188 / 190
Nessun dorma!
何度目かの初夜
しおりを挟む
「今日はいい結婚式だった」
わたしを軽々と横抱きにしてベッドに運んで、殿下が改めて言う。
「だが、まだ一番大事な本番が残ってる。初夜を完遂してこその結婚式だ」
「……何度目ですか?」
プロポーズ記念だの、入籍記念だの、初夜っぽいのも、もう、何度目か。そのたびにいちいち面倒くさいという気分しかない。
「この前……王宮舞踏会の後も初夜だとかなんか言ってらしたし、もう、いいじゃありませんか。これからはずっと一緒なんですから」
「いいわけないだろう、神聖な結婚式を何だと思っている」
「……神聖って……バージンロードを歩くのも恥ずかしかったのに……ね、もう疲れちゃったし。今日は勘弁してください。……じゃ、おやすみなさい」
わたしが面倒くさそうに顔の前で手を振り、いそいそと上掛けを被って寝ようとすると、殿下が無理矢理、上掛けを引っぺがす。
「エルシー! 初夜を拒否だなんて、そんな非道が許されると思っているのか! 家に帰るまでが遠足だぞ!」
「遠足? 何の話です。……でも、本当に眠くて……今日はいいお天気だったから、日焼けしたのかも。それにお酒もけっこう飲んでしまって……」
「言い訳など聞きたくない。今夜こそ、俺の十二年分の重い気持ちを思い知らせてやる! 眠れると思ったら大間違いだからな!」
殿下はそう宣言すると、まるで自分の決意を表明するかのように、勢いよくバスローブの帯を解き、まるでリングに上がったボクサーのように――見たことはないけど――、潔く脱ぎ捨てた。
「……準備よすぎ……」
脚の間のモノが完全に臨戦態勢なのを見て、わたしはため息をついてしまう。だが、彼はわたしの上に圧し掛かり、わたしの寝間着のリボンを解いた。――一応、初夜だから、ハンナが気をきかせて、脱がせやすくてフワフワしたものを準備していた。するりと前がはだけられ、殿下の大きな手が、露わになった胸を覆う。
「……少し、大きくなった? 頑張って揉んだ甲斐があったな。俺のおかげだ」
「ええ? 揉むと大きくなるんですか? たぶん、太っただけですよ」
身を捩るわたしをしたり顔で強引に押さえつけ、殿下はわたしの胸に顔を埋め、唇を這わせ、先端を口に含んだ。
「んんっ……」
ほとんど毎晩のように吸われて、すっかり敏感になってしまったその場所は、触れられるだけで痺れるような甘い疼きが走る。丁寧に――というよりは執拗に――吸われ、舌で圧し潰すように転がされ、甘噛みされて、わたしの息は瞬く間に荒くなる。体をよじって快感に耐えている、鎖骨のあたりに殿下の前髪が落ちかかって、掠めるように触れる、その刺激がひどくくすぐったい。
「ふっ……んっ……んっ……」
「……エルシー……可愛い……好きだ、昔から、ずっと……」
「んんっ……あっ……」
殿下が長い指で木苺のように色づき、硬くなった尖りと摘まんで弄び、しみじみと言う。
「……昔は本当に真っ平で、真っ白で……乳首なんて目を凝らさないとわからないくらいだった……」
そんな幼い頃に、いつの間にしみじみ見たのよ! ちょっとドン引きなんだけど。
「そう言えば……さっき急に思い出したの……」
「ん?」
殿下が少し身を起こし、それでも手はいぜんとして乳房を揉み込みながら、わたしの顔を見下ろす。
「図書室で、絵本を読んでもらったこと……」
「ああ……いろいろ、読まされたな」
殿下が整った顔をくしゃっと歪ませて笑った。
「……なんだったかしら、変な名前の、カタイのお姫様……氷のように冷たい――」
「トゥーランドット!」
「そう、それ!」
わたしが言えば、殿下がニヤリと笑う。
「あの絵本、挿絵は綺麗だけど、実は大人向きの話がいっぱい載ってて、咄嗟に大人向き描写を省いてそれっぽく読むのに苦労したんだ」
