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番外編

警視庁ジョン・ウォード警部の捜査日誌⑧

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!……王子の代理人か!」

 俺が身を乗り出せば、アーチャーがハンカチを握りしめて頷く。

「ええ、そうです! まさかそんな出世をするとは思いもかけませんでした。親子ともども恩知らずなやつらで……っとこれは……」

 アーチャーが慌てて口を覆う。

「何だ、それはまずいのか?」

 アーチャーは周囲を見回した。

「その……今回の、ビリー坊ちゃまの件とは関係のないことで、伯爵家の恥にもなることでございますから……」

 俺は少し考えて、記録を取っていた若い刑事に言って、席を外させた。

「ここは俺だけだし、記録も取らない。そのリジーって奴はアルバート王子の配下で、王都にいるんだろう? 伯爵家の名誉にかかわることなら、俺は他言はしない」
「ですが……」

 なおもアーチャーは逡巡していたが、俺が少しばかり脅しをかければ、諦めて語り始めた。

「リジー坊ちゃまはローズお嬢様の息子なんです。でも父親ははっきりしなくて……大奥様の様子から類推するに、どうやら、妻子ある男と関係して産んだ子供のようです」
「ほう……? その、ローズって言うのは……」
「大奥様の親族の、グリージャの貴族の娘です。両親を亡くし、あちらの親族が養育を拒否したので、大奥様が後見人としてお引き取りになられました。将来的には、マックス旦那様と結婚させる予定で――なのに、デビューのために王都に行って、そのまま戻りませんでした」

 予想外の話の成り行きに、俺が息を詰めて聞いていると、アーチャーが苦虫を噛みつぶしたような表情で言う。

「……今から、十二年ほど前になりますか。旦那様が突然、王都から連れて戻ってきたのが、リジー坊ちゃんです。リジー・オーランドだと名乗りましたが。環境が変わって身体を壊したから、カッスルで療養するとかそんな話でした。大奥様が、ローズの息子だけど、それは大ぴらにしてはならないと仰って。旦那様も人が良すぎると思いましたよ。大恩ある大奥様と旦那様を裏切り、他の男の子を産んでおきながら……」
「……リジー・オーランド……」

 俺はその名前を胸に刻みつけるように呟き、アーチャーに続きを促す。

「それで?」
「息子の方も、父親は何やら、身分ある貴族の男らしくて、身なりなどはいいのですが、何とも厚かましい奴で。当時、七歳かそこらだったお嬢様に目をつけて、もうベッタリ貼りついて! ヘタクソな絵なんか描いておりましたけどね! なんと、夜中にお嬢様のベッドに潜りこんでいたんですよ。まだ幼くて、純真無垢だったお嬢様の無知につけ込んで! このままでは大変なことになると思い、大奥様にタレこんで、お邸を追い出してやりましたよ! フン!」

 勝ち誇ったように言うアーチャーだが、俺は複雑な気分だった。十代の前半の男が、七歳の幼女のベッドにもぐりこむとは、確かにヤバイ。追い出して当然だ。……しかしだ。アーチャー! お前だって、同じ穴のムジナじゃないか!

 が、それはともかく、俺は心の中で情報を整理する。
 ヴィクトリアやジョンソンが言っていた通り、リジー・オーランドはウルスラ夫人の遠い親族・ローズ嬢の、おそらくは婚外子。十二年ほど前、ごく短期間ながら療養のためにリンドホルム城に滞在し、わずか七歳のエルスペス嬢に執着して、アーチャーに勘づかれ(さすが同類!)、ウルスラ夫人に告げ口されて、城を追い出された。

「……その男が、ウルスラ夫人の葬儀に、王子の代理人として戻ってきた」
「そうですよ! まったく、忌々しい! 昔はホラ、こんな風にそばかすも浮いて、ひょろひょろと情けない風情だったのが、すっかり背も伸びて逞しくなり、目を瞠るような美青年に成長して! ジェーン夫人やヴィクトリアなんか、コロッと騙されておりましたが、あいつの本命は間違いなく、エルスペスお嬢様でしたよ!」 
 
