【R18】水面に映る月影は――出戻り姫と銀の騎士

無憂

文字の大きさ
上 下
83 / 86

83、リベンジ*

しおりを挟む
 ジュスティーヌがぎょっとなって問いかけるが、見ればラファエルの分身はすでに立ち上がっていて、ずりずりとジュスティーヌの方ににじりよってきていた。

「ちょ、ちょっと待って! あんな痛いのは、もう……」
「大丈夫です! 痛いのは、初めての時だけだと聞いています! お願いです、姫!」

 まっすぐに見つめられて懇願されると、ジュスティーはその紫色の瞳に絆されて、つい頷いてしまう。
 ――思えば前から、ジュスティーヌはラファエルのこの目に弱かった。
 結婚を承諾したときも、今夜だけだと寝室に入れた夜も。すべてこの目で縋られると、ジュスティーヌは断ることができない。

 ジュスティーヌの承諾を得たラファエルは、まるで尻尾を振った犬が飼い主に纏わりつくかのように、ジュスティーヌの全身に舌を這わせ、瞬く間にジュスティーヌを快楽の淵に引きずり込んで、それからもう一度、ゆっくりと楔を打ち込んできた。

「今度は、さっき一度出しているから、大丈夫、です……」
 
 そんなことを言いながら、ラファエルはジュスティーヌの内壁の感触を味わうように、ゆっくりと腰を進めてきた。

「ううっ……」

 さっきほどではないが、やはりまだ圧迫感に慣れなくて、ジュスティーヌが眉をひそめる。
 
「姫……ああ、やっぱり、いい……ああ、俺の、俺のものだ……ここは俺しか知らないんです……俺の、俺だけの姫……」
 
 ゆっくりと幸福を噛みしめるように、最奥に分け入ってきたラファエルが感極まったような溜息をつく。
 
「さっきは、この幸福感でいっきに絶頂してしまって……はあっ……ああ、すごい……」
「ラフェエル……くるしい……もう……」

 ぎちぎちに埋め込まれた楔が苦しくて、ジュスティーヌがラファエルに懇願する。何となくだが、前戯の愛撫でジュスティーヌが快感を得、一つになるこの行為でラファエルが快感を得るのだろうと、ジュスティーヌは納得していたから、ラファエルがそれを長く味わいたいのであれば協力はやぶさかではないものの、できれば早く終わって欲しいとジュスティーヌは思っていた。

「ジュスティーヌ……動いても?」
「え?……うご、く……?」

 ラファエルの楔がゆっくりと抜けていくのを感じて、ジュスティーヌはほっとする。だが、次の瞬間、一気に最奥まで再び貫かれ、ジュスティーヌは悲鳴を上げた。

「ひあっ……やっ、なに、を……」
「ああっ、すごい、いい……ああっ、ジュスティーヌ……」

 ゆっくりと抜け落ちる寸前まで引き抜いて、一気に最奥に叩きつける。そんな動きを幾度も繰り返すうちに、ジュスティーヌの内壁も痛み以外の感覚を拾い始める。

「ふっ……んんっ……あっ……はっ……」
「はあっ……ああ、中が、絡みつくようで、すごい……」

 ジュスティーヌが下から見上げれば、ラファエルの端麗な顔が快楽に歪んで、額には汗が光り、それがこめかみから首筋へと流れ落ち、鍛えあげた肩や胸の汗も蝋燭の光に煌いて、壮絶な艶めかしさであった。ラファエルの手が愛おしそうにジュスティーヌの胸や腹や、大きく広げられた脚を這いまわり、時に唇を額や頬、首筋、胸元へと落とし、舌で胸の尖りを舐める。そのたびにジュスティーヌは痺れるような快感に身体を震わせ、あられもない声を上げてしまう。

「はっ……やっぱり、恥ずかし……」

 ジュスティーヌは自分の手の甲を唇に当て、漏れ出る声を押えようとした。だがラファエルはその手を掴んで、もう一つの手もそれぞれ指を絡めるようにして、ジュスティーヌの頭の脇に押し付け、なおいっそう、腰を叩きつけるスピードを速める。

 豪華な寝台が激しい動きに軋み、肌と肌のぶつかる音と、蜂蜜を練るような水音、こらえきれずに零れ出るジュスティーヌの喘ぎ声、肺腑の底から漏れ出るような、ラファエルの激しい息遣い。耳に入るすべての音が、ジュスティーヌの羞恥心を煽り、快楽の淵へと追い込んでいく。

 ラファエルがやや身体を起こすようにして、ジュスティーヌのさらに奥を抉る。ぐりっと奥を突かれて、ジュスティーヌが喉をさらして悲鳴を上げた。

「ああっ……」
「はあっ……ジュスティーヌ……この場所は俺の、俺だけの……」

 ラファエルはジュスティーヌの片足を肩に担ぎ、ジュスティーヌの両脚を一層広げて、身体をねじ込むようにして、さらに奥を犯そうと腰を叩きつける。激しい抽挿に、ジュスティーヌの白い胸が揺れ、奥を突かれるたびに、声が零れ出てしまう。

「うっ……ああっ、あっ……、やあ……あっ、あっ、ああっ」

 正直に言えば、初めての交接であるジュスティーヌにとって、その場所を突かれるのは、少し苦しかった。だがジュスティーヌは、本能でこれが愛の行為であると理解し、ラファエルの望むままにすべてを受け入れようとしていた。いつしか痛みは消え、じんじんとした感覚が湧き上がってジュスティーヌは顔を振って快楽に耐える。それでもまだ、初めての経験であるジュスティーヌは、頂点に至るすべを知らなかった。

「ああっ……ラファエル、ラファエル……ああっ……」
「ああ、ジュスティーヌ、俺も、そろそろ、イきます……一緒に……」

 ラファエルが身体を倒してジュスティーヌの唇を塞ぐ。舌で咥内を蹂躙し、唾液を吸上げ、片手はジュスティーヌの白い胸を揉みしだき、もう一つの手で、結合部のすぐ上の、赤く腫れた突起を弄ぶ。
 感じる三つの場所を同時に刺激されて、ジュスティーヌは快楽の頂点へと駆け上り、ラファエルの内壁を締め付ける。全身が硬直して叫びたいほどなのに、唇をふさがれて声を上げることもできない。
 
「んんんっ……ん……」
「ああ、ジュスティーヌ、そんなに締めたらっ……くっ……くぅー―――っ」

 ついにラファエルが唇を離し、喉ぼとけの浮いた首筋を反らし、奥歯を噛みしめて絶頂を堪える。

「あっああああっ……ああっ……」
 
 ジュスティーヌが頂点に達して、ラファエルの肩に担がれた片足の、爪先までピンと伸ばし、小刻みに痙攣させる。両手でラファエルの汗ばんだ肩に縋り、ぎゅっと爪を立てて握りしめる。

「ああっあああっ……」 
  
 ガクガクと全身を震わせて長い絶頂を受け止めるジュスティーヌを見下ろして、とうとうラファエルも決壊し、彼女の最奥に熱い飛沫をほとばしらせる。

「うっ……ジュス、ティーヌ……ううっ……」

 ラファエルの頬を流れ落ちた汗のしずくが形の良い顎にわだかまり、ジュスティーヌの白い胸にしたたる。その刺激にジュスティーヌはもう一度身体を震わせ、そのまま意識を手放した。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...