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何度目かの初夜
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「今日はいい結婚式だった」
わたしを軽々と横抱きにしてベッドに運んで、殿下が改めて言う。
「だが、まだ一番大事な本番が残ってる。初夜を完遂してこその結婚式だ」
「……何度目ですか?」
プロポーズ記念だの、入籍記念だの、初夜っぽいのも、もう、何度目か。そのたびにいちいち面倒くさいという気分しかない。
「この前……王宮舞踏会の後も初夜だとかなんか言ってらしたし、もう、いいじゃありませんか。これからはずっと一緒なんですから」
「いいわけないだろう、神聖な結婚式を何だと思っている」
「……神聖って……バージンロードを歩くのも恥ずかしかったのに……ね、もう疲れちゃったし。今日は勘弁してください。……じゃ、おやすみなさい」
わたしが面倒くさそうに顔の前で手を振り、いそいそと上掛けを被って寝ようとすると、殿下が無理矢理、上掛けを引っぺがす。
「エルシー! 初夜を拒否だなんて、そんな非道が許されると思っているのか! 家に帰るまでが遠足だぞ!」
「遠足? 何の話です。……でも、本当に眠くて……今日はいいお天気だったから、日焼けしたのかも。それにお酒もけっこう飲んでしまって……」
「言い訳など聞きたくない。今夜こそ、俺の十二年分の重い気持ちを思い知らせてやる! 眠れると思ったら大間違いだからな!」
殿下はそう宣言すると、まるで自分の決意を表明するかのように、勢いよくバスローブの帯を解き、まるでリングに上がったボクサーのように――見たことはないけど――、潔く脱ぎ捨てた。
「……準備よすぎ……」
脚の間のモノが完全に臨戦態勢なのを見て、わたしはため息をついてしまう。だが、彼はわたしの上に圧し掛かり、わたしの寝間着のリボンを解いた。――一応、初夜だから、ハンナが気をきかせて、脱がせやすくてフワフワしたものを準備していた。するりと前がはだけられ、殿下の大きな手が、露わになった胸を覆う。
「……少し、大きくなった? 頑張って揉んだ甲斐があったな。俺のおかげだ」
「ええ? 揉むと大きくなるんですか? たぶん、太っただけですよ」
身を捩るわたしをしたり顔で強引に押さえつけ、殿下はわたしの胸に顔を埋め、唇を這わせ、先端を口に含んだ。
「んんっ……」
ほとんど毎晩のように吸われて、すっかり敏感になってしまったその場所は、触れられるだけで痺れるような甘い疼きが走る。丁寧に――というよりは執拗に――吸われ、舌で圧し潰すように転がされ、甘噛みされて、わたしの息は瞬く間に荒くなる。体をよじって快感に耐えている、鎖骨のあたりに殿下の前髪が落ちかかって、掠めるように触れる、その刺激がひどくくすぐったい。
「ふっ……んっ……んっ……」
「……エルシー……可愛い……好きだ、昔から、ずっと……」
「んんっ……あっ……」
殿下が長い指で木苺のように色づき、硬くなった尖りと摘まんで弄び、しみじみと言う。
「……昔は本当に真っ平で、真っ白で……乳首なんて目を凝らさないとわからないくらいだった……」
そんな幼い頃に、いつの間にしみじみ見たのよ! ちょっとドン引きなんだけど。
「そう言えば……さっき急に思い出したの……」
「ん?」
殿下が少し身を起こし、それでも手はいぜんとして乳房を揉み込みながら、わたしの顔を見下ろす。
「図書室で、絵本を読んでもらったこと……」
「ああ……いろいろ、読まされたな」
殿下が整った顔をくしゃっと歪ませて笑った。
「……なんだったかしら、変な名前の、カタイのお姫様……氷のように冷たい――」
「トゥーランドット!」
「そう、それ!」
わたしが言えば、殿下がニヤリと笑う。
