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3、うたかたの恋
テレイオス
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寝台の人物の容姿は、記憶の中にある母そのものであった。ただ、髪の色だけが、違う。ほんのりと淡い〈王気〉もまた、記憶にある母と同じ――。
衝撃で、アルベラはその場に崩れ落ちそうになる。
妹――? つまり、姉ということなのか?
明らかに母の血を享け、〈王気〉を持つアルベラの姉――?
頭がガンガンと鳴って、まともに考えることもできない。
「どう、……して……」
もし姉がいるというのなら。〈王気〉のある、母の娘がもう一人いるのであれば――。
自分はさらに、いったい何なのか。
アルベラは、茫然としてにこやかに会話する父と寝台の人物を見つめる。
「アルベラ、もっとこっちへ来い。それでは、テレイオスに顔が見えぬ。……テレイオスは全盲ではないが、目がよくないのだ」
はっとして、アルベラは震える脚を叱咤しながら寝台に近づく。
「ずっと、会わせてやれず、悪かった。――これが、そなたの妹のアルベラだ」
「ふふふ、吃驚してる? ごめんね、突然。――僕が、君の兄のテレイオスだよ」
「――あ、兄?」
アルベラが目を剥いた。
「で、……でもお母様に……」
女王家の血を引くとすれば、兄であるはずがないと思っていた。アルベラはテレイオスを凝視する。
痩せた首筋から肩のあたりはほっそりとしているが、だが、たしかに喉ぼとけがあった。
「ああ、僕はね、ちょっと特別なんだ。……だから、表沙汰にできない」
「それもあと少しのことだ。アルベラが女王になった暁には、そなたのことを公にできる」
テレイオスに向けるウルバヌスの表情は、これまでアルベラが見たこともないほど、穏やかで慈愛に満ちていた。何かが、アルベラの中でガラガラと音を立てて崩れていく。
「特……別……」
思わず呟いたアルベラに、テレイオスが母そっくりの表情で微笑みかける。
「ああ、お前は何も知らないんだね。――僕は厳密に言うと、兄でも姉でもない。いや、兄でもあり、姉でもあるかな? 両性具有って知ってる? 生まれつきそうなんだ」
「……半陰陽のこと? シリルのように」
アルベラが王城に残してきた小姓のことを思い出して尋ねると、テレイオスは柔らかい笑みを浮かべ、首を振る。
「その、シリルという子は知らないが、僕はね、両方あるんだよ」
「両……方……?」
アルベラは意味がわからなくて困惑する。
ずっと幼いころ、アルベラはシリルと二人、王城の庭の噴水に落ちたことがある。その時、アルベラはシリルの身体を見たことがある。シリルには、何もなかった――。
「女王家には女しか生まれない。ただ、〈聖婚〉の夫婦のみ、男女どちらをも生むことができる。――くだらぬ〈禁苑〉の思い込みで、テレイオスの存在は公にすることができなんだのだ!」
悔しそうに、ウルバヌスは言った。
「執政長官たるイフリート公爵と、女王の正しき子でありながら、月神殿の――〈禁苑〉の者どもは、テレイオスを魔性の子だと言い張りおったわ! 仕方なく、アライアには死産であったと伝え、密かに泉神殿に匿って育てた。長くは生きられぬと言う話であったが、こうして二十の歳も超えた。生きていることを、アライアに知らせることができなんだのが、今でも心残りでならぬ」
初めての子を流産したアライア女王は、しかし二人目の子も死産であったと伝えられ悲しみに沈んでいた。実は、生まれた子テレイオスは両性具有で、さらに銀色の〈王気〉を持っていた。まさしく完全の名に相応しく――。
だが両性具有は〈禁苑〉の教えにはそぐわない。出産に立ち会った神官たちはいずれも、テレイオスを正統の女王の子として認めるのを拒んだ。結局、ウルバヌスが独自の判断で表向き死産と届け出、密かに泉神殿の奥で育ててきたのだ。
テレイオスを生んだ三年後、アライア女王はようやく、王女アルベラを得る。たとえ〈王気〉を持たずとも、アライア女王にとっては念願の、唯一の子。ウルバヌスやイフリート家にとっても、初めての、女王との間に儲けた子であった。
「昔――三百年前、初めて我らイフリート家の祖である辺境の騎士は女王に出会い、生涯の番として全てを捨てる覚悟をした。辺境の騎士は故郷を捨て、ただ女王の番として側にいることを望んだ。だが、女王の周囲はそれをも許さず、女王と正式に結婚はできず、ただの騎士としてその傍に仕えた」
大きく開いた窓の近くに立ち、ウルバヌスは外の風景を見ながら語り始める。
