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第一章
特別業務*
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殿下はわたしの寝間着とガウンを同時に剥ぎ取り、乱暴にベッドの下に落とす。一糸まとわぬ姿に剥かれて、わたしは、なんとか逃れるすべがないかと周囲を見回したが、すぐに無駄な抵抗だと悟る。
部屋は煌々と電灯で照らされて、わたしは恥ずかしくてベッドヘッドの方に身体をずらす。殿下はギラギラとした目でわたしを舐めるように見ながら、シャツのボタンを外し、吊りベルトを肩から下ろし、トラウザースのボタンを寛げると、もどかしそうに自ら服を脱いだ。白く糊の効いたシャツの下から、鍛えた均整の取れた筋肉が現れ、そしてその下にはあの――前に見たのと同じ、赤黒く醜い分身が、腹につかんばかりに反り返って聳え立っていて、わたしは恐怖と羞恥で顔を背ける。
「お願いです、もう……許して……」
「いい加減に観念しろ。お前は俺の秘書官だろう? 命令に従え」
「逆らったらクビにするの?」
半ば泣きながら問えば、殿下は白いシャツを腕から引き抜くように脱いで、乱暴に投げ捨て、裸になる。
「お前の祖母が入院できたのも、誰のおかげだと思っている」
「王子のくせに臣民の弱みにつけ込んで!……卑怯者! 恥ずかしくないの?」
やけくそになって叫んだわたしを殿下が捕まえて、組み敷いて笑った。
「……卑怯なのは承知の上だ。どうしてもお前が欲しい。だから――」
殿下は噛みつくようにわたしの唇を塞いで、わたしが抵抗を諦めるまで、もう一度唇を蹂躙した。あまりの激しさにわたしがつい、力を抜くと、殿下は唇を解放し、耳元で囁く。
「諦めて、業務を遂行しろ」
殿下はわたしの首筋に唇を這わせ、両手で胸に触れる。首筋を吸われ、舐め上げられるくすぐったさに身を捩る。二つの胸は殿下の大きな手で好き放題に揉まれ、頂点の尖りを摘まんで引っ張られて、わたしは痛くて悲鳴を上げた。
「ここに触るのは、俺が初めてか?」
「あ、当たり前ですっ……痛いっ……やめて……」
「まだ慣れてないんだな。……そのうち、気持ちよくなる」
「そんなの、ならないっ!」
そう言えば、殿下はあの赤黒いモノをわたしに咥えさせて気持ちよがっていた。わたしの胸を揉んだところで、殿下は気持ちよくもなんともないだろうに。これから為されることがわからなくて、わたしはただただ、混乱していた。――女の胸が大きくなるのは、ここから出る乳で赤子を育てるためだと、わたしは思っていた。
やがて、わたしの胸を揉んだり寄せたり、引っ張ったりしていた殿下が、なんと胸の頂点を口に含んだ。
「なっ……赤ちゃんじゃないんだからっ……出ません! 吸っても母乳は出ません!」
殿下は金色の瞳を大きく見開き、驚いたように口を乳首から離し、わたしの顔を見下ろした。
「別に俺は母乳が吸いたくてしてるわけじゃないぞ?」
「じゃあ、なんでぇ? やだっ恥ずかしい、もうやめてぇ!」
ぶんぶんと必死に首を振るわたしに、殿下が眉尻を下げて、呆れたような表情をした。
「お前……本当に何も知らないんだな。……まあ、あのおばあ様じゃあ、性教育なんてするわけもないか……」
殿下はブツブツと呟き、もう一度わたしの胸に顔を埋め、頂点の蕾を舌で舐め上げる。ゾクリとした感覚が背筋を走って、わたしはビクンと身を震わせ、微かな悲鳴を上げた。殿下は大きな手で片方の胸を揉み込み、親指で乳首を押しながら、もう一つの乳首を唇と舌で執拗に弄ぶ。
「……乳首、硬くなってきたぞ……そろそろ感じてきたんじゃないか」
「やっ……感じるって、何を……はっ……はうっ……」
乳首を吸われ、舌で転がされ、同時にもう一つは人差し指と親指で抓んでクリクリと弄られると、息が荒くなり、何故か知らないがお腹の奥の方が熱くなって、つい、両脚を擦り合わせてしまう。殿下は片方の手を腹から臍を通って、わたしの脚の間へと伸ばし、秘所に指で触れた。
