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第三章
可愛い我儘
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いつの間にか、ノーラもハンナも下がって、部屋にはわたしたちとユールだけが残っている。ユールはわたしの膝の上でピコピコ尻尾を振る。わたしの疑問に、殿下は金色の瞳を見開いた。
「エルシー? 俺を疑うのか?」
「疑うとかではなくて……だって十二年も前に半年会っただけだし、何しろわたしは七歳だし。ずっと好きだったと言われても。それに、ステファニー嬢とは傍から見ても仲睦まじかったのでしょう?」
「それは王妃に告げ口されると厄介だから……」
「でも、ずっと側にいたら、情も移るのではなくて?」
殿下はコーヒーカップをソーサーに戻すと、右手を伸ばしてわたしの髪に触れた。
「嫌いというか……ステファニーは本当にどうでもよかったんだ。正直に言えば、鬱陶しかった。言うことを聞かないと王妃に告げ口されるし、とにかく我儘だし……王妃は、俺よりも明らかに、ステファニーを可愛がっていた。昔の俺はそばかすもあって、あまり見かけがよくなかったから、それもいろいろ言われたな。ステファニーはこんなに可愛いのに、ブサイクなバーティの奥さんになるなんて、かわいそうだとかね」
殿下が長い指でわたしの亜麻色の髪をくしけずり、指に絡める。
「……確かに、ものすごい美少年だとは思わなかったけど……」
顔をはっきり覚えていなかったわたしには、よくわからない。
「幼い時は傷ついたよ。王妃が本当の母親だと信じていたから。どうしてこの人は、実の息子の俺よりも、ステファニーを可愛がるんだろう?って……でも、ステファニーを苛めるようなことはしなかった。ステファニーは鬱陶しいけれど、ただ馬鹿で幼いだけだとわかっていたから」
殿下は目を伏せ、それから窓の外に目を遣る。このアパートメントは王都ではかなりの高層で、部屋は最上階だから、王都の街並みが見渡せる。
「……ローズが死んで真実を知らされて、俺はホッとした。本当の母親じゃないなら、しょうがないってね。そして、王妃が俺を息子として受け入れる条件の一つが、ステファニーかアリスンか、とにかくレコンフィールド公爵の娘との結婚だと知った。……俺の息子には、レコンフィールド公爵家の血が入るように。でもそんな風に未来まで縛られるのが我慢ならないと思い始めた時、俺はたぶん、無意識に自殺を図って、リンドホルムに預けられた。今思えば、緊急避難の意味合いがあったんだと思う」
殿下はわたしの顔をじっと見て、それから少し笑った。
「マックスから、七歳の娘がいるって言われて、最初はちょっと不安だった。ステファニーよりも二歳も小さい。また我儘娘に振り回されるのは嫌だなって」
「実際、我儘でしたでしょう。結構、無茶を言った覚えがあるわ」
出会って突然、草むしりをさせたり、荒野でポニーに乗せろとか、街に探検に連れ出せとか、わたしが思い出した無理を列挙すれば、殿下が肩を竦める。
「あんなのは我儘の内に入らない。エルシーのわがままを叶えるのは、全然、嫌じゃなかった」
「……そうなの? でも、何が違うの?」
わたしは理解できずに首を傾げる。……リンドホルムで、わたしだってたくさん、わがままを言った。
「ボートを何時間も漕がせたこともあったわ。わたしと弟がはしゃいで……もっと早く、もっと早くって……」
「ああ、あの時……」
リンドホルム城内の小さな湖。桟橋があって小さなボートがある。池の中州と行き来するためのものだけれど、弟と二人、リジーにねだって乗せてもらい、それこそ午後中延々と、池を何周もさせたのだ。
「あれは全然、嫌じゃなかった。少し疲れたけどね。エルシーもビリーもすごく喜んでくれていたし」
殿下は遠くを見るような目をして、言った。
