナが不調法だったからって、その額の傷は……」
傷を診察したゲルの見立てでは、痕は残らないだろうとのことだった。
「……ちょっと俄かには理解できない。以後、ユリアの呼び出しには応じなくていいから。お前の行動を制限するのは嫌だけれど、何か難癖をつけられないように、私の許可なくお前を東房に入れることは禁ずることにする」
恭親王は折れてしまった銀線細工の簪を手巾にくるみ、懐に入れて言った。
「これは、直るかどうかはわからないが、私が修理に出す。大切な品をすまなかった」
「いえ、勿体ないことです」
ひとまずレイナを下がらせて、恭親王は深い溜息をつく。
(面倒くさい――)
レイナに落ち度がないのはわかっているが、これからユリアを質さねばならないとなると、ただただ気が重い。怒り以前に、もはや訳がわからなかった。
何故自分ではなく、レイナを攻撃するのか。レイナを傷つけたところで、ユリアが愛されるわけじゃないのに。むしろそんな狂暴な女はさらに嫌われるだけではないか。
表面上親切にしているだけで、実際にはレイナを愛していない恭親王には、寵愛を独占しているように見えるレイナに対する、ユリアの鬱屈した感情を思いやることができない。ユリアの心の中に、ユリア本人にも制御できない黒々とした負の感情が渦巻いていること、それが全てレイナに向かって燃え盛っていることが、全く想像もできていなかった。
「厄介だが、話を聞くしかないだろうな」
いかにも億劫そうに重い腰を上げ、正室の部屋へ向かう恭親王の後を歩きながら、ゲルは不可思議な顔で首を傾げていた。烈火の如く怒り狂うと思っていたのに、案外、主は淡々として、ただただ面倒くさそうである。
(レイナ様が傷つけられて、何ともないのか――?)
この一件の後、恭親王の足はユリアの部屋どころか、レイナの部屋からも遠のくことになる。
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