「! い、いやっ……そこはだめです! 汚いからやめてっ」
「汚いなんてことがあるか……少しだけど濡れてきた」
殿下の指がわたし自身ですらほとんど触れたことのない場所を探る。脚の付け根のある一点に触れられると、背筋に痺れるような感覚が走り抜け、全身がびくりと震えた。
「あっ……やっ……なに?……なん、で、ああっ……」
「ああ、ここ……女は一番、ここが感じる。……自分で触れたこともないのか?」
そんな不浄の場所にいちいち触れるはずがない。でもその場所を弄られると、わたしの腰が跳ね、不思議な感覚が湧き上がって、わたしはむしろ恐怖で叫んだ。
「やめ、やめて怖い、いや、いやあっ」
「怖くない、気持ちいいだろう?」
「き、きもち、いい?」
この感覚が気持ちいいのかどうか、よくわからない。でもその場所を執拗に弄られると、わたしの息はどんどん荒くなって、両脚の爪先までピンと伸びて、腰が勝手に動いてしまう。
「や、やめ、やめて、こわい……怖いの、いや、いや、いや……」
「大丈夫だ、怖くない……一度、イってしまえ……」
「あ、あ、ああっ……ああっ……!」
波のような感覚の高まりに襲われ、わたしは身体を反らして叫び、直後にがっくりと脱力して荒い息を吐いた。
「はっ……はあっ、はあっ……な、に……」
「イったか。気持ちよかっただろう?」
「きもち……いい?」
「ふっ……まだよくわからないか。大丈夫、怖がらなくていい。もっと、気持ちよくしてやる」
自分の身体に何が起きたのかわからず、わたしはただ上から覗き込んでくる殿下の顔を見上げる。まだ肩で息をしているわたしの両膝を掴み、殿下は脚の間に入り込むと、秘密の場所を見下ろした。わたしは恥ずかしくて、両手で顔を覆った。
「や、やめて……見ないで、やだ……」
もうわたしは涙でグズグズになっているのに、殿下は一向に願いを聞き入れてくれない。今度は何を……と思うそばから、なんと、殿下は脚の付け根に顔を近づけてそこにキスをした。
「ええっそんなことやめて、お願い、いやあ!」
恥ずかしさのあまり身を捩って逃げようとしたが、殿下の大きな両手に太ももをがっちり掴まれて逃げることもできない。さっき殿下の指が触れていた場所に熱くぬるっとした感触があって、舐められたのだと気づく。わたしは完全にパニックになっていた。だって、そんな場所を舐める人がいるなんて、思いもよらない。
「やっ、あっああっ……やめ、やめて、いや、いや、いや」
殿下の舌がわたしの一番恥ずかしい場所を這いまわり、そのたびに強烈な感覚が走りぬける。それはさっき、殿下の指からもたらされたものよりもはるかに強く、わたしは腰から溶けてしまいそうな感覚に翻弄される。これが気持ちいいということなのか、でも、どうしてこんな――。
やがて殿下の舌は身体の奥へと向かい、わたしは気づけば快感と恐怖で叫んでいた。
「いやぁ、ああっ、やあっ、たすけてっ、いやっ、いやっ……」
「気持ちいいんだろう? 濡れて、ヒクついているぞ?……綺麗な花びらみたいだ、エルシー」
殿下の長い指が、わたしの秘所に割り入って、体内に差し込まれ、内部を探った。異物感でわたしは悲鳴を上げる。
「指一本でもキツいな……もっと解さないと……」
「な……やめ、て……怖いの、お願い……」
わたしは自分の身体の仕組みを、まるで理解していないのだと、気づかされる。殿下の指らしきものが、たしかにわたしの体内に入っている。でも、そんな場所があるなんて、知らなかった。
父が死んで、家庭教師を解雇してからは、ただ、昔気質の祖母に礼儀作法やお茶の淹れ方を習い、手持ちの辞書と文法書で外国語を独学する程度だった。――弟の遺品の数学の教科書は密かに愛読していたけれど、生物学の教科書は人体解剖図が恐ろしくて読むのは諦めた。あの絵はどうなっていただろう? わたしの身体はどうなってしまうの?