「……実は王都に帰ってから、ステファニーにもボートに乗せろって言われた。その時はもう、午後も遅くになっていたから、今から公園に行ってもボートになんていくらも乗れない。また今度にしよう、って俺は言ったんだ。でも、ステファニーはそれを、《俺が意地悪してボートに乗せるのがイヤだと言った》と王妃に告げ口した」
わたしは思わず目を見開いて、殿下を見た。
「……そんなことは言っていないのでしょう?」
「ああ、嫌だと思っても、嫌だなんて口にしない。今からでは、すぐに閉園時間になるって言ったんだ。レングトン公園の池は大きいし、午後遅くからでかけても楽しくない」
殿下はコーヒーカップを持ち上げてコーヒーを一口啜る。
「……王妃にとって、事の真偽はどうでもいい。ただ、俺を鞭打つ名目があればいいわけだから。その後、散々、鞭で打たれて、傷だらけの背中でステファニーを誘い、ボートを漕いだ。オールを漕ぐたびに傷が痛んで……」
「……ごめんなさい、そんな辛い話をさせるつもりでは……」
わたしが謝ると、殿下は軽く首を振る。
「いや、いい。ステファニーは、王妃に言えば、俺が言いなりになるのを知って、いろいろやられた。他の友人と約束があると言っているのに、乗馬に連れていけとかね。先約があると断れば、やっぱり王妃に告げ口される。士官学校の友人たちと付き合うのを嫌がり、ミランダとグレンジャーと四人で出かけさせられたり。ステファニーのわがままは、要するに俺を支配したいだけだった」
「でも、ステファニー嬢は、あなたに愛されているか不安で、あなたを試すように、我儘ばかり言ってしまったって」
わたしの言葉に、殿下はふっと笑いを零す。
「まあ、昔の俺は無気力で、何を考えているかわからない男だったし、実際、ステファニーのことは愛していなかったから、態度は素っ気なかったと思う。でも、不安だからって試し行動が許されるにも限度はあるし、試されるたびに俺の気持ちがさらに離れるのは当然だろう? 何より俺は、俺の友人や配下に迷惑をかけられるのが一番、不愉快だった。でも――」
殿下はカップを持ったまま、わたしを見て微笑む。
「たしかに我儘を聞いてもらうと愛情が実感できる、というのは、俺にもわかる。……ステファニーは単に勘違いだったけど、俺は、エルシーが我儘を言うたびに、全部叶えてやりたいと思うし、我儘を言われるのが嬉しかった。エルシーの我儘は可愛いんだ。昔から」
「そ、そうですか?」
何となく恥ずかしくなってわたしが下を向くと、殿下がカップをソーサーに戻し、大きな手でわたしの前髪に触れる。ユールがその動きをじっと見上げている。
「ポニーで荒野に連れて行ってほしい、って言われた時は嬉しかった。ボートや城内の森の探検はビリーも一緒で、エルシーは姉として、いつもビリーを気にかけていた。俺は正直それに妬いていた。……五歳の子に、大人げないけど。でも城外のお出かけは二人きりだから……」
殿下は笑った。
「厨房に頼んで、エルシーの好きなチョコレート・マフィンを作ってもらって、お弁当を用意して。あんな我儘なら、いつでも歓迎だった。……本当にエルシーが可愛くてたまらなかったんだよ、あの頃から」
……その日のことは憶えている……というか、忘れていたけれど、思い出した。青い空に雲雀が飛んで、ヒースやハリエニシダがたくさん咲いて……。
「……でも、ずっとステファニー嬢と過ごしてきた。パーティも、ピクニックも、ダンスも……」
「気になる?」
ずばり聞かれて、わたしは目を上げた。
「それは……わたしはリジーのことを全部忘れていたから……でも、その間ずっと、ステファニー嬢一筋だと、みんな思っていたのでしょう?」
「実を言えば、隠れて浮気はした。……いや、その……その頃はエルシーとのことは諦めていて、ステファニーに当てつけみたいな気持ちだったけど。でもあまり、噂にもならねぇんだよな。たぶん、レコンフィールド公爵あたりが手を回していたんだと思う」
