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一竅
1、〈純陽〉シウリン
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その世界は、陰陽の調和によって、成り立っている。太陽と月、天と地、昼と夜、男と女、東と西。陰と陽に分かたれ、対立し、共存し、交じり合う。
東には、太陽の龍騎士を始祖とした皇帝が治す帝国が、西には、月の精靈を始祖とする女王を戴く女王国が、それぞれ人の世の陽と陰とを司る。陰と陽との拮抗と調和を援けるのは、聖地の〈禁苑三宮〉と言われる太陽宮・太陰宮、そして陰陽宮である。人々は世界の中心とされる聖地の霊山、プルミンテルンの麓に集い、祈る。全ては、陰陽の調和のために――。
粉雪が舞う中を、シウリンは歩いた。すでに日はとっぷりと暮れ、森の中にはシウリンが尼僧院で借りてきた角灯の灯りが揺れるだけだ。
獣の遠吠えが聞こえる。このあたりで人が襲われたという話は聞かないが、急ぐに越したことはない。
〈星の雫〉尼僧院を出た時点ですでに日が暮れており、尼僧たちはシウリンに泊まって行くように言ったが、少年とはいえ、仮にも男である自分が尼僧院に泊まるなど、あってはならない。自分はすでに生涯不犯の誓いも立てている。通い慣れた道だから、と角灯を借りるだけで尼僧院を後にしたのだ。
シウリンは午後の早い時間に尼僧院を出たが、途中で迷子の少女を拾って、彼女を尼僧院に送り届けるために、元来た道を引き返したのだ。ずっと背負って歩くうち、少女は眠ってしまった。寒さと疲労とのためか、尼僧院に着いたときには少女は高熱を出していた。てんやわんやする年老いた尼僧たちに看病を頼んで、彼はすぐ家路についた。彼の住まう僧院までは森の中を歩いて二刻程だ。
疲労は相当に溜まっている。裸足に藁で編んだ草履を履いた足は、痛みと寒さでかじかんだ。門限も食事の時間も過ぎているから、帰りついても何も食べられないかもしれない。事情を話したところで、温情を与えてもらえるとは限らない。むしろ、懲罰房に入れられるだろう、とシウリンは予想していた。今、見習い僧侶の監督をしているシシル準導師は、厳格で例外を認めない。というより、まずシウリンの話自体聞いてはくれないだろう。シシル準導師は、見習い僧侶をわずかな失敗で鞭打っては、懲罰房に食事抜きで放り込むのを、唯一の楽しみとしていたからだ。
シウリンは十二歳。沙弥、つまり見習いの僧侶である。両親はおらず、物心ついて以来、ずっと聖地・太陽宮の〈清脩〉僧院で育った。年が明けて十三歳になったら、正式な僧として得度する予定になっている。
シウリンは〈純陽〉だ。生涯、聖地から出ることなく、生涯娶らず、子もなさず、ただ天と陰陽への奉仕に一生を捧げる。天と陰陽への捧げものでもあり、彼らは往々にして、高貴な血を引いている。
シウリンも、本人には視えないが、〈王気〉があるという。〈王気〉とは、龍種の証。東西の皇王家の者にだけ現れる、強い魔力の表出である。つまり、シウリンは皇家の血を引いている。
この世界において、魔力は普通、東西の皇王家である龍種と、その眷属の家系である最高貴族層、貴種の血を引く者にだけ、備わっている。万一、何かの血の関係で、平民に魔力のある者が生まれれば、皇帝の命としてその者は聖地に送られる。聖地で魔力の制御を学び、聖職者になる。一つには、制御されぬ魔力が民間にあることを防ぐため。もう一つには、強い魔力を持つ者が、野放図にその魔力を子孫に伝えないためである。
何らかの理由で、望まれずに生まれてきた高貴なる血を引く者たちが聖地に入った場合、特に〈純陽〉とされ、生涯聖地から出ることはない。彼らは高貴なる血を持つが故に魔力が高く、また高貴な血を後に残すことがないように、である。
〈王気〉を持つとは、とりわけ強い魔力を持つということである。さらに龍種の特性として、その精は強い魔力を含み、魔力への耐性を持たない女と迂闊に交接すれば、酷い場合、死に至ることがある。それ故に、シウリンは生涯異性と交わることを禁じられ、純粋な〈陽〉として、天への祈りと奉仕へ一生を捧げることが定められているのだ。