殿下の指が内部のある場所を引っ掻いた時、わたしは腰が溶けるような感覚に、悲鳴をあげた。
「ああっ……」
どうして――。
どんどん、息が荒くなり、喘ぎ声が零れ出てしまう。身体の熱が高まり、何か得体のしれないものが身体の中で荒れ狂っていく。
「あっやあっ、そこっ……やめてっ……あああっ」
「ここか……みつけた。エルシーの、いいところだ……気持ちいいだろう?」
「やっいやっ……ああっあっ」
ねちねちと水音を立てながら、殿下はわたしの敏感な場所を舌や唇で弄ぶ。身体が勝手に反応して、いやらしい声が出てしまう。声を上げたくなくて両手で口を塞いでみたけれど、そんなものは何の意味もなさなかった。
「んっああっ……やっやあっ……あっあっ……ああっ」
わたしは声を堪えるのを諦めて、両手で自分の耳を塞ぐ。こんな淫らな声を上げているのが自分だなんて、信じたくなかった。恥ずかしさと悔しさで涙が溢れ、周囲の光景が滲む。殿下が、真上からわたしを見下ろす、その顔も涙で歪んで、よく見えない。
「すごい濡れてきたぞ……指も、三本入ってる」
「ああっやあっ……もう、いやっ……やめて……」
「ぐずぐずに濡らして俺の指を締めつけてる。意地を張らずに、気持ちいいって認めろ。中までヒクついて……俺の指を飲み込もうとしてる。……もう一度イっておくか?」
「ああっ……やっちがっ……」
殿下の顔が視界から消えたと思ったら、再び熱い舌で舐められ、強烈な刺激にわたしの腰が無意識に大きく揺れた。両脚を突っ張り、腰を浮かせるような体勢になったわたしの、一番感じる場所に軽く歯を立てられた瞬間、凄まじい快感にわたしの脳裏に白い火花が弾けた。
「あっやっああ――――――――っ」
全身が硬直し、わたしは身体をのけ反らせて、半ばベッドから浮き上がり、直後にがっくりと弛緩して崩れ落ちる。自分の身に起きたことが信じられてなくて、茫然と天蓋を見上げるわたしの顔を、上から殿下がのぞき込む。
「エルシー、俺もそろそろ限界だ。挿れるぞ……」
殿下がわたしのふとももを掴んで両脚を大きく開き、自分の腰を近づけてくる。熱いものが足の付け根に触れて、その瞬間、わたしはこの後に起こることをようやく理解した。
殿下がわたしの中に挿れようとしているのは、つまり――。
わたしは恐怖で悲鳴を上げた。
「やあ、無理! いや! 怖い、やめてぇ―!」
部屋は煌々と電灯で照らされて、わたしは恥ずかしくてベッドヘッドの方に身体をずらす。殿下はギラギラとした目でわたしを舐めるように見ながら、シャツのボタンを外し、吊りベルトを肩から下ろし、トラウザースのボタンを寛げると、もどかしそうに自ら服を脱いだ。白く糊の効いたシャツの下から、鍛えた均整の取れた筋肉が現れ、そしてその下にはあの――前に見たのと同じ、赤黒く醜い分身が、腹につかんばかりに反り返って聳え立っていて、わたしは恐怖と羞恥で顔を背ける。
「お願いです、もう……許して……」
「いい加減に観念しろ。お前は俺の秘書官だろう? 命令に従え」
「逆らったらクビにするの?」
半ば泣きながら問えば、殿下は白いシャツを腕から引き抜くように脱いで、乱暴に投げ捨て、裸になる。
「お前の祖母が入院できたのも、誰のおかげだと思っている」
「王子のくせに臣民の弱みにつけ込んで!……卑怯者! 恥ずかしくないの?」
やけくそになって叫んだわたしを殿下が捕まえて、組み敷いて笑った。
「……卑怯なのは承知の上だ。どうしてもお前が欲しい。だから――」
殿下は噛みつくようにわたしの唇を塞いで、わたしが抵抗を諦めるまで、もう一度唇を蹂躙した。あまりの激しさにわたしがつい、力を抜くと、殿下は唇を解放し、耳元で囁く。
「諦めて、業務を遂行しろ」
殿下はわたしの首筋に唇を這わせ、両手で胸に触れる。首筋を吸われ、舐め上げられるくすぐったさに身を捩る。二つの胸は殿下の大きな手で好き放題に揉まれ、頂点の尖りを摘まんで引っ張られて、わたしは痛くて悲鳴を上げた。
「ここに触るのは、俺が初めてか?」
「あ、当たり前ですっ……痛いっ……やめて……」
「まだ慣れてないんだな。……そのうち、気持ちよくなる」
「そんなの、ならないっ!」