わたしは目を瞠る。殿下はわたしをまっすぐに見つめて、言った。
「でも、ステファニーとの婚約を白紙に戻してからは、一切ない。娼館の類も行ってないし、誘ってくる女優なんかも、全部、無視してる」
「……リジー……」
「……前、連れ歩くアクセサリーが欲しいなら、自分じゃなくて若手の女優あたりを誘えって言われた時に、お前が自分のことを浮気相手だと思っているんだと気づいて、少しショックだった。いや、俺が悪いんだけどな。俺はすっぱりステファニーと切れているつもりだったけど、周囲はそう思っていなくて、お前は浮気相手にされたと傷ついていたのに、俺はそんなこと考えもせず、お前との再会に浮かれてた。……もっと我儘を言ってほしいなんて、内心思って……」
殿下は視線を逸らし、目を伏せる。そうして、もう一度視線を戻した。
「エルシー……もうひと山なんだ。議会の、承認さえもぎ取れば。いや、承認が出なくても結婚はもうしているし、ジジイどもに遠慮するつもりはないけどな。本当に、愛してる。議会も新聞雑誌も全部、黙らせてやる」
決意を込めた金色の瞳に、わたしは気づいた。
もしかして、殿下はわざと議会に召喚されたのだ。――わたしたちの結婚が正当なものだと、議会に叩きつけるために。
結婚を強行したアルバート王子に対し、世論は二つに割れた。
王宮の舞踏会で婚約破棄を宣言した王子への批判と、そこまで追い詰めたレコンフィールド公爵への批判と。
恩人の娘と真実の愛を貫こうとする王子への応援と、周囲に望まれた婚約者であったステファニー嬢への同情と。
国王エドワード陛下は、アルバート王子の妃として、わたし、エルスペス・アシュバートンを認め、妃殿下の称号、およびアルバート王子をオーランド公爵に叙任し、わたしにオーランド公爵夫人の称号を許す勅書を下した。
だが、議会は国王の勅書と、アルバート王子とレコンフィールド公爵令嬢との、婚約破棄を認める決議を、僅差で否決した。その上で、第三王子アルバート殿下と、リンドホルム伯爵令嬢エルスペス・アシュバートンの証人喚問を行うと決定した。
「エルシー? 俺を疑うのか?」
「疑うとかではなくて……だって十二年も前に半年会っただけだし、何しろわたしは七歳だし。ずっと好きだったと言われても。それに、ステファニー嬢とは傍から見ても仲睦まじかったのでしょう?」
「それは王妃に告げ口されると厄介だから……」
「でも、ずっと側にいたら、情も移るのではなくて?」
殿下はコーヒーカップをソーサーに戻すと、右手を伸ばしてわたしの髪に触れた。
「嫌いというか……ステファニーは本当にどうでもよかったんだ。正直に言えば、鬱陶しかった。言うことを聞かないと王妃に告げ口されるし、とにかく我儘だし……王妃は、俺よりも明らかに、ステファニーを可愛がっていた。昔の俺はそばかすもあって、あまり見かけがよくなかったから、それもいろいろ言われたな。ステファニーはこんなに可愛いのに、ブサイクなバーティの奥さんになるなんて、かわいそうだとかね」
殿下が長い指でわたしの亜麻色の髪をくしけずり、指に絡める。
「……確かに、ものすごい美少年だとは思わなかったけど……」
顔をはっきり覚えていなかったわたしには、よくわからない。
「幼い時は傷ついたよ。王妃が本当の母親だと信じていたから。どうしてこの人は、実の息子の俺よりも、ステファニーを可愛がるんだろう?って……でも、ステファニーを苛めるようなことはしなかった。ステファニーは鬱陶しいけれど、ただ馬鹿で幼いだけだとわかっていたから」
殿下は目を伏せ、それから窓の外に目を遣る。このアパートメントは王都ではかなりの高層で、部屋は最上階だから、王都の街並みが見渡せる。