シウリンはこの夏に、得度のための七つの戒を受けた。
不妄殺戒、不偸盗戒、不淫戒、不妄語戒、不塗飾香鬘戒、不坐高広大牀戒、不蓄金銀宝戒。
陰陽の調和を奉ずるこの世界の聖職者は、肉食や飲酒については禁じられていない。聖地のある島は土地が痩せているうえ、特に太陽宮のある北部は山地で、気候も寒冷である。肉を食わずに生きていけるような環境ではないのだ。その代わり、陰陽の交合を教義の中心とするだけに、聖職者の性には極めて大きな規制がかかっている。すべての〈禁苑〉の聖職者にとって、姦淫が最大の禁忌であった。
とりわけ、〈純陽〉として生涯純潔を貫くはずのシウリンは、男女のことについて全く教えられずに育った。そもそも、僧院は女人禁制であるから女など見ることはない。時々、近所の尼僧院に手伝いに行くが、その尼僧院には老女しかいなかった。だから、シウリンは「女性に触れてはいけない」という戒律の存在は知っているが、その意味するところはまるで理解していなかった。
その彼が、森の中で少女に出会った。白金色の髪に、翡翠色の瞳。まだ稚い、五、六歳と見える幼子が、初冬の森の中で迷子になっていたのだ。
それは、不思議な邂逅であった。午後の淡い光の中、シウリンは雷に撃たれたような衝撃を受けたのだ。
近づいてみれば、その髪は薔薇の香りのように馨しく、その身に触れるとシウリンの脳を蕩かすような甘さが彼に流れ込んだ。
それは世俗に言う恋というものに他ならなかったが、『聖典』の他には学問の師から渡される数学や論理学の書物しか読んだことのないシウリンは、「恋」という単語すら知らなかった。〈純陽〉として限りなく無垢であるべく育てられたシウリンは、男女の身体の違いすら、教えられていなかったのだから。
少女は〈メルーシナ〉と名乗った。小さな彼女を背中に背負い、冬枯れの森の小道を歩く。巨木の木陰で並んで座り、彼女の甘い〈気〉に酔ったようになり、せがまれるままに、なんと結婚の約束までしてしまった。もちろん、「天と陰陽が望むなら」の条件付きではあるけれど。
背中で熱を出したメルーシナを尼僧院に預け、シウリンは尼僧院を後にした。
もう、二度と会うことはないだろう。尼僧院からの家路は、別れの辛さにどうしても足取りが重くなる。
これまで、〈純陽〉であることも、清貧の暮らしにも何の疑問も持たなかったシウリンの心が、初めて揺らいだ瞬間だった。
メルーシナとずっと一緒にいたかった。離れたくなかった。
自分が、〈純陽〉でなければ――。
聖地の僧院に育つみなしごたちの中には、適性によっては成長の後に聖地を出て、俗人として生きることを選択する者もいた。だが、シウリンには初めから、その選択肢がない。これまで、それを何の疑問もなく受け入れていたのに――。
年が明ければ、シウリンは十三歳になり、正式に得度する。太陽神殿附設の学院でさらなる学問を積むことになる。聖地どころか、聖地の中央から北部一帯を占める、太陽宮の境域から出ることさえない。
メルーシナどころか、世の中の女というものに出会う機会さえ、ほとんどないだろう。
重い足を引きずって歩いていたシウリンは、ふと、ある重大なことを思い出して、思わず足を止めた。
メルーシナから預かった指輪を、返すのを忘れたのだ。
彼女が母親からもらったという、古い、大ぶりの指輪。大きくなったら、旦那様になる人にあげるのだという、指輪。
『だから、シウリンにあげるわ』
まるで当然だとでもいうように言った、メルーシナの言葉が蘇える。
シウリンは、きっと生涯彼女を忘れない。だが彼女は。メルーシナは、シウリンのことなど、すぐに忘れてしまうかもしれない。大きくなったとき、指輪がなければ彼女は困るのではないか。
――指輪がなければ、彼女は他の誰かのものにもならないのではないか。
そう、思ったことを、シウリンは首を振って否定した。
指輪は、返さなければならない。
だが、今さら、もう一度尼僧院に戻る気力はさすがになかった。
(どうしよう……院長様に申し上げて、角灯と一緒にそちらから返してもらおうか……)