「あの絵本、挿絵は綺麗だけど、実は大人向きの話がいっぱい載ってて、咄嗟に大人向き描写を省いてそれっぽく読むのに苦労したんだ」
「ええ?! そうなの?」
「トゥーランドット姫の話はヤバい部分はあまりなかったけど――」
殿下はわたしの胸の頂点をクリクリと弄びながら、煽るように笑った。
「挿絵でも男女が一緒に寝てる絵があっただろう? お前はあまり気にしてなかったけど。――ああ、なんで裸で寝てるのって聞かれて、東洋は暑いからみんな裸で寝るんだ、って適当なこと言ったら、あっさり納得してた」
「……騙したのね……! って、ああっ、それっ……」
「セックスのことなんて、説明できるわけないだろう、十九まで処女だったくせに」
殿下はもう一度わたしの乳首を口に含んで強く吸い上げ、同時に胸を揉んでいた手を腹にから臍へと辿って太ももを撫で、昨日のうちに綺麗に剃ってしまった秘所に指を這わせる。
「もう、濡れてきた……すっかり敏感になって……」
「んんっ……やっ……そんな……」
殿下が長い指で秘裂を割り、花びらの内側をそっと撫で、溢れてきた蜜をまぶすように、敏感な尖りに触れる。
「はうっ……待っ……」
指が花びらを辿り、蜜口の入口を叩くようにして、ピチャピチャという恥ずかしい音を立てる。
「聞こえるか? すごいな、大洪水……」
「だから、そういう実況はいらな……あああっ」
ずぼっと指を一本挿しいれられて、わたしの腰は無意識に揺れてしまう。後はもう、わざと音を響かせるようにずぼずぼと抜き差しされ、内部を掻き回されれば、ただ、首を振って快感に耐えるしかない。
「ほら、ここ……! ここが好きだろう?」
「はあっ……やあっ……ああっ……ダメぇ……」
二本に増やされた指が内部の敏感な場所を引っ掻くように動き、絶頂がすぐそばまで来ていた。こんなに簡単にイくなんて……とわたしが悔しさに唇を噛んだ時、しかし、予想に反して殿下はスッと指を抜いて、じっと上からわたしを見下ろしてきた。
わたしを軽々と横抱きにしてベッドに運んで、殿下が改めて言う。
「だが、まだ一番大事な本番が残ってる。初夜を完遂してこその結婚式だ」
「……何度目ですか?」
プロポーズ記念だの、入籍記念だの、初夜っぽいのも、もう、何度目か。そのたびにいちいち面倒くさいという気分しかない。
「この前……王宮舞踏会の後も初夜だとかなんか言ってらしたし、もう、いいじゃありませんか。これからはずっと一緒なんですから」
「いいわけないだろう、神聖な結婚式を何だと思っている」
「……神聖って……バージンロードを歩くのも恥ずかしかったのに……ね、もう疲れちゃったし。今日は勘弁してください。……じゃ、おやすみなさい」
わたしが面倒くさそうに顔の前で手を振り、いそいそと上掛けを被って寝ようとすると、殿下が無理矢理、上掛けを引っぺがす。
「エルシー! 初夜を拒否だなんて、そんな非道が許されると思っているのか! 家に帰るまでが遠足だぞ!」
「遠足? 何の話です。……でも、本当に眠くて……今日はいいお天気だったから、日焼けしたのかも。それにお酒もけっこう飲んでしまって……」
「言い訳など聞きたくない。今夜こそ、俺の十二年分の重い気持ちを思い知らせてやる! 眠れると思ったら大間違いだからな!」
殿下はそう宣言すると、まるで自分の決意を表明するかのように、勢いよくバスローブの帯を解き、まるでリングに上がったボクサーのように――見たことはないけど――、潔く脱ぎ捨てた。
「……準備よすぎ……」
脚の間のモノが完全に臨戦態勢なのを見て、わたしはため息をついてしまう。だが、彼はわたしの上に圧し掛かり、わたしの寝間着のリボンを解いた。――一応、初夜だから、ハンナが気をきかせて、脱がせやすくてフワフワしたものを準備していた。するりと前がはだけられ、殿下の大きな手が、露わになった胸を覆う。
