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四竅
19、宝華楼
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翌日、一行はベルン河畔の花街を訪れた。辺境騎士団の砦より馬で半日ほど。北の大河ベルンから、帝都の北辺を東西に流れるイルマ河まで、南北に長い運河が貫いている。その運河がベルン河に流れ込む地点には、帝国の物資を東北辺境へ運ぶ北津と呼ばれる大きな津があった。その辺りからベルン河の河幅は一気に広がり、そのまま滔滔と海へと流れ込んでいく。そこから東へはベルン河を船で、西へは馬車に乗り換えて、東北辺境一体に物資は流通する。辺境騎士団への糧食その他の物資もまた、この運河を通して持ち込まれるのである。
津の周辺には小さな運河がいくつも掘鑿されて、その支流沿いに娼館が立ち並んで花街を形作っていた。娼館の軒下にはずらりと提灯が下げられ、さらに運河をまたぐように綱を渡して赤い提灯がつり下げられ、昼間のように明るいが、どこか退廃的な空気が漂っていた。
街一番の格式を誇る妓楼――宝華楼の大広間に、宴会の用意がされている。今夜はこの妓館の抱えだけでなく、街中の売れっ妓をかき集めているという。
最上席には五皇子の席が設えてあり、その下の大河ベルンを見渡せる。河上にもたくさんの船が提灯を掲げて行きかう。あの船もまた妓館であるという。
「次の機会には是非、あの船上での月見を企画いたしましょう」
今回の仕切り役、騎士団のパデュンという中年の騎士が笑う。デュクトによれば、警備上の問題から船は却下になったらしい。
デュクトら傅役以下の席は別に設けられていて、普段恭親王から絶対に離れることのないデュクトが不満そうな顔をするが、恭親王が遠くから手で制して渋々そこに座った。
五皇子の席は河に相対して恭親王と廉郡王、恭親王の隣に成郡王、廉郡王の左側に肅郡王、ダヤン皇子と並ぶ。恭親王の後方からパデュンがやってきて、揉み手して妓楼の主を紹介する。
「高貴なお方のご来臨を賜り、光栄の極みでございます」
五十がらみででっぷりと太り、やや禿げ上がった楼主は、赤ら顔を醜く歪めて愛想笑いを浮かべる。衣服は趣味が悪いが金のかかったらしい豪華な造り、妓女から搾取して相当儲けているらしい。
世知に長けた廉郡王は楼主を見てそんなことを考えたが、相変わらず金稼ぎのことに疎い恭親王は楼主の体臭に辟易するばかり。おそらく体臭を誤魔化すために香を焚き籠めているのだが、臭いが混じり合って却って臭い。さらに楼主が連れてきた妓女が皇子たちの隣にそれぞれ座り、酌をしようと酒注ぎを持って微笑んでいるのだが、白粉と香水の匂いが恭親王の鼻腔にどうしても入ってくる。臭いに敏感な恭親王はすでに食欲を失い、とにかくこの臭い場所から逃げ出す手段を考え始めた。
「雛菊でありんす」
「あちきは石楠花でありんす」
「夕顔でありんす」
「あちきは撫子でありんす」
「水仙でありんす」
この妓楼でも、宮中の秀女と同様、花の名を源氏名にするきまりのようだ。この五人は都から流れてくるか、没落した名家の流れを汲んでいるとの触れ込みであり、田舎の妓女にしては行儀作法の整った、選りすぐりの妓女だ。特に皇子付きに指名されたことで張り切っている。ダヤン皇子は帝都の妓館で遊んだことがあるので、すぐに妓女の酌を受けて杯を飲み干し、妓女にも注いでやっている。廉郡王はお忍びで花街をぶらつき、料理茶屋や屋形船で妓女を招いての宴会などは経験があった。鷹揚に杯を受けるが、皇子なだけに代わりに注いでやる、という発想はなく、注がれるままにひたすら飲む。成郡王と肅郡王は廉郡王のお供で花街に出入りしたことはあるが、「都風」だというヘンテコな廓言葉に戸惑い、顔を見合わせてくすぐったそうにしながらも、素直に杯を受ける。
一人、恭親王は完全に腰が引けてしまい、妓女が酒注ぎを持って微笑むのを、何か汚い物でも見るような眼で見るだけで、杯も取ろうとしない。