そうだ、一晩だけ、自分で持っていればいい。そうして明日、院長に言って返してもらえば――。
僧院の門番の灯りが見えてきた。覚悟を決めて、シウリンは脚を速めた。
東には、太陽の龍騎士を始祖とした皇帝が治す帝国が、西には、月の精靈を始祖とする女王を戴く女王国が、それぞれ人の世の陽と陰とを司る。陰と陽との拮抗と調和を援けるのは、聖地の〈禁苑三宮〉と言われる太陽宮・太陰宮、そして陰陽宮である。人々は世界の中心とされる聖地の霊山、プルミンテルンの麓に集い、祈る。全ては、陰陽の調和のために――。
粉雪が舞う中を、シウリンは歩いた。すでに日はとっぷりと暮れ、森の中にはシウリンが尼僧院で借りてきた角灯の灯りが揺れるだけだ。
獣の遠吠えが聞こえる。このあたりで人が襲われたという話は聞かないが、急ぐに越したことはない。
〈星の雫〉尼僧院を出た時点ですでに日が暮れており、尼僧たちはシウリンに泊まって行くように言ったが、少年とはいえ、仮にも男である自分が尼僧院に泊まるなど、あってはならない。自分はすでに生涯不犯の誓いも立てている。通い慣れた道だから、と角灯を借りるだけで尼僧院を後にしたのだ。
シウリンは午後の早い時間に尼僧院を出たが、途中で迷子の少女を拾って、彼女を尼僧院に送り届けるために、元来た道を引き返したのだ。ずっと背負って歩くうち、少女は眠ってしまった。寒さと疲労とのためか、尼僧院に着いたときには少女は高熱を出していた。てんやわんやする年老いた尼僧たちに看病を頼んで、彼はすぐ家路についた。彼の住まう僧院までは森の中を歩いて二刻程だ。
疲労は相当に溜まっている。裸足に藁で編んだ草履を履いた足は、痛みと寒さでかじかんだ。門限も食事の時間も過ぎているから、帰りついても何も食べられないかもしれない。事情を話したところで、温情を与えてもらえるとは限らない。むしろ、懲罰房に入れられるだろう、とシウリンは予想していた。今、見習い僧侶の監督をしているシシル準導師は、厳格で例外を認めない。というより、まずシウリンの話自体聞いてはくれないだろう。シシル準導師は、見習い僧侶をわずかな失敗で鞭打っては、懲罰房に食事抜きで放り込むのを、唯一の楽しみとしていたからだ。
シウリンは十二歳。沙弥、つまり見習いの僧侶である。両親はおらず、物心ついて以来、ずっと聖地・太陽宮の〈清脩〉僧院で育った。年が明けて十三歳になったら、正式な僧として得度する予定になっている。
シウリンは〈純陽〉だ。生涯、聖地から出ることなく、生涯娶らず、子もなさず、ただ天と陰陽への奉仕に一生を捧げる。天と陰陽への捧げものでもあり、彼らは往々にして、高貴な血を引いている。
シウリンも、本人には視えないが、〈王気〉があるという。〈王気〉とは、龍種の証。東西の皇王家の者にだけ現れる、強い魔力の表出である。つまり、シウリンは皇家の血を引いている。
この世界において、魔力は普通、東西の皇王家である龍種と、その眷属の家系である最高貴族層、貴種の血を引く者にだけ、備わっている。万一、何かの血の関係で、平民に魔力のある者が生まれれば、皇帝の命としてその者は聖地に送られる。聖地で魔力の制御を学び、聖職者になる。一つには、制御されぬ魔力が民間にあることを防ぐため。もう一つには、強い魔力を持つ者が、野放図にその魔力を子孫に伝えないためである。
何らかの理由で、望まれずに生まれてきた高貴なる血を引く者たちが聖地に入った場合、特に〈純陽〉とされ、生涯聖地から出ることはない。彼らは高貴なる血を持つが故に魔力が高く、また高貴な血を後に残すことがないように、である。
〈王気〉を持つとは、とりわけ強い魔力を持つということである。さらに龍種の特性として、その精は強い魔力を含み、魔力への耐性を持たない女と迂闊に交接すれば、酷い場合、死に至ることがある。それ故に、シウリンは生涯異性と交わることを禁じられ、純粋な〈陽〉として、天への祈りと奉仕へ一生を捧げることが定められているのだ。
シウリンはこの夏に、得度のための七つの戒を受けた。
不妄殺戒、不偸盗戒、不淫戒、不妄語戒、不塗飾香鬘戒、不坐高広大牀戒、不蓄金銀宝戒。