「ええ?! そうなの?」
「トゥーランドット姫の話はヤバい部分はあまりなかったけど――」
殿下はわたしの胸の頂点をクリクリと弄びながら、煽るように笑った。
「挿絵でも男女が一緒に寝てる絵があっただろう? お前はあまり気にしてなかったけど。――ああ、なんで裸で寝てるのって聞かれて、東洋は暑いからみんな裸で寝るんだ、って適当なこと言ったら、あっさり納得してた」
「……騙したのね……! って、ああっ、それっ……」
「セックスのことなんて、説明できるわけないだろう、十九まで処女だったくせに」
殿下はもう一度わたしの乳首を口に含んで強く吸い上げ、同時に胸を揉んでいた手を腹にから臍へと辿って太ももを撫で、昨日のうちに綺麗に剃ってしまった秘所に指を這わせる。
「もう、濡れてきた……すっかり敏感になって……」
「んんっ……やっ……そんな……」
殿下が長い指で秘裂を割り、花びらの内側をそっと撫で、溢れてきた蜜をまぶすように、敏感な尖りに触れる。
「はうっ……待っ……」
指が花びらを辿り、蜜口の入口を叩くようにして、ピチャピチャという恥ずかしい音を立てる。
「聞こえるか? すごいな、大洪水……」
「だから、そういう実況はいらな……あああっ」
ずぼっと指を一本挿しいれられて、わたしの腰は無意識に揺れてしまう。後はもう、わざと音を響かせるようにずぼずぼと抜き差しされ、内部を掻き回されれば、ただ、首を振って快感に耐えるしかない。
「ほら、ここ……! ここが好きだろう?」
「はあっ……やあっ……ああっ……ダメぇ……」
二本に増やされた指が内部の敏感な場所を引っ掻くように動き、絶頂がすぐそばまで来ていた。こんなに簡単にイくなんて……とわたしが悔しさに唇を噛んだ時、しかし、予想に反して殿下はスッと指を抜いて、じっと上からわたしを見下ろしてきた。
わたしを軽々と横抱きにしてベッドに運んで、殿下が改めて言う。
「だが、まだ一番大事な本番が残ってる。初夜を完遂してこその結婚式だ」
「……何度目ですか?」
プロポーズ記念だの、入籍記念だの、初夜っぽいのも、もう、何度目か。そのたびにいちいち面倒くさいという気分しかない。
「この前……王宮舞踏会の後も初夜だとかなんか言ってらしたし、もう、いいじゃありませんか。これからはずっと一緒なんですから」
「いいわけないだろう、神聖な結婚式を何だと思っている」
「……神聖って……バージンロードを歩くのも恥ずかしかったのに……ね、もう疲れちゃったし。今日は勘弁してください。……じゃ、おやすみなさい」
わたしが面倒くさそうに顔の前で手を振り、いそいそと上掛けを被って寝ようとすると、殿下が無理矢理、上掛けを引っぺがす。
「エルシー! 初夜を拒否だなんて、そんな非道が許されると思っているのか! 家に帰るまでが遠足だぞ!」
「遠足? 何の話です。……でも、本当に眠くて……今日はいいお天気だったから、日焼けしたのかも。それにお酒もけっこう飲んでしまって……」
「言い訳など聞きたくない。今夜こそ、俺の十二年分の重い気持ちを思い知らせてやる! 眠れると思ったら大間違いだからな!」
殿下はそう宣言すると、まるで自分の決意を表明するかのように、勢いよくバスローブの帯を解き、まるでリングに上がったボクサーのように――見たことはないけど――、潔く脱ぎ捨てた。
「……準備よすぎ……」
脚の間のモノが完全に臨戦態勢なのを見て、わたしはため息をついてしまう。だが、彼はわたしの上に圧し掛かり、わたしの寝間着のリボンを解いた。――一応、初夜だから、ハンナが気をきかせて、脱がせやすくてフワフワしたものを準備していた。するりと前がはだけられ、殿下の大きな手が、露わになった胸を覆う。
「……少し、大きくなった? 頑張って揉んだ甲斐があったな。俺のおかげだ」