「女王と騎士は真に番であった。イフリート家と女王家の間では互いに真実に番でなければ、子を生すことができぬ。生まれた子が完全であったのが、その紛れも無い証。だが、〈禁苑〉は不義の子として、完全を殺した。女王もまた、我が子を殺された怒りと哀しみのままに、儚くなった――」
誰に語るともなく、語り続ける父の話を、アルベラは茫然として聞いてる。テレイオスの方は聞きなれているのか、ただ穏やかな表情で父を妹を交互に見るだけだ。
「番たる女王を失った時、我がイフリートの祖は決意したのだ。――いつか、我らイフリート家の者は愚かしき〈禁苑〉の教えを覆し、正しき教えを取り戻すのだと」
「正しき――教え?」
「そうだ。陰と陽は互いに分かたれ、調和を保ってあるのではない。混じり合い、溶けあい、渾然一体としてあらねばならぬ。すべては〈混沌〉の世のように――」
アルベラはひっと声にならない悲鳴を漏らす。
父の、野望はあまりに恐ろしくて、アルベラはカタカタと震えはじめる。
「長く、我らは女王の傍らで、雌伏の時を過ごした。そしてついに、わしとアライアの間に子が生まれたのだ。――三百年ぶりに、我らイフリート家は女王家の番を得た。その証がテレイオスに他ならぬ」
ウルバヌスは愛おし気に紫紺の瞳を細め、踵を返してテレイオスの座る寝台の側に寄り、大きな手を伸ばしてテレイオスの頬を撫でた。
「アライアに、よう似ておる。……わしが、ただ一人愛した真正の番。女王の中の女王であった」
「父上、妹の前で恥ずかしいです――」
テレイオスがはにかんだように微笑み、アルベラを見る。
「アルベラが驚いていますよ?」
ウルバヌスは初めてアルベラの視線に気づいたようにちらりとアルベラを見た。が、その直後に。少し笑ったテレイオスが、苦しそうに咳き込み始める。
「ごほっ、ごほっ、……父上、申し、わけ……」
「よい、今日は気分が良いと聞いていたが、無理をさせたようだ。我らはもう、帰る」
傍らの老婆が水差しからゴブレットに注いでテレイオスに差し出し、テレイオスは少しだけ口をつける。
「すまなかったね、アルベラ。せっかくだったのに。――また、来てくれるかな?」
少し嗄れた声で言うテレイオスに、アルベラはおずおずと頷く。
「その……許可が出ましたのなら」
「ゆくぞ、アルベラ。テレイオスにこれ以上、無理をさせてはならぬ」
ウルバヌスに急かされて、アルベラはテレイオスの部屋を後にする。最後にちょっとだけ振り向くと、テレイオスは微かに微笑んだ。周囲を囲む銀色の〈王気〉が、優しく揺らめいた。
衝撃で、アルベラはその場に崩れ落ちそうになる。
妹――? つまり、姉ということなのか?
明らかに母の血を享け、〈王気〉を持つアルベラの姉――?
頭がガンガンと鳴って、まともに考えることもできない。
「どう、……して……」
もし姉がいるというのなら。〈王気〉のある、母の娘がもう一人いるのであれば――。
自分はさらに、いったい何なのか。
アルベラは、茫然としてにこやかに会話する父と寝台の人物を見つめる。
「アルベラ、もっとこっちへ来い。それでは、テレイオスに顔が見えぬ。……テレイオスは全盲ではないが、目がよくないのだ」
はっとして、アルベラは震える脚を叱咤しながら寝台に近づく。
「ずっと、会わせてやれず、悪かった。――これが、そなたの妹のアルベラだ」
「ふふふ、吃驚してる? ごめんね、突然。――僕が、君の兄のテレイオスだよ」
「――あ、兄?」
アルベラが目を剥いた。
「で、……でもお母様に……」
女王家の血を引くとすれば、兄であるはずがないと思っていた。アルベラはテレイオスを凝視する。
痩せた首筋から肩のあたりはほっそりとしているが、だが、たしかに喉ぼとけがあった。
「ああ、僕はね、ちょっと特別なんだ。……だから、表沙汰にできない」
「それもあと少しのことだ。アルベラが女王になった暁には、そなたのことを公にできる」
テレイオスに向けるウルバヌスの表情は、これまでアルベラが見たこともないほど、穏やかで慈愛に満ちていた。何かが、アルベラの中でガラガラと音を立てて崩れていく。
「特……別……」
思わず呟いたアルベラに、テレイオスが母そっくりの表情で微笑みかける。
「ああ、お前は何も知らないんだね。――僕は厳密に言うと、兄でも姉でもない。いや、兄でもあり、姉でもあるかな? 両性具有って知ってる? 生まれつきそうなんだ」
「……半陰陽のこと? シリルのように」
アルベラが王城に残してきた小姓のことを思い出して尋ねると、テレイオスは柔らかい笑みを浮かべ、首を振る。
「その、シリルという子は知らないが、僕はね、両方あるんだよ」
「両……方……?」
アルベラは意味がわからなくて困惑する。