陰陽の調和を奉ずるこの世界の聖職者は、肉食や飲酒については禁じられていない。聖地のある島は土地が痩せているうえ、特に太陽宮のある北部は山地で、気候も寒冷である。肉を食わずに生きていけるような環境ではないのだ。その代わり、陰陽の交合を教義の中心とするだけに、聖職者の性には極めて大きな規制がかかっている。すべての〈禁苑〉の聖職者にとって、姦淫が最大の禁忌であった。
とりわけ、〈純陽〉として生涯純潔を貫くはずのシウリンは、男女のことについて全く教えられずに育った。そもそも、僧院は女人禁制であるから女など見ることはない。時々、近所の尼僧院に手伝いに行くが、その尼僧院には老女しかいなかった。だから、シウリンは「女性に触れてはいけない」という戒律の存在は知っているが、その意味するところはまるで理解していなかった。
その彼が、森の中で少女に出会った。白金色の髪に、翡翠色の瞳。まだ稚い、五、六歳と見える幼子が、初冬の森の中で迷子になっていたのだ。
それは、不思議な邂逅であった。午後の淡い光の中、シウリンは雷に撃たれたような衝撃を受けたのだ。
近づいてみれば、その髪は薔薇の香りのように馨しく、その身に触れるとシウリンの脳を蕩かすような甘さが彼に流れ込んだ。
それは世俗に言う恋というものに他ならなかったが、『聖典』の他には学問の師から渡される数学や論理学の書物しか読んだことのないシウリンは、「恋」という単語すら知らなかった。〈純陽〉として限りなく無垢であるべく育てられたシウリンは、男女の身体の違いすら、教えられていなかったのだから。
少女は〈メルーシナ〉と名乗った。小さな彼女を背中に背負い、冬枯れの森の小道を歩く。巨木の木陰で並んで座り、彼女の甘い〈気〉に酔ったようになり、せがまれるままに、なんと結婚の約束までしてしまった。もちろん、「天と陰陽が望むなら」の条件付きではあるけれど。
背中で熱を出したメルーシナを尼僧院に預け、シウリンは尼僧院を後にした。
もう、二度と会うことはないだろう。尼僧院からの家路は、別れの辛さにどうしても足取りが重くなる。
これまで、〈純陽〉であることも、清貧の暮らしにも何の疑問も持たなかったシウリンの心が、初めて揺らいだ瞬間だった。
メルーシナとずっと一緒にいたかった。離れたくなかった。
自分が、〈純陽〉でなければ――。
聖地の僧院に育つみなしごたちの中には、適性によっては成長の後に聖地を出て、俗人として生きることを選択する者もいた。だが、シウリンには初めから、その選択肢がない。これまで、それを何の疑問もなく受け入れていたのに――。
年が明ければ、シウリンは十三歳になり、正式に得度する。太陽神殿附設の学院でさらなる学問を積むことになる。聖地どころか、聖地の中央から北部一帯を占める、太陽宮の境域から出ることさえない。
メルーシナどころか、世の中の女というものに出会う機会さえ、ほとんどないだろう。
重い足を引きずって歩いていたシウリンは、ふと、ある重大なことを思い出して、思わず足を止めた。
メルーシナから預かった指輪を、返すのを忘れたのだ。
彼女が母親からもらったという、古い、大ぶりの指輪。大きくなったら、旦那様になる人にあげるのだという、指輪。
『だから、シウリンにあげるわ』
まるで当然だとでもいうように言った、メルーシナの言葉が蘇える。
シウリンは、きっと生涯彼女を忘れない。だが彼女は。メルーシナは、シウリンのことなど、すぐに忘れてしまうかもしれない。大きくなったとき、指輪がなければ彼女は困るのではないか。
――指輪がなければ、彼女は他の誰かのものにもならないのではないか。
そう、思ったことを、シウリンは首を振って否定した。
指輪は、返さなければならない。
だが、今さら、もう一度尼僧院に戻る気力はさすがになかった。
(どうしよう……院長様に申し上げて、角灯と一緒にそちらから返してもらおうか……)
そうだ、一晩だけ、自分で持っていればいい。そうして明日、院長に言って返してもらえば――。
僧院の門番の灯りが見えてきた。覚悟を決めて、シウリンは脚を速めた。
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