「ええ? 揉むと大きくなるんですか? たぶん、太っただけですよ」
身を捩るわたしをしたり顔で強引に押さえつけ、殿下はわたしの胸に顔を埋め、唇を這わせ、先端を口に含んだ。
「んんっ……」
ほとんど毎晩のように吸われて、すっかり敏感になってしまったその場所は、触れられるだけで痺れるような甘い疼きが走る。丁寧に――というよりは執拗に――吸われ、舌で圧し潰すように転がされ、甘噛みされて、わたしの息は瞬く間に荒くなる。体をよじって快感に耐えている、鎖骨のあたりに殿下の前髪が落ちかかって、掠めるように触れる、その刺激がひどくくすぐったい。
「ふっ……んっ……んっ……」
「……エルシー……可愛い……好きだ、昔から、ずっと……」
「んんっ……あっ……」
殿下が長い指で木苺のように色づき、硬くなった尖りと摘まんで弄び、しみじみと言う。
「……昔は本当に真っ平で、真っ白で……乳首なんて目を凝らさないとわからないくらいだった……」
そんな幼い頃に、いつの間にしみじみ見たのよ! ちょっとドン引きなんだけど。
「そう言えば……さっき急に思い出したの……」
「ん?」
殿下が少し身を起こし、それでも手はいぜんとして乳房を揉み込みながら、わたしの顔を見下ろす。
「図書室で、絵本を読んでもらったこと……」
「ああ……いろいろ、読まされたな」
殿下が整った顔をくしゃっと歪ませて笑った。
「……なんだったかしら、変な名前の、カタイのお姫様……氷のように冷たい――」
「トゥーランドット!」
「そう、それ!」
わたしが言えば、殿下がニヤリと笑う。
「あの絵本、挿絵は綺麗だけど、実は大人向きの話がいっぱい載ってて、咄嗟に大人向き描写を省いてそれっぽく読むのに苦労したんだ」
「ええ?! そうなの?」
「トゥーランドット姫の話はヤバい部分はあまりなかったけど――」
殿下はわたしの胸の頂点をクリクリと弄びながら、煽るように笑った。
「挿絵でも男女が一緒に寝てる絵があっただろう? お前はあまり気にしてなかったけど。――ああ、なんで裸で寝てるのって聞かれて、東洋は暑いからみんな裸で寝るんだ、って適当なこと言ったら、あっさり納得してた」
「……騙したのね……! って、ああっ、それっ……」
「セックスのことなんて、説明できるわけないだろう、十九まで処女だったくせに」
殿下はもう一度わたしの乳首を口に含んで強く吸い上げ、同時に胸を揉んでいた手を腹にから臍へと辿って太ももを撫で、昨日のうちに綺麗に剃ってしまった秘所に指を這わせる。
「もう、濡れてきた……すっかり敏感になって……」
「んんっ……やっ……そんな……」
殿下が長い指で秘裂を割り、花びらの内側をそっと撫で、溢れてきた蜜をまぶすように、敏感な尖りに触れる。
「はうっ……待っ……」
指が花びらを辿り、蜜口の入口を叩くようにして、ピチャピチャという恥ずかしい音を立てる。
「聞こえるか? すごいな、大洪水……」
「だから、そういう実況はいらな……あああっ」
ずぼっと指を一本挿しいれられて、わたしの腰は無意識に揺れてしまう。後はもう、わざと音を響かせるようにずぼずぼと抜き差しされ、内部を掻き回されれば、ただ、首を振って快感に耐えるしかない。
「ほら、ここ……! ここが好きだろう?」
「はあっ……やあっ……ああっ……ダメぇ……」
二本に増やされた指が内部の敏感な場所を引っ掻くように動き、絶頂がすぐそばまで来ていた。こんなに簡単にイくなんて……とわたしが悔しさに唇を噛んだ時、しかし、予想に反して殿下はスッと指を抜いて、じっと上からわたしを見下ろしてきた。
15
お気に入りに追加
3,255
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる