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12、指輪の選択
婚前交渉の可否について
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そもそも、ギュスターブはアデライードの貞操がすでに恭親王に奪われていると、決めつけている。全くひどい言いざまである。
彼とて一線を越えたいのはやまやまなのに、メイローズだの、ユリウスだの、時間だの海だのに邪魔されて、アデライードを手に入れることができていない。彼女は天と陰陽が認めた彼の番だというのに!
毎日毎日、このやるせない思いをどうにか誤魔化して生きているのに、〈狂王〉だの〈処女殺し〉だの、根も葉もない噂のおかげで、この目の前の下種な男に言いたい放題言われているのである。こんなことならメイローズなどうっちゃって、とっとと船に乗せて総督府に連れ込み、日ごと夜ごとあの魅惑的な肌を貪っておけばよかった!
(こんなに我慢を強いられているというのに、この言われよう。血を吐くような努力が馬鹿みたいではないか)
恭親王は横目でちらりとアデライードを見るが、彼女はこの下種なやり取りを馬耳東風と聞き流している。もし、内容が理解できれば、到底、恥ずかしさと屈辱とで、平静ではいられまいに。つまり、アデライードは真実、男女のことを知らないのだ。アデライードのこの様子から、彼女が正真正銘の生娘で、恭親王との間にはまだ何もないと、すぐにわかるだろうに!
そう考えると、恭親王はこの場の茶番がひどく滑稽なものに見えてきて、身体の奥底から笑いが込み上げてくるのを、抑えきれなくなった。身体を揺すって声もなく笑っていると、その様子に気づいたギュスターブがいぶかし気な眼で彼を見つめる。
「どうなさったのです、総督閣下」
驚いてギュスターブが尋ね、ルキニウスらも恭親王に注目する。
「いや、失敬。その、ずいぶん下世話な話で揉めていると思うと可笑しくって、つい、ね。……いや、単純に聞きたいのだが……ええと、ギュスターブ殿? 仮に、仮にだが、アデライード姫と私に身体の関係があったとして、何か問題が? これは宗教的な問題でもあるから、そちらの〈禁苑三宮〉の長の方々にもお聞きしよう。……その、いわゆる婚前交渉があったとすると、〈聖婚〉に差支えがあるのか?……『聖典』には、我が祖太陽の龍騎士と姫君の祖である月の精靈の〈聖婚〉は、あの夜、〈時の泉〉で初めて出会い、瞬く間に恋に落ちて契りを交わし、それを嘉した天が〈聖剣〉を遣わした、とあったと思うのだが……? また、記録によれば、だいぶ以前の〈聖婚〉では、陰陽宮での〈初契りの儀〉の前に、姫が孕んでしまった事例があったはずだが」
恭親王はあくまで悪戯っぽい笑顔のまま、中央に座る〈禁苑三宮〉の長と、ユリウス、そしてギュスターブを眺めまわす。
世俗の貴族の婚姻では、婚姻前の、特に花嫁の純潔はそれなりに重視される。とりわけ、西の女王国ではその傾向が強い。だがそれは宗教的なものではなく、貴族の血族――つまり、花嫁の腹の子供の父親を確定するため――を護るための、社会的な慣習だ。
もちろん、〈禁苑〉は婚前交渉を推奨はしていないが、教義として禁じてはいない。そもそもが、東の帝国では西ほど処女性は重んじられず、離婚も、再婚も普通にある。ただ腹の子の父を確定するために、再婚までには半年以上、間をあけなければならない決まりがあるはずだ。
〈禁苑〉の教義上、婚前交渉が決定的なタブーではない以上、〈聖婚〉の場合でもそれが適用されることの言質さえ取っておけばよい。恭親王とアデライードの間に、身体の関係があるか否か追求したところで、ただただ滑稽なだけである。
恭親王の問いかけに、〈聖婚〉を司る陰陽宮の管長ゼノンが口を開いた。ごま塩の長髪を後ろに垂らした小柄な老宦官である。