「……ローズが死んで真実を知らされて、俺はホッとした。本当の母親じゃないなら、しょうがないってね。そして、王妃が俺を息子として受け入れる条件の一つが、ステファニーかアリスンか、とにかくレコンフィールド公爵の娘との結婚だと知った。……俺の息子には、レコンフィールド公爵家の血が入るように。でもそんな風に未来まで縛られるのが我慢ならないと思い始めた時、俺はたぶん、無意識に自殺を図って、リンドホルムに預けられた。今思えば、緊急避難の意味合いがあったんだと思う」
殿下はわたしの顔をじっと見て、それから少し笑った。
「マックスから、七歳の娘がいるって言われて、最初はちょっと不安だった。ステファニーよりも二歳も小さい。また我儘娘に振り回されるのは嫌だなって」
「実際、我儘でしたでしょう。結構、無茶を言った覚えがあるわ」
出会って突然、草むしりをさせたり、荒野でポニーに乗せろとか、街に探検に連れ出せとか、わたしが思い出した無理を列挙すれば、殿下が肩を竦める。
「あんなのは我儘の内に入らない。エルシーのわがままを叶えるのは、全然、嫌じゃなかった」
「……そうなの? でも、何が違うの?」
わたしは理解できずに首を傾げる。……リンドホルムで、わたしだってたくさん、わがままを言った。
「ボートを何時間も漕がせたこともあったわ。わたしと弟がはしゃいで……もっと早く、もっと早くって……」
「ああ、あの時……」
リンドホルム城内の小さな湖。桟橋があって小さなボートがある。池の中州と行き来するためのものだけれど、弟と二人、リジーにねだって乗せてもらい、それこそ午後中延々と、池を何周もさせたのだ。
「あれは全然、嫌じゃなかった。少し疲れたけどね。エルシーもビリーもすごく喜んでくれていたし」
殿下は遠くを見るような目をして、言った。
「……実は王都に帰ってから、ステファニーにもボートに乗せろって言われた。その時はもう、午後も遅くになっていたから、今から公園に行ってもボートになんていくらも乗れない。また今度にしよう、って俺は言ったんだ。でも、ステファニーはそれを、《俺が意地悪してボートに乗せるのがイヤだと言った》と王妃に告げ口した」
わたしは思わず目を見開いて、殿下を見た。
「……そんなことは言っていないのでしょう?」
「ああ、嫌だと思っても、嫌だなんて口にしない。今からでは、すぐに閉園時間になるって言ったんだ。レングトン公園の池は大きいし、午後遅くからでかけても楽しくない」
殿下はコーヒーカップを持ち上げてコーヒーを一口啜る。
「……王妃にとって、事の真偽はどうでもいい。ただ、俺を鞭打つ名目があればいいわけだから。その後、散々、鞭で打たれて、傷だらけの背中でステファニーを誘い、ボートを漕いだ。オールを漕ぐたびに傷が痛んで……」
「……ごめんなさい、そんな辛い話をさせるつもりでは……」
わたしが謝ると、殿下は軽く首を振る。
「いや、いい。ステファニーは、王妃に言えば、俺が言いなりになるのを知って、いろいろやられた。他の友人と約束があると言っているのに、乗馬に連れていけとかね。先約があると断れば、やっぱり王妃に告げ口される。士官学校の友人たちと付き合うのを嫌がり、ミランダとグレンジャーと四人で出かけさせられたり。ステファニーのわがままは、要するに俺を支配したいだけだった」
「でも、ステファニー嬢は、あなたに愛されているか不安で、あなたを試すように、我儘ばかり言ってしまったって」
わたしの言葉に、殿下はふっと笑いを零す。
「まあ、昔の俺は無気力で、何を考えているかわからない男だったし、実際、ステファニーのことは愛していなかったから、態度は素っ気なかったと思う。でも、不安だからって試し行動が許されるにも限度はあるし、試されるたびに俺の気持ちがさらに離れるのは当然だろう? 何より俺は、俺の友人や配下に迷惑をかけられるのが一番、不愉快だった。でも――」
殿下はカップを持ったまま、わたしを見て微笑む。