ずっと幼いころ、アルベラはシリルと二人、王城の庭の噴水に落ちたことがある。その時、アルベラはシリルの身体を見たことがある。シリルには、何もなかった――。
「女王家には女しか生まれない。ただ、〈聖婚〉の夫婦のみ、男女どちらをも生むことができる。――くだらぬ〈禁苑〉の思い込みで、テレイオスの存在は公にすることができなんだのだ!」
悔しそうに、ウルバヌスは言った。
「執政長官たるイフリート公爵と、女王の正しき子でありながら、月神殿の――〈禁苑〉の者どもは、テレイオスを魔性の子だと言い張りおったわ! 仕方なく、アライアには死産であったと伝え、密かに泉神殿に匿って育てた。長くは生きられぬと言う話であったが、こうして二十の歳も超えた。生きていることを、アライアに知らせることができなんだのが、今でも心残りでならぬ」
初めての子を流産したアライア女王は、しかし二人目の子も死産であったと伝えられ悲しみに沈んでいた。実は、生まれた子テレイオスは両性具有で、さらに銀色の〈王気〉を持っていた。まさしく完全の名に相応しく――。
だが両性具有は〈禁苑〉の教えにはそぐわない。出産に立ち会った神官たちはいずれも、テレイオスを正統の女王の子として認めるのを拒んだ。結局、ウルバヌスが独自の判断で表向き死産と届け出、密かに泉神殿の奥で育ててきたのだ。
テレイオスを生んだ三年後、アライア女王はようやく、王女アルベラを得る。たとえ〈王気〉を持たずとも、アライア女王にとっては念願の、唯一の子。ウルバヌスやイフリート家にとっても、初めての、女王との間に儲けた子であった。
「昔――三百年前、初めて我らイフリート家の祖である辺境の騎士は女王に出会い、生涯の番として全てを捨てる覚悟をした。辺境の騎士は故郷を捨て、ただ女王の番として側にいることを望んだ。だが、女王の周囲はそれをも許さず、女王と正式に結婚はできず、ただの騎士としてその傍に仕えた」
大きく開いた窓の近くに立ち、ウルバヌスは外の風景を見ながら語り始める。
「女王と騎士は真に番であった。イフリート家と女王家の間では互いに真実に番でなければ、子を生すことができぬ。生まれた子が完全であったのが、その紛れも無い証。だが、〈禁苑〉は不義の子として、完全を殺した。女王もまた、我が子を殺された怒りと哀しみのままに、儚くなった――」
誰に語るともなく、語り続ける父の話を、アルベラは茫然として聞いてる。テレイオスの方は聞きなれているのか、ただ穏やかな表情で父を妹を交互に見るだけだ。
「番たる女王を失った時、我がイフリートの祖は決意したのだ。――いつか、我らイフリート家の者は愚かしき〈禁苑〉の教えを覆し、正しき教えを取り戻すのだと」
「正しき――教え?」
「そうだ。陰と陽は互いに分かたれ、調和を保ってあるのではない。混じり合い、溶けあい、渾然一体としてあらねばならぬ。すべては〈混沌〉の世のように――」
アルベラはひっと声にならない悲鳴を漏らす。
父の、野望はあまりに恐ろしくて、アルベラはカタカタと震えはじめる。
「長く、我らは女王の傍らで、雌伏の時を過ごした。そしてついに、わしとアライアの間に子が生まれたのだ。――三百年ぶりに、我らイフリート家は女王家の番を得た。その証がテレイオスに他ならぬ」
ウルバヌスは愛おし気に紫紺の瞳を細め、踵を返してテレイオスの座る寝台の側に寄り、大きな手を伸ばしてテレイオスの頬を撫でた。
「アライアに、よう似ておる。……わしが、ただ一人愛した真正の番。女王の中の女王であった」
「父上、妹の前で恥ずかしいです――」
テレイオスがはにかんだように微笑み、アルベラを見る。
「アルベラが驚いていますよ?」
ウルバヌスは初めてアルベラの視線に気づいたようにちらりとアルベラを見た。が、その直後に。少し笑ったテレイオスが、苦しそうに咳き込み始める。
「ごほっ、ごほっ、……父上、申し、わけ……」
「よい、今日は気分が良いと聞いていたが、無理をさせたようだ。我らはもう、帰る」
傍らの老婆が水差しからゴブレットに注いでテレイオスに差し出し、テレイオスは少しだけ口をつける。
「すまなかったね、アルベラ。せっかくだったのに。――また、来てくれるかな?」
少し嗄れた声で言うテレイオスに、アルベラはおずおずと頷く。
「その……許可が出ましたのなら」
「ゆくぞ、アルベラ。テレイオスにこれ以上、無理をさせてはならぬ」
ウルバヌスに急かされて、アルベラはテレイオスの部屋を後にする。最後にちょっとだけ振り向くと、テレイオスは微かに微笑んだ。周囲を囲む銀色の〈王気〉が、優しく揺らめいた。
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