「……仰せの通り、〈聖婚〉におきましては、〈鏡の誓い〉の儀に先立っていても、双方の合意の上でありますならば、お互い愛を交わしても、特段の問題にはなりませぬ。龍騎士と月の精靈の場合は些か特殊ではございますが、ご指摘の通り、正式な婚儀の前にお二人がお気持ちを留められず、内々に契りを交わした例が幾度か、報告されております。……もちろん、推奨している訳ではございませんので、誤解なきように」
ギュスターブは目を見開き、〈禁苑三宮〉の長たちに詰め寄る。
「なんと!花嫁の純潔は問題にせぬとおっしゃるか!いつから〈禁苑〉はそのような淫猥な教義に堕したのか、それでは世の夫婦は……」
「貴公は聞いていなかったのか、〈聖婚〉においては、だ」
なおも言い募ろうとするギュスターブにおっかぶせるようにして、恭親王はぴしゃりと言い放つ。
「世の凡百の夫婦のことなど、この際、どうでもいい。龍騎士の血統を受け継ぐ私と、月の精靈の血統を受け継ぐアデライード姫との、聖なる婚姻においての話だ。私と姫君の間に淫らな関係があろうがなかろうが、〈聖婚〉の資格を失うことにはならない。つまり〈聖婚〉に対する異議としては意味をなさないってことだ。それを、ありもしない関係をあるといって騒ぎたてるのは、全くバカバカしいと思わないかね?……正式な婚儀の前に関係があったといえば、貴公の結婚もそう聞いているが。もっとも、貴公の場合は合意の上ですらなかったと、もっぱらの噂だが」
繰り返すが、〈禁苑〉にとってみれば、東の皇子と西の王女が結婚しさえすればそれでいいのだ。そして、冬至の夜に陰陽宮の奥地、〈陰陽の鏡〉の前で二人が誓いあい、かつそこで交合が行われることが重要であるらしい。メイローズが純潔純潔と喧しいのは、確かに交合があった証として回収する敷布に、純潔の徴が有った方が見栄えがいいからとか、そんな程度の理由に過ぎない。
大昔の事例のように、婚儀に先立って孕んでしまい、大きな腹を抱えて〈聖婚〉の儀式に望むのは、いろいろ支障が出てくるのかもしれないが、その時でさえ、〈聖婚〉が取りやめになってはいない。
自分で口にしてみて、恭親王は気が付いた。ギュスターブがどうして恭親王とアデライードの間に、すでに身体の関係があると信じ込んでいるのか。
(自分がそうだったからと言って、人もそうだと決めつけているわけだ、この下種は)
恭親王はユリウスから聞いた、ユウラ女王の結婚の経緯を思い出し、腹の底から侮蔑感が沸き上がってきた。ギュスターブが純潔純潔やかましいのは、ギュスターブとユウラ女王の場合には、ユウラ女王はすでに未亡人で、経産婦でさえあったから、自分は純潔を奪っていないと言いたいのだろう。
(同意もなく、未亡人を犯す方が、よっぽど下種いわ!)
恭親王は思わずギュスターブを汚い物でも見るような眼で見てしまう。その場にいた〈王気〉の視える聖職者たちは、恭親王の周囲に赤味を帯びた金色の龍が陽炎の如く立ち上り、焔のように揺らめくさまがはっきりと視えた。
彼とて一線を越えたいのはやまやまなのに、メイローズだの、ユリウスだの、時間だの海だのに邪魔されて、アデライードを手に入れることができていない。彼女は天と陰陽が認めた彼の番だというのに!
毎日毎日、このやるせない思いをどうにか誤魔化して生きているのに、〈狂王〉だの〈処女殺し〉だの、根も葉もない噂のおかげで、この目の前の下種な男に言いたい放題言われているのである。こんなことならメイローズなどうっちゃって、とっとと船に乗せて総督府に連れ込み、日ごと夜ごとあの魅惑的な肌を貪っておけばよかった!
(こんなに我慢を強いられているというのに、この言われよう。血を吐くような努力が馬鹿みたいではないか)
恭親王は横目でちらりとアデライードを見るが、彼女はこの下種なやり取りを馬耳東風と聞き流している。もし、内容が理解できれば、到底、恥ずかしさと屈辱とで、平静ではいられまいに。つまり、アデライードは真実、男女のことを知らないのだ。アデライードのこの様子から、彼女が正真正銘の生娘で、恭親王との間にはまだ何もないと、すぐにわかるだろうに!
そう考えると、恭親王はこの場の茶番がひどく滑稽なものに見えてきて、身体の奥底から笑いが込み上げてくるのを、抑えきれなくなった。身体を揺すって声もなく笑っていると、その様子に気づいたギュスターブがいぶかし気な眼で彼を見つめる。
「どうなさったのです、総督閣下」
驚いてギュスターブが尋ね、ルキニウスらも恭親王に注目する。
「いや、失敬。その、ずいぶん下世話な話で揉めていると思うと可笑しくって、つい、ね。……いや、単純に聞きたいのだが……ええと、ギュスターブ殿? 仮に、仮にだが、アデライード姫と私に身体の関係があったとして、何か問題が? これは宗教的な問題でもあるから、そちらの〈禁苑三宮〉の長の方々にもお聞きしよう。……その、いわゆる婚前交渉があったとすると、〈聖婚〉に差支えがあるのか?……『聖典』には、我が祖太陽の龍騎士と姫君の祖である月の精靈の〈聖婚〉は、あの夜、〈時の泉〉で初めて出会い、瞬く間に恋に落ちて契りを交わし、それを嘉した天が〈聖剣〉を遣わした、とあったと思うのだが……? また、記録によれば、だいぶ以前の〈聖婚〉では、陰陽宮での〈初契りの儀〉の前に、姫が孕んでしまった事例があったはずだが」
恭親王はあくまで悪戯っぽい笑顔のまま、中央に座る〈禁苑三宮〉の長と、ユリウス、そしてギュスターブを眺めまわす。
世俗の貴族の婚姻では、婚姻前の、特に花嫁の純潔はそれなりに重視される。とりわけ、西の女王国ではその傾向が強い。だがそれは宗教的なものではなく、貴族の血族――つまり、花嫁の腹の子供の父親を確定するため――を護るための、社会的な慣習だ。
もちろん、〈禁苑〉は婚前交渉を推奨はしていないが、教義として禁じてはいない。そもそもが、東の帝国では西ほど処女性は重んじられず、離婚も、再婚も普通にある。ただ腹の子の父を確定するために、再婚までには半年以上、間をあけなければならない決まりがあるはずだ。
〈禁苑〉の教義上、婚前交渉が決定的なタブーではない以上、〈聖婚〉の場合でもそれが適用されることの言質さえ取っておけばよい。恭親王とアデライードの間に、身体の関係があるか否か追求したところで、ただただ滑稽なだけである。
恭親王の問いかけに、〈聖婚〉を司る陰陽宮の管長ゼノンが口を開いた。ごま塩の長髪を後ろに垂らした小柄な老宦官である。
「……仰せの通り、〈聖婚〉におきましては、〈鏡の誓い〉の儀に先立っていても、双方の合意の上でありますならば、お互い愛を交わしても、特段の問題にはなりませぬ。龍騎士と月の精靈の場合は些か特殊ではございますが、ご指摘の通り、正式な婚儀の前にお二人がお気持ちを留められず、内々に契りを交わした例が幾度か、報告されております。……もちろん、推奨している訳ではございませんので、誤解なきように」
ギュスターブは目を見開き、〈禁苑三宮〉の長たちに詰め寄る。
「なんと!花嫁の純潔は問題にせぬとおっしゃるか!いつから〈禁苑〉はそのような淫猥な教義に堕したのか、それでは世の夫婦は……」
「貴公は聞いていなかったのか、〈聖婚〉においては、だ」
なおも言い募ろうとするギュスターブにおっかぶせるようにして、恭親王はぴしゃりと言い放つ。
「世の凡百の夫婦のことなど、この際、どうでもいい。龍騎士の血統を受け継ぐ私と、月の精靈の血統を受け継ぐアデライード姫との、聖なる婚姻においての話だ。私と姫君の間に淫らな関係があろうがなかろうが、〈聖婚〉の資格を失うことにはならない。つまり〈聖婚〉に対する異議としては意味をなさないってことだ。それを、ありもしない関係をあるといって騒ぎたてるのは、全くバカバカしいと思わないかね?……正式な婚儀の前に関係があったといえば、貴公の結婚もそう聞いているが。もっとも、貴公の場合は合意の上ですらなかったと、もっぱらの噂だが」
繰り返すが、〈禁苑〉にとってみれば、東の皇子と西の王女が結婚しさえすればそれでいいのだ。そして、冬至の夜に陰陽宮の奥地、〈陰陽の鏡〉の前で二人が誓いあい、かつそこで交合が行われることが重要であるらしい。メイローズが純潔純潔と喧しいのは、確かに交合があった証として回収する敷布に、純潔の徴が有った方が見栄えがいいからとか、そんな程度の理由に過ぎない。
大昔の事例のように、婚儀に先立って孕んでしまい、大きな腹を抱えて〈聖婚〉の儀式に望むのは、いろいろ支障が出てくるのかもしれないが、その時でさえ、〈聖婚〉が取りやめになってはいない。
自分で口にしてみて、恭親王は気が付いた。ギュスターブがどうして恭親王とアデライードの間に、すでに身体の関係があると信じ込んでいるのか。
(自分がそうだったからと言って、人もそうだと決めつけているわけだ、この下種は)
恭親王はユリウスから聞いた、ユウラ女王の結婚の経緯を思い出し、腹の底から侮蔑感が沸き上がってきた。ギュスターブが純潔純潔やかましいのは、ギュスターブとユウラ女王の場合には、ユウラ女王はすでに未亡人で、経産婦でさえあったから、自分は純潔を奪っていないと言いたいのだろう。
(同意もなく、未亡人を犯す方が、よっぽど下種いわ!)
恭親王は思わずギュスターブを汚い物でも見るような眼で見てしまう。その場にいた〈王気〉の視える聖職者たちは、恭親王の周囲に赤味を帯びた金色の龍が陽炎の如く立ち上り、焔のように揺らめくさまがはっきりと視えた。
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