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五竅
24、ゲルフィンの仮装?
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仮面を外し、涙でぐしょぐしょになった顔を手巾で拭いて赤くなったヤスミンは、確かに美女とは言い難かった。だが別に不細工ではないし、くりっとした茶色い目をしており、二十歳という割には童顔で、いわゆる可愛い系であった。泣いたおかげで化粧がだいぶ崩れていたが、もしかしたら大人っぽく見せようと、似合わない化粧をしていたのかもしれない。
シウは背が高くて年の割に大人っぽい美少女の槐花の容貌を思い浮かべ、彼女の姉だというユルゲンの側室も、すらりとした美女タイプなのだろうと想像する。単純に、ユルゲンのタイプが痩せ形の美女系で、ぽっちゃり可愛い系のヤスミンが好みに合わないのだろう。
好みのタイプとは異なる婚約者を押し付けられて、もともと不満があったところに、ユルゲンはどんぴしゃりの女を見つけて彼女こそ運命だと思い込んだのかも知れない。だが、見向きもされない正室から離婚を申し入れているのに、夫の家側の都合で離婚を了承しないばかりか、子供ができないからといって姑が嫌味まで言うのはちょっとひどすぎる。
(ユルゲンだけでなくて、ソルバン家自体が傲慢な家なんだろうな)
ソルバン家側が離婚に応じない理由は帝国の国法にある。貴種の母親の所生でなければ十二貴嬪家の後継と認められない。ユルゲンの側室が何人子を生もうと、その子はソルバン家の後継者とはなりえないのだ。
ユルゲンは次男だけれど、大家族であるソルバン家を維持していくためには、やはり正室腹の子供はどうしても必要となるのだ。
(だがそれって、子供産んだら取り上げられて、追い出されるってことじゃないの?)
おそらくその場にいる全員が同じことを考えているのだろう、エルに至っては露骨に不愉快そうな顔で馬鈴薯の焼酎を呷っている。
「そっか……。でも、今夜はそんな嫌なことは忘れて、楽しくやろうよ。僕たち三人も、僧兵も、強盗もいるし、めいいっぱい傅いてあげるから、嫌な事なんて全部忘れちゃうくらい、楽しもう? ね、お姫様?」
耳元でシウに優しい声で囁かれ、ヤスミンが少しだけ手巾から顔をのぞかせる。
確かに、今、自分の周囲には、信じられない美青年たちが傅いてくれている。
「そうそう、見る目のない旦那も、嫌味な姑も、今夜ばかりは全部忘れてぱーっとやろうよ。あとで舟に乗ってもいいし、そこの僧兵だの強盗だのに命令すれば、何でも食べたい食べ物を調達してくれるよ!」
道化も皮肉っぽい笑みを浮かべて言う。
「そうだそうだ、辛気臭せぇのは俺は嫌いだ。ガンガン飲んで、ガンガン食おうぜ!」
黒服も精悍な眉尻を少しだけ下げ、大きな口をにかっと開ける。
「一つだけ、訂正させてください。強盗じゃなくて、義賊です! 伝説の疾風小僧なんです! 押し込み強盗じゃありません!」
強盗(改め義賊)が必死に演説するのを軽く無視し、黒服が空いた酒瓶を振りながら命令する。
「おい、空いちまったぞ、甘ったるい酒ばっかでイマイチだ。なんか分捕ってこい!」
「それより強盗はさ、もっと何かお腹に溜まる食べ物持って来てよ!」
「では、お姫様! 食糧調達、行ってまいりまーす!」
殊更にヤスミンに向かって敬礼してから、強盗(改め義賊)は軽やかに階段を降りていく。
彼が銀盆に挟みパンと焼き米粉、肉饅、芝麻球などを満載して戻ってくるのに、たいした時間はかからなかった。
本物の姫君に仕えるように、彼らがヤスミンにあれこれ食べ物を差し出し、綺麗なカクテルを作って傅いていると、そこへ凄い勢いで赤い脚衣の海賊が、階段を二段飛ばしに駆け上がってきた。
「殿下っ! やべぇよ! ゲルフィンがっ! ゲルフィンが来てんの! 俺、さっき見つかっちまって、今、必死で……」