 以前のことがあるので、アーチャーはかなり厳しく、男を監視していたらしいが、向こうも以前、ウルスラ夫人にチクったのがアーチャーだと気づいているらしく、まるで見せつけるかのように、エルスペス嬢といちゃついていたらしい。

「……ちょっと待てよ。エルスペス嬢はアルバート殿下の愛人……じゃなくて恋人なんだよな? 王子の側近官といちゃついていいのか?」
「さあね! ローズお嬢様も王都に行って、別の男に走ったのですから、王都は今流行りの自由恋愛とやらで、小煩いことは言わないのではありませんかな! まあでも、あの男のおかげでダグラスも少々、痛い目を見ておりましたから、私からすればオイシイ展開でございましたね。ザマアミロってね!」

 俺はひとまず、リジーとやら言う男のことは、心の内に留めることにした。

 




 次に俺がエルスペス嬢に会ったのは、その翌日。
 寒々しい日だったけれど、俺はリンドホルム城の温室で、エルスペス嬢の午後のお茶の、ご相伴に与かる栄誉に浴した。

 実を言えば、貴族令嬢とお茶をご一緒したことなんてない。俺は内心、ひどく緊張していた。――何しろ、明らかに監視要員のような、若い従僕がびっちり貼りついていたから。
 もしかして、以前の滞在中にリジーやらいう側近官とエルスペス嬢が接近したのに気づいた王子は、今度は従僕を監視員として派遣してきたのだろうか? 城ごと買う気満々だったり、墓あばきを誘発して捕まえてみたりと、アルバート殿下の執着ぶりも、かなりヤバくないか?

 だが、お邸のお茶はさすがの味わいだった。警察の薄いお茶とは全然、違う。胡瓜とスモークサーモンのサンドイッチも、焼き立てのクランペットも美味い。

 そしてなんといっても、身近で見るエルスペス嬢の美貌。――踏まれたい。俺はいつからこんな変態になったのか。ものすごくアーチャーの気持ちがわかる。アーチャーのあの、膨大な写真のコレクション、一枚くらい頂戴してもバレないだろうか。いや、俺は幼児性愛じゃないから、できれば子供のころのじゃなくて、現在の写真が欲しいんだが……。
 
 こんなことを考えていると、エルスペス嬢から、アーチャーの秘密とは何だったのかと、尋ねられる。誤魔化すのも限度があると思い、正直に打ち明ければ、やはりショックを受けてしまった。

「……わたしの、せいなの?」

 落ち込む姿も色っぽい……じゃなくて、何とか慰めなければ。
 たしかに殺されたウィリアム卿は理不尽極まりないが、エルスペス嬢は何も悪くない。勝手に懸想して、勝手に犯罪を犯した奴が悪いのだし。

 と、そんな時、王都からの電報によって、ダグラス・アシュバートンの身柄の確保が知らされた。








 ダグラス・アシュバートンの身柄確保の報を受けて、俺はすぐに、王都に戻ることにした。リンドホルムのエヴァンズ警部と、そしてアルバート殿下の主席秘書官だという、茶色い髪の若い男も同行した。

 リンドホルムから王都へ向かう、午前中に一便だけの汽車に乗る。途中の駅で、ホームの売り子を呼び止めて弁当を買い、俺はついでに新聞も数紙調達した。

「一杯どう? ウィスキーだけど」

 王子の主席秘書官は茶色い髪のチャラチャラした男で、俺たちに酒を進めてくる。エヴァンズ警部は目を輝かせているけれど、俺は実は下戸げこだ。丁寧に遠慮して、車掌にお茶をもらう。