一分、五分……とそのままの姿勢で妓女を冷たく見下ろす眼差しに曝されて、酒注ぎを持ったまま凍り付いていた妓女の笑顔も引き攣ってくる。
「あの……殿下、お酒を……」
「……さい……」
「えっ?」
「臭いがきつくて耐えられぬ。……臭いからもう少し私から離れてくれ……」
酒注ぎを持ったまま茫然と固まる妓女から身を離すようにして、恭親王は白い掌で口を覆う。
「ユエリン、どうしたの?」
成郡王が心配して声をかける。異常を察した廉郡王も覗き込んだ。
「ユエリン、具合が悪いのか?」
「そうじゃない。臭い」
たしかに周囲には脂粉と焚き染められた様々な香の匂が混じり合っている。廉郡王は鼻をひくつかせる。
「このあたりの妓女では、皇宮で使うような高級な香を焚ける者はいねぇから、確かに少々品がなくてきついが、少しくらい我慢しろ」
「無理……吐きそう……」
別の席に挨拶に回っていた楼主が、その様子を遠目に見て慌てて走ってくる。
「ど、どうされましたか?」
近づいてくる楼主に、恭親王が思わずと言ったふうに身を避けて言う。
「近寄るな、お前が一番臭い!」
臭い、と言われてひるんだ楼主の前で、恭親王は美しい顔を真っ青にして口を覆っている。さすがに見とがめたデュクトとゾーイが中座して主に近寄る。
「どうなさいました。何か不調法でも」
デュクトが跪いて主を下から見上げるように言うと、恭親王はちらりと楼主と妓女を見て、言った。
「臭いんだ……香の臭いが……。気持ちが悪い。あの、露台に連れていってくれ」
ゾーイが抱きかかえるようにして恭親王を河に張り出した露台まで連れていき、衣服を少し緩めてやると、恭親王はほっとしたように息をついた。心配した成郡王も席を立って後からついてきた。
デュクトは水差しとグラスの乗った盆を恭親王の傍らに置き、水を汲んだグラスを恭親王に渡す。
「すまなかったな。もう、大丈夫だから、お前たちも席に戻って楽しんでくれ」
「殿下をこんなところに置いては行けません」
「大丈夫だよ、河を行く船を見ているから。ほら、ここから津に入る船の様子が見えるし。……退屈しなさそうだ」
「しかし、これではお食事もできませんし……帰りましょうか」
デュクトは心配そうに言う。
「しかし、それではパデュンの顔も楼主の顔も潰すだろう……」
恭親王は言う。面と向かって臭い、と言っておきながら、まだ楼主の顔が潰れていないと思っているらしい。妓女に至っては背後でわっと泣き伏していたというのに。
「僕もこっちにいるよ。実は内心、ちょっと臭いと思っていたんだ。料理はここに運んでもらったら? 河を見ながら二人で食べるよ」
成郡王がデュクトに言う。
「……できれば、化粧をしてなくて香も焚いていない女に運ばせてもらいたいけれど」
恭親王の要望に、果たしてそんな女が妓楼にいるのか?デュクトとゾーイは顔を見合わせる。ひとまずデュクトが二人の皇子の側に残り、ゾーイは楼主の元に戻る。
元の席では、楼主がおろおろと言い訳するのをパデュンが苦り切った顔で聞いており、妓女の雛菊が手巾で顔を覆ってえぐえぐと泣き続け、それをダヤンがちゃっかり慰めている。ゾーイが近づくと、パデュンが慌てたように言った。
「殿下のお具合は?」
「嗅ぎ慣れぬ安物の脂粉と香の臭いで気分が悪くなられたらしい。……露台に居れば大丈夫とのことで、成郡王殿下ともども、お食事はあちらに運んでもらいたい」
ベルン河畔で最高級の妓楼で、「安物の」とはっきり言いきってしまうゾーイも、ある意味帝都の貴公子である。皇子のお相手、というのに舞い上がって、張り切って香を焚き籠め過ぎた上に、香水まで振りかけてしまったらしい。この地で手に入る最高のものであっても、皇宮で焚かれているものと比べれば、数段落ちる。それに皇宮の女官たちは、高雅な香を下襲に焚き籠める。ただでさえ無駄に鼻の敏感な恭親王には、気が狂わんばかりに臭く感じただろう。
「……それで、だ。給仕には化粧せずに香も焚いていない女を寄こしてくれと、殿下の思し召しなのだが……」
今度は楼主とパデュンが顔を見合わせる。
「う、うちの妓女はいずれも念入りに化粧いたしまして、身支度にはこれも念入りに……」
言い募る楼主にパデュンが軍人らしく一喝した。
「殿下の思し召しであるぞ! つべこべ言わずに、化粧せずに香も焚いていない女を早く寄こすのだ!」
津の周辺には小さな運河がいくつも掘鑿されて、その支流沿いに娼館が立ち並んで花街を形作っていた。娼館の軒下にはずらりと提灯が下げられ、さらに運河をまたぐように綱を渡して赤い提灯がつり下げられ、昼間のように明るいが、どこか退廃的な空気が漂っていた。
街一番の格式を誇る妓楼――宝華楼の大広間に、宴会の用意がされている。今夜はこの妓館の抱えだけでなく、街中の売れっ妓をかき集めているという。
最上席には五皇子の席が設えてあり、その下の大河ベルンを見渡せる。河上にもたくさんの船が提灯を掲げて行きかう。あの船もまた妓館であるという。
「次の機会には是非、あの船上での月見を企画いたしましょう」
今回の仕切り役、騎士団のパデュンという中年の騎士が笑う。デュクトによれば、警備上の問題から船は却下になったらしい。
デュクトら傅役以下の席は別に設けられていて、普段恭親王から絶対に離れることのないデュクトが不満そうな顔をするが、恭親王が遠くから手で制して渋々そこに座った。
五皇子の席は河に相対して恭親王と廉郡王、恭親王の隣に成郡王、廉郡王の左側に肅郡王、ダヤン皇子と並ぶ。恭親王の後方からパデュンがやってきて、揉み手して妓楼の主を紹介する。
「高貴なお方のご来臨を賜り、光栄の極みでございます」
五十がらみででっぷりと太り、やや禿げ上がった楼主は、赤ら顔を醜く歪めて愛想笑いを浮かべる。衣服は趣味が悪いが金のかかったらしい豪華な造り、妓女から搾取して相当儲けているらしい。
世知に長けた廉郡王は楼主を見てそんなことを考えたが、相変わらず金稼ぎのことに疎い恭親王は楼主の体臭に辟易するばかり。おそらく体臭を誤魔化すために香を焚き籠めているのだが、臭いが混じり合って却って臭い。さらに楼主が連れてきた妓女が皇子たちの隣にそれぞれ座り、酌をしようと酒注ぎを持って微笑んでいるのだが、白粉と香水の匂いが恭親王の鼻腔にどうしても入ってくる。臭いに敏感な恭親王はすでに食欲を失い、とにかくこの臭い場所から逃げ出す手段を考え始めた。
「雛菊でありんす」
「あちきは石楠花でありんす」
「夕顔でありんす」
「あちきは撫子でありんす」
「水仙でありんす」
この妓楼でも、宮中の秀女と同様、花の名を源氏名にするきまりのようだ。この五人は都から流れてくるか、没落した名家の流れを汲んでいるとの触れ込みであり、田舎の妓女にしては行儀作法の整った、選りすぐりの妓女だ。特に皇子付きに指名されたことで張り切っている。ダヤン皇子は帝都の妓館で遊んだことがあるので、すぐに妓女の酌を受けて杯を飲み干し、妓女にも注いでやっている。廉郡王はお忍びで花街をぶらつき、料理茶屋や屋形船で妓女を招いての宴会などは経験があった。鷹揚に杯を受けるが、皇子なだけに代わりに注いでやる、という発想はなく、注がれるままにひたすら飲む。成郡王と肅郡王は廉郡王のお供で花街に出入りしたことはあるが、「都風」だというヘンテコな廓言葉に戸惑い、顔を見合わせてくすぐったそうにしながらも、素直に杯を受ける。
一人、恭親王は完全に腰が引けてしまい、妓女が酒注ぎを持って微笑むのを、何か汚い物でも見るような眼で見るだけで、杯も取ろうとしない。
一分、五分……とそのままの姿勢で妓女を冷たく見下ろす眼差しに曝されて、酒注ぎを持ったまま凍り付いていた妓女の笑顔も引き攣ってくる。
「あの……殿下、お酒を……」
「……さい……」
「えっ?」
「臭いがきつくて耐えられぬ。……臭いからもう少し私から離れてくれ……」
酒注ぎを持ったまま茫然と固まる妓女から身を離すようにして、恭親王は白い掌で口を覆う。
「ユエリン、どうしたの?」