全力疾走してきたのか、肩で息をしている海賊に、強盗がグラスに麦酒を注いで手渡す。
「え、あれはゲルフィンマニアの仮装だろう?」
「ゲルフィンマニアってなんすか、そんな訳ないっしょ! 本物っすよ、モノホンのゲルフィンっす!」
麦酒を一気のみした海賊が額の汗を拭いながら言う。
「えええええ?」
「うそっ! 何でこんなところに?」
「仮装パーティーに普段のままの格好で来るとか、意味わかんねぇだろっ!」
「普段通りの格好なのに、それが別人の仮装だと思って納得してる殿下がたの方が意味わかんねぇっすよ!」
海賊の言葉に、青年たちが皆で高楼から周囲を見回す。
「何しに来たのか聞いた?」
道化が海賊に尋ねると、海賊は首を振った。
「いやもう、こんな場所でゲルフィンに会うなんて、地獄で仏の反対っすよ、もう慌てて逃げだしてきたってわけで」
「役に立たねぇ奴だなあ。ゲル兄さん、今日は何しに?くらい言ってこいや」
エルが凛々しい眉を顰めて海賊を詰ると、海賊はぶんぶんと首を振る。
「無理っす。だってもう、顔なんて引き攣っちゃってさ、怖いのなんの! なんか超激怒してる感じだったし」
「ゲルフィンが超激怒?」
シウが首を傾げる。基本的にゲルフィンは口は悪いが、感情的になったりはしない。どんな事態でも冷静に、皮肉交じりで対処していくタイプだ。そういう性格でなければ、エルの侍従官など絶対に務まらない。
何となく、ヤスミンも彼らとともにその、片眼鏡の男の行く先を目で追っていくと、その向かう先に、ヤスミンは見慣れた赤い長衣を見つけてあっと声を上げた。
「大姐……?」
「何? どうしたの?」
ゲルフィンの向かう先は、先ほどヤスミンがいたのとは別の、河に張り出した釣殿の上で、そこでは赤い長衣の女が一人、二人の男に囲まれてクッションに凭れ掛かっておしゃべりに興じていた。
「あの赤いの、わたくしのその、連れなんですけれど……」
その釣殿に向かうゲルフィンの後ろ姿からは、真っ赤な怒りのオーラが幻視されるほど、とにかく怒り狂っているのがわかる。それを見ていた押し込み強盗(改め義賊)が叫んだ。
「大嫂!……あれ、大嫂です!」
「てことは……ゲルフィンの奥さん?!」
「女房の浮気現場を押さえに来たってこと?」
高楼の上で彼らが息を飲んで見守る中、ゲルフィンはつかつかと釣殿に上がっていくと、何やら揉めた挙句、赤い長衣の女の腕を強引に掴んで、乱暴に元来た道を引き返し始めた。
「うわっ捕まったよ! どうする? どうする?」
強盗(改め義賊)は口の前で両手の拳を握りしめてあわあわしているが、彼らとしてもどうしようもない。
「あの人は本当にゲルフィンの奥さんなの?」
「仮面をつけてますけど、背格好から言ってもたぶん間違いないです」
シウが気がかりそうに強盗(改め義賊)に尋ね、その上でヤスミンの方に振り返った。
「四妹、君の連れだって言ったね?」
「……はい。その……ゲスト家の……嫡男の……」
もう間違いなかった。
「何だってこんな火遊びの会にやって来るかな?」
「その……夫婦仲があまり……それで、気晴らしに……」
ヤスミンが言いにくそうに言葉を濁す。
「知ってたか? お前」
エルに聞かれて、強盗(改め義賊)はぶんぶんと首を振る。
「ゲル兄さんは何ていうか、結構束縛がきついって言うか、大嫂が俺たち男の従兄弟たちと同席するのも嫌がるんですよ。だから俺は口もほとんどきいたこともないし、色っぽい人だなってくらいの認識しか……」
「ヤンデレかよ……」
「あの性格でヤンデレとか、最悪だよね。俺が女でも逃げ出したくなると思う」
エルとターシュが口々に言うのを、ずっと見ていた海賊が叫んだ。
「やべぇ、こっち来るっすよ!」
「うそっ! マジ?」
「撤収だ! 逃げるぞ!」
「むりっす。一本道っす。逃げられないっす」
「せめて仮面つけて他人のフリするんだ!」