「……少し、大きくなった? 頑張って揉んだ甲斐があったな。俺のおかげだ」
「ええ? 揉むと大きくなるんですか? たぶん、太っただけですよ」
身を捩るわたしをしたり顔で強引に押さえつけ、殿下はわたしの胸に顔を埋め、唇を這わせ、先端を口に含んだ。
「んんっ……」
ほとんど毎晩のように吸われて、すっかり敏感になってしまったその場所は、触れられるだけで痺れるような甘い疼きが走る。丁寧に――というよりは執拗に――吸われ、舌で圧し潰すように転がされ、甘噛みされて、わたしの息は瞬く間に荒くなる。体をよじって快感に耐えている、鎖骨のあたりに殿下の前髪が落ちかかって、掠めるように触れる、その刺激がひどくくすぐったい。
「ふっ……んっ……んっ……」
「……エルシー……可愛い……好きだ、昔から、ずっと……」
「んんっ……あっ……」
殿下が長い指で木苺のように色づき、硬くなった尖りと摘まんで弄び、しみじみと言う。
「……昔は本当に真っ平で、真っ白で……乳首なんて目を凝らさないとわからないくらいだった……」
そんな幼い頃に、いつの間にしみじみ見たのよ! ちょっとドン引きなんだけど。
「そう言えば……さっき急に思い出したの……」
「ん?」
殿下が少し身を起こし、それでも手はいぜんとして乳房を揉み込みながら、わたしの顔を見下ろす。
「図書室で、絵本を読んでもらったこと……」
「ああ……いろいろ、読まされたな」
殿下が整った顔をくしゃっと歪ませて笑った。
「……なんだったかしら、変な名前の、カタイのお姫様……氷のように冷たい――」
「トゥーランドット!」
「そう、それ!」
わたしが言えば、殿下がニヤリと笑う。
「あの絵本、挿絵は綺麗だけど、実は大人向きの話がいっぱい載ってて、咄嗟に大人向き描写を省いてそれっぽく読むのに苦労したんだ」
「ええ?! そうなの?」
「トゥーランドット姫の話はヤバい部分はあまりなかったけど――」
殿下はわたしの胸の頂点をクリクリと弄びながら、煽るように笑った。
「挿絵でも男女が一緒に寝てる絵があっただろう? お前はあまり気にしてなかったけど。――ああ、なんで裸で寝てるのって聞かれて、東洋は暑いからみんな裸で寝るんだ、って適当なこと言ったら、あっさり納得してた」
「……騙したのね……! って、ああっ、それっ……」
「セックスのことなんて、説明できるわけないだろう、十九まで処女だったくせに」
殿下はもう一度わたしの乳首を口に含んで強く吸い上げ、同時に胸を揉んでいた手を腹にから臍へと辿って太ももを撫で、昨日のうちに綺麗に剃ってしまった秘所に指を這わせる。
「もう、濡れてきた……すっかり敏感になって……」
「んんっ……やっ……そんな……」
殿下が長い指で秘裂を割り、花びらの内側をそっと撫で、溢れてきた蜜をまぶすように、敏感な尖りに触れる。
「はうっ……待っ……」
指が花びらを辿り、蜜口の入口を叩くようにして、ピチャピチャという恥ずかしい音を立てる。
「聞こえるか? すごいな、大洪水……」
「だから、そういう実況はいらな……あああっ」
ずぼっと指を一本挿しいれられて、わたしの腰は無意識に揺れてしまう。後はもう、わざと音を響かせるようにずぼずぼと抜き差しされ、内部を掻き回されれば、ただ、首を振って快感に耐えるしかない。
「ほら、ここ……! ここが好きだろう?」
「はあっ……やあっ……ああっ……ダメぇ……」
二本に増やされた指が内部の敏感な場所を引っ掻くように動き、絶頂がすぐそばまで来ていた。こんなに簡単にイくなんて……とわたしが悔しさに唇を噛んだ時、しかし、予想に反して殿下はスッと指を抜いて、じっと上からわたしを見下ろしてきた。
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