成郡王が心配して声をかける。異常を察した廉郡王も覗き込んだ。
「ユエリン、具合が悪いのか?」
「そうじゃない。臭い」
たしかに周囲には脂粉と焚き染められた様々な香の匂が混じり合っている。廉郡王は鼻をひくつかせる。
「このあたりの妓女では、皇宮で使うような高級な香を焚ける者はいねぇから、確かに少々品がなくてきついが、少しくらい我慢しろ」
「無理……吐きそう……」
別の席に挨拶に回っていた楼主が、その様子を遠目に見て慌てて走ってくる。
「ど、どうされましたか?」
近づいてくる楼主に、恭親王が思わずと言ったふうに身を避けて言う。
「近寄るな、お前が一番臭い!」
臭い、と言われてひるんだ楼主の前で、恭親王は美しい顔を真っ青にして口を覆っている。さすがに見とがめたデュクトとゾーイが中座して主に近寄る。
「どうなさいました。何か不調法でも」
デュクトが跪いて主を下から見上げるように言うと、恭親王はちらりと楼主と妓女を見て、言った。
「臭いんだ……香の臭いが……。気持ちが悪い。あの、露台に連れていってくれ」
ゾーイが抱きかかえるようにして恭親王を河に張り出した露台まで連れていき、衣服を少し緩めてやると、恭親王はほっとしたように息をついた。心配した成郡王も席を立って後からついてきた。
デュクトは水差しとグラスの乗った盆を恭親王の傍らに置き、水を汲んだグラスを恭親王に渡す。
「すまなかったな。もう、大丈夫だから、お前たちも席に戻って楽しんでくれ」
「殿下をこんなところに置いては行けません」
「大丈夫だよ、河を行く船を見ているから。ほら、ここから津に入る船の様子が見えるし。……退屈しなさそうだ」
「しかし、これではお食事もできませんし……帰りましょうか」
デュクトは心配そうに言う。
「しかし、それではパデュンの顔も楼主の顔も潰すだろう……」
恭親王は言う。面と向かって臭い、と言っておきながら、まだ楼主の顔が潰れていないと思っているらしい。妓女に至っては背後でわっと泣き伏していたというのに。
「僕もこっちにいるよ。実は内心、ちょっと臭いと思っていたんだ。料理はここに運んでもらったら? 河を見ながら二人で食べるよ」
成郡王がデュクトに言う。
「……できれば、化粧をしてなくて香も焚いていない女に運ばせてもらいたいけれど」
恭親王の要望に、果たしてそんな女が妓楼にいるのか?デュクトとゾーイは顔を見合わせる。ひとまずデュクトが二人の皇子の側に残り、ゾーイは楼主の元に戻る。
元の席では、楼主がおろおろと言い訳するのをパデュンが苦り切った顔で聞いており、妓女の雛菊が手巾で顔を覆ってえぐえぐと泣き続け、それをダヤンがちゃっかり慰めている。ゾーイが近づくと、パデュンが慌てたように言った。
「殿下のお具合は?」
「嗅ぎ慣れぬ安物の脂粉と香の臭いで気分が悪くなられたらしい。……露台に居れば大丈夫とのことで、成郡王殿下ともども、お食事はあちらに運んでもらいたい」
ベルン河畔で最高級の妓楼で、「安物の」とはっきり言いきってしまうゾーイも、ある意味帝都の貴公子である。皇子のお相手、というのに舞い上がって、張り切って香を焚き籠め過ぎた上に、香水まで振りかけてしまったらしい。この地で手に入る最高のものであっても、皇宮で焚かれているものと比べれば、数段落ちる。それに皇宮の女官たちは、高雅な香を下襲に焚き籠める。ただでさえ無駄に鼻の敏感な恭親王には、気が狂わんばかりに臭く感じただろう。
「……それで、だ。給仕には化粧せずに香も焚いていない女を寄こしてくれと、殿下の思し召しなのだが……」
今度は楼主とパデュンが顔を見合わせる。
「う、うちの妓女はいずれも念入りに化粧いたしまして、身支度にはこれも念入りに……」
言い募る楼主にパデュンが軍人らしく一喝した。
「殿下の思し召しであるぞ! つべこべ言わずに、化粧せずに香も焚いていない女を早く寄こすのだ!」
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