そう言えば、殿下はあの赤黒いモノをわたしに咥えさせて気持ちよがっていた。わたしの胸を揉んだところで、殿下は気持ちよくもなんともないだろうに。これから為されることがわからなくて、わたしはただただ、混乱していた。――女の胸が大きくなるのは、ここから出る乳で赤子を育てるためだと、わたしは思っていた。
やがて、わたしの胸を揉んだり寄せたり、引っ張ったりしていた殿下が、なんと胸の頂点を口に含んだ。
「なっ……赤ちゃんじゃないんだからっ……出ません! 吸っても母乳は出ません!」
殿下は金色の瞳を大きく見開き、驚いたように口を乳首から離し、わたしの顔を見下ろした。
「別に俺は母乳が吸いたくてしてるわけじゃないぞ?」
「じゃあ、なんでぇ? やだっ恥ずかしい、もうやめてぇ!」
ぶんぶんと必死に首を振るわたしに、殿下が眉尻を下げて、呆れたような表情をした。
「お前……本当に何も知らないんだな。……まあ、あのおばあ様じゃあ、性教育なんてするわけもないか……」
殿下はブツブツと呟き、もう一度わたしの胸に顔を埋め、頂点の蕾を舌で舐め上げる。ゾクリとした感覚が背筋を走って、わたしはビクンと身を震わせ、微かな悲鳴を上げた。殿下は大きな手で片方の胸を揉み込み、親指で乳首を押しながら、もう一つの乳首を唇と舌で執拗に弄ぶ。
「……乳首、硬くなってきたぞ……そろそろ感じてきたんじゃないか」
「やっ……感じるって、何を……はっ……はうっ……」
乳首を吸われ、舌で転がされ、同時にもう一つは人差し指と親指で抓んでクリクリと弄られると、息が荒くなり、何故か知らないがお腹の奥の方が熱くなって、つい、両脚を擦り合わせてしまう。殿下は片方の手を腹から臍を通って、わたしの脚の間へと伸ばし、秘所に指で触れた。
「! い、いやっ……そこはだめです! 汚いからやめてっ」
「汚いなんてことがあるか……少しだけど濡れてきた」
殿下の指がわたし自身ですらほとんど触れたことのない場所を探る。脚の付け根のある一点に触れられると、背筋に痺れるような感覚が走り抜け、全身がびくりと震えた。
「あっ……やっ……なに?……なん、で、ああっ……」
「ああ、ここ……女は一番、ここが感じる。……自分で触れたこともないのか?」
そんな不浄の場所にいちいち触れるはずがない。でもその場所を弄られると、わたしの腰が跳ね、不思議な感覚が湧き上がって、わたしはむしろ恐怖で叫んだ。
「やめ、やめて怖い、いや、いやあっ」
「怖くない、気持ちいいだろう?」
「き、きもち、いい?」
この感覚が気持ちいいのかどうか、よくわからない。でもその場所を執拗に弄られると、わたしの息はどんどん荒くなって、両脚の爪先までピンと伸びて、腰が勝手に動いてしまう。
「や、やめ、やめて、こわい……怖いの、いや、いや、いや……」
「大丈夫だ、怖くない……一度、イってしまえ……」
「あ、あ、ああっ……ああっ……!」
波のような感覚の高まりに襲われ、わたしは身体を反らして叫び、直後にがっくりと脱力して荒い息を吐いた。
「はっ……はあっ、はあっ……な、に……」
「イったか。気持ちよかっただろう?」
「きもち……いい?」
「ふっ……まだよくわからないか。大丈夫、怖がらなくていい。もっと、気持ちよくしてやる」
自分の身体に何が起きたのかわからず、わたしはただ上から覗き込んでくる殿下の顔を見上げる。まだ肩で息をしているわたしの両膝を掴み、殿下は脚の間に入り込むと、秘密の場所を見下ろした。わたしは恥ずかしくて、両手で顔を覆った。
「や、やめて……見ないで、やだ……」
もうわたしは涙でグズグズになっているのに、殿下は一向に願いを聞き入れてくれない。今度は何を……と思うそばから、なんと、殿下は脚の付け根に顔を近づけてそこにキスをした。
「ええっそんなことやめて、お願い、いやあ!」
恥ずかしさのあまり身を捩って逃げようとしたが、殿下の大きな両手に太ももをがっちり掴まれて逃げることもできない。さっき殿下の指が触れていた場所に熱くぬるっとした感触があって、舐められたのだと気づく。わたしは完全にパニックになっていた。だって、そんな場所を舐める人がいるなんて、思いもよらない。
「やっ、あっああっ……やめ、やめて、いや、いや、いや」
殿下の舌がわたしの一番恥ずかしい場所を這いまわり、そのたびに強烈な感覚が走りぬける。それはさっき、殿下の指からもたらされたものよりもはるかに強く、わたしは