「えーと、ロバート・リーン大尉だったか? あんたも王都に戻るのか」

 俺が弁当の紐をほどきながら言えば、ウィスキーをカップで呷っていた男が言う。

「俺はロベルト。母親がロマンザの移民で、そっちの祖父じいさんから取ってるの」

 先祖のルーツにちなんで、異国風の名を名乗る者も多い。そう言えば、先代伯爵の未亡人はウルスラ夫人と言っていたが、それもシュルフト語系のルーツからの命名なのだろう。

「祖母がグリージャの貴族だそうですよ。エルスペス嬢の名前は、先祖のとあるお姫様の名前からだそうで」

 さすが、リンドホルムに長いエヴァンズ警部はよく知っていた。

「俺はこう見えても、殿下の主席秘書官だからさ。あんまり長いこと留守にすると、殿下の決済すべき書類が溜まっちゃうんだよ。王室の公務と、陸軍の司令部の仕事と二つあるから、それなりに忙しいのよ」
「でも、お姫様の側を離れて大丈夫なのか」

 エヴァンズ警部が尋ねれば、ロベルトと名乗った主席秘書官殿がニヤリと笑った。

「従僕のジュリアンはシャルローも生き抜いた武闘派だし。他にも、警察署との折衝をしてたラルフがいるから。あれは腕っこきの特務で、素手でも相手を殺せる。武術オタクで東洋のジュードーやらに凝り出しちゃって、さらに強くなって頭おかしいから、エルシーたんも安全だよ、大丈夫大丈夫」

 いや、強くて頭おかしい奴が側にいたら余計にヤバイだろ。俺の指摘に、主席秘書官殿は暢気に言った。

「この後はリンドホルム伯爵の継承手続きに入るだろうから、俺よりも貴族出のお坊ちゃまの出番だよ~」

 お前、俺の話聞いてないだろう? 俺は何となく、リジー・オーランドのことは聞きそびれて、諦めて弁当のコールドチキンのサンドイッチに齧りついた。







 早朝に王都の西駅に到着し、駅前にある、主席秘書官殿の行きつけのホテルで朝食を摂る。――言葉遣いから、俺と同じような階層の出身のはずだが、さすが王子様の主席秘書官。いちいち小洒落こじゃれた店を知ってやがる。だが厚切りべーコンにフィッシュ・アンド・チップス、フライドエッグにマーマレード付きトースト。食後のコーヒーもお替り自由と納得のサービスだった。 

 朝食を終え、俺たちはそのまま、ダグラス・アシュバートンが拘束されている、市警に直行した。

「戻ったか、ウォード! ごくろうさん!」

 ベイカー本部長に出迎えられ、俺は主席秘書官殿と、エヴァンズ警部を引き合わせる。ベイカー警部の後ろに、背が高く、見るからに貴族然とした、しかし実直そうな若い男が立っていた。

「ジョナサーン、お手柄~。俺はここで交代かな?」
「ああ、ロベルト、ご苦労さま。殿下に報告だけ頼んだよ。代わりに、夕方の便でジェラルドがリンドホルムに向かうから」

 二人の様子から、ジョナサンと呼ばれた男もアルバート殿下の側近官だとわかった。滑らかで品のよい標準発音から、貴族でだとわかる。主席秘書官殿から何やら書類の束を受け取り、お互い肩を叩き合って、チャラチャラした男は俺とエヴァンズ警部に手を挙げて、踵を返して去っていった。

「はじめまして、ジョナサン・カーティスと言います。アルバート殿下の侍従官を務めています。……実はダグラス・アシュバートンを匿っていた、ミセス・デイジー・フランクとはちょっと因縁がありまして」

 穏やかな声で挨拶され、俺も慌てて帽子を持ち上げる。

「え、ええ。警視庁ヤードのジョン・ウォード警部です」
「リンドホルム警察の、スティーブ・エヴァンズ警部です」

 軽く挨拶し、俺は早速、本題に入る。

「ダグラスは事件については何と――」

 ジョナサン・カーティス大尉が、端正な顔を歪め、溜息をついた。

「すべて、白状しました。――十年前に、僕の、兄を殺したことまでね」
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