わたわたと仮面をつけ、そっぽを向いて取り繕う彼らの前に、怒りのオーラも全開のゲルフィンが階段を乱暴に上って現れた。
「こんなところで何をしていらっしゃるのです?ご自分たちの立場をわかっていらっしゃらないようですね?」
シウは背が高くて年の割に大人っぽい美少女の槐花の容貌を思い浮かべ、彼女の姉だというユルゲンの側室も、すらりとした美女タイプなのだろうと想像する。単純に、ユルゲンのタイプが痩せ形の美女系で、ぽっちゃり可愛い系のヤスミンが好みに合わないのだろう。
好みのタイプとは異なる婚約者を押し付けられて、もともと不満があったところに、ユルゲンはどんぴしゃりの女を見つけて彼女こそ運命だと思い込んだのかも知れない。だが、見向きもされない正室から離婚を申し入れているのに、夫の家側の都合で離婚を了承しないばかりか、子供ができないからといって姑が嫌味まで言うのはちょっとひどすぎる。
(ユルゲンだけでなくて、ソルバン家自体が傲慢な家なんだろうな)
ソルバン家側が離婚に応じない理由は帝国の国法にある。貴種の母親の所生でなければ十二貴嬪家の後継と認められない。ユルゲンの側室が何人子を生もうと、その子はソルバン家の後継者とはなりえないのだ。
ユルゲンは次男だけれど、大家族であるソルバン家を維持していくためには、やはり正室腹の子供はどうしても必要となるのだ。
(だがそれって、子供産んだら取り上げられて、追い出されるってことじゃないの?)
おそらくその場にいる全員が同じことを考えているのだろう、エルに至っては露骨に不愉快そうな顔で馬鈴薯の焼酎を呷っている。
「そっか……。でも、今夜はそんな嫌なことは忘れて、楽しくやろうよ。僕たち三人も、僧兵も、強盗もいるし、めいいっぱい傅いてあげるから、嫌な事なんて全部忘れちゃうくらい、楽しもう? ね、お姫様?」
耳元でシウに優しい声で囁かれ、ヤスミンが少しだけ手巾から顔をのぞかせる。
確かに、今、自分の周囲には、信じられない美青年たちが傅いてくれている。
「そうそう、見る目のない旦那も、嫌味な姑も、今夜ばかりは全部忘れてぱーっとやろうよ。あとで舟に乗ってもいいし、そこの僧兵だの強盗だのに命令すれば、何でも食べたい食べ物を調達してくれるよ!」
道化も皮肉っぽい笑みを浮かべて言う。
「そうだそうだ、辛気臭せぇのは俺は嫌いだ。ガンガン飲んで、ガンガン食おうぜ!」
黒服も精悍な眉尻を少しだけ下げ、大きな口をにかっと開ける。
「一つだけ、訂正させてください。強盗じゃなくて、義賊です! 伝説の疾風小僧なんです! 押し込み強盗じゃありません!」
強盗(改め義賊)が必死に演説するのを軽く無視し、黒服が空いた酒瓶を振りながら命令する。
「おい、空いちまったぞ、甘ったるい酒ばっかでイマイチだ。なんか分捕ってこい!」
「それより強盗はさ、もっと何かお腹に溜まる食べ物持って来てよ!」
「では、お姫様! 食糧調達、行ってまいりまーす!」
殊更にヤスミンに向かって敬礼してから、強盗(改め義賊)は軽やかに階段を降りていく。
彼が銀盆に挟みパンと焼き米粉、肉饅、芝麻球などを満載して戻ってくるのに、たいした時間はかからなかった。
本物の姫君に仕えるように、彼らがヤスミンにあれこれ食べ物を差し出し、綺麗なカクテルを作って傅いていると、そこへ凄い勢いで赤い脚衣の海賊が、階段を二段飛ばしに駆け上がってきた。
「殿下っ! やべぇよ! ゲルフィンがっ! ゲルフィンが来てんの! 俺、さっき見つかっちまって、今、必死で……」
全力疾走してきたのか、肩で息をしている海賊に、強盗がグラスに麦酒を注いで手渡す。
「え、あれはゲルフィンマニアの仮装だろう?」
「ゲルフィンマニアってなんすか、そんな訳ないっしょ! 本物っすよ、モノホンのゲルフィンっす!」
麦酒を一気のみした海賊が額の汗を拭いながら言う。
「えええええ?」
「うそっ! 何でこんなところに?」
「仮装パーティーに普段のままの格好で来るとか、意味わかんねぇだろっ!」
「普段通りの格好なのに、それが別人の仮装だと思って納得してる殿下がたの方が意味わかんねぇっすよ!」
海賊の言葉に、青年たちが皆で高楼から周囲を見回す。
「何しに来たのか聞いた?」
道化が海賊に尋ねると、海賊は首を振った。
「いやもう、こんな場所でゲルフィンに会うなんて、地獄で仏の反対っすよ、もう慌てて逃げだしてきたってわけで」
「役に立たねぇ奴だなあ。ゲル兄さん、今日は何しに?くらい言ってこいや」
エルが凛々しい眉を顰めて海賊を詰ると、海賊はぶんぶんと首を振る。
「無理っす。だってもう、顔なんて引き攣っちゃってさ、怖いのなんの! なんか超激怒してる感じだったし」
「ゲルフィンが超激怒?」
シウが首を傾げる。基本的にゲルフィンは口は悪いが、感情的になったりはしない。どんな事態でも冷静に、皮肉交じりで対処していくタイプだ。そういう性格でなければ、エルの侍従官など絶対に務まらない。
何となく、ヤスミンも彼らとともにその、片眼鏡の男の行く先を目で追っていくと、その向かう先に、ヤスミンは見慣れた赤い長衣を見つけてあっと声を上げた。
「大姐……?」
「何? どうしたの?」
ゲルフィンの向かう先は、先ほどヤスミンがいたのとは別の、河に張り出した釣殿の上で、そこでは赤い長衣の女が一人、二人の男に囲まれてクッションに凭れ掛かっておしゃべりに興じていた。
「あの赤いの、わたくしのその、連れなんですけれど……」
その釣殿に向かうゲルフィンの後ろ姿からは、真っ赤な怒りのオーラが幻視されるほど、とにかく怒り狂っているのがわかる。それを見ていた押し込み強盗(改め義賊)が叫んだ。
「大嫂!……あれ、大嫂です!」
「てことは……ゲルフィンの奥さん?!」
「女房の浮気現場を押さえに来たってこと?」
高楼の上で彼らが息を飲んで見守る中、ゲルフィンはつかつかと釣殿に上がっていくと、何やら揉めた挙句、赤い長衣の女の腕を強引に掴んで、乱暴に元来た道を引き返し始めた。
「うわっ捕まったよ! どうする? どうする?」
強盗(改め義賊)は口の前で両手の拳を握りしめてあわあわしているが、彼らとしてもどうしようもない。
「あの人は本当にゲルフィンの奥さんなの?」
「仮面をつけてますけど、背格好から言ってもたぶん間違いないです」
シウが気がかりそうに強盗(改め義賊)に尋ね、その上でヤスミンの方に振り返った。
「四妹、君の連れだって言ったね?」
「……はい。その……ゲスト家の……嫡男の……」
もう間違いなかった。
「何だってこんな火遊びの会にやって来るかな?」
「その……夫婦仲があまり……それで、気晴らしに……」
ヤスミンが言いにくそうに言葉を濁す。
「知ってたか? お前」
エルに聞かれて、強盗(改め義賊)はぶんぶんと首を振る。
「ゲル兄さんは何ていうか、結構束縛がきついって言うか、大嫂が俺たち男の従兄弟たちと同席するのも嫌がるんですよ。だから俺は口もほとんどきいたこともないし、色っぽい人だなってくらいの認識しか……」
「ヤンデレかよ……」
「あの性格でヤンデレとか、最悪だよね。俺が女でも逃げ出したくなると思う」
エルとターシュが口々に言うのを、ずっと見ていた海賊が叫んだ。
「やべぇ、こっち来るっすよ!」
「うそっ! マジ?」
「撤収だ! 逃げるぞ!」
「むりっす。一本道っす。逃げられないっす」
「せめて仮面つけて他人のフリするんだ!」
わたわたと仮面をつけ、そっぽを向いて取り繕う彼らの前に、怒りのオーラも全開のゲルフィンが階段を乱暴に上って現れた。
「こんなところで何をしていらっしゃるのです?ご自分たちの立場をわかっていらっしゃらないようですね?」
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