「たしかに我儘を聞いてもらうと愛情が実感できる、というのは、俺にもわかる。……ステファニーは単に勘違いだったけど、俺は、エルシーが我儘を言うたびに、全部叶えてやりたいと思うし、我儘を言われるのが嬉しかった。エルシーの我儘は可愛いんだ。昔から」
「そ、そうですか?」
何となく恥ずかしくなってわたしが下を向くと、殿下がカップをソーサーに戻し、大きな手でわたしの前髪に触れる。ユールがその動きをじっと見上げている。
「ポニーで荒野に連れて行ってほしい、って言われた時は嬉しかった。ボートや城内の森の探検はビリーも一緒で、エルシーは姉として、いつもビリーを気にかけていた。俺は正直それに妬いていた。……五歳の子に、大人げないけど。でも城外のお出かけは二人きりだから……」
殿下は笑った。
「厨房に頼んで、エルシーの好きなチョコレート・マフィンを作ってもらって、お弁当を用意して。あんな我儘なら、いつでも歓迎だった。……本当にエルシーが可愛くてたまらなかったんだよ、あの頃から」
……その日のことは憶えている……というか、忘れていたけれど、思い出した。青い空に雲雀が飛んで、ヒースやハリエニシダがたくさん咲いて……。
「……でも、ずっとステファニー嬢と過ごしてきた。パーティも、ピクニックも、ダンスも……」
「気になる?」
ずばり聞かれて、わたしは目を上げた。
「それは……わたしはリジーのことを全部忘れていたから……でも、その間ずっと、ステファニー嬢一筋だと、みんな思っていたのでしょう?」
「実を言えば、隠れて浮気はした。……いや、その……その頃はエルシーとのことは諦めていて、ステファニーに当てつけみたいな気持ちだったけど。でもあまり、噂にもならねぇんだよな。たぶん、レコンフィールド公爵あたりが手を回していたんだと思う」
わたしは目を瞠る。殿下はわたしをまっすぐに見つめて、言った。
「でも、ステファニーとの婚約を白紙に戻してからは、一切ない。娼館の類も行ってないし、誘ってくる女優なんかも、全部、無視してる」
「……リジー……」
「……前、連れ歩くアクセサリーが欲しいなら、自分じゃなくて若手の女優あたりを誘えって言われた時に、お前が自分のことを浮気相手だと思っているんだと気づいて、少しショックだった。いや、俺が悪いんだけどな。俺はすっぱりステファニーと切れているつもりだったけど、周囲はそう思っていなくて、お前は浮気相手にされたと傷ついていたのに、俺はそんなこと考えもせず、お前との再会に浮かれてた。……もっと我儘を言ってほしいなんて、内心思って……」
殿下は視線を逸らし、目を伏せる。そうして、もう一度視線を戻した。
「エルシー……もうひと山なんだ。議会の、承認さえもぎ取れば。いや、承認が出なくても結婚はもうしているし、ジジイどもに遠慮するつもりはないけどな。本当に、愛してる。議会も新聞雑誌も全部、黙らせてやる」
決意を込めた金色の瞳に、わたしは気づいた。
もしかして、殿下はわざと議会に召喚されたのだ。――わたしたちの結婚が正当なものだと、議会に叩きつけるために。
結婚を強行したアルバート王子に対し、世論は二つに割れた。
王宮の舞踏会で婚約破棄を宣言した王子への批判と、そこまで追い詰めたレコンフィールド公爵への批判と。
恩人の娘と真実の愛を貫こうとする王子への応援と、周囲に望まれた婚約者であったステファニー嬢への同情と。
国王エドワード陛下は、アルバート王子の妃として、わたし、エルスペス・アシュバートンを認め、妃殿下の称号、およびアルバート王子をオーランド公爵に叙任し、わたしにオーランド公爵夫人の称号を許す勅書を下した。
だが、議会は国王の勅書と、アルバート王子とレコンフィールド公爵令嬢との、婚約破棄を認める決議を、僅差で否決した。その上で、第三王子アルバート殿下と、リンドホルム伯爵令嬢エルスペス・アシュバートンの証人喚問を行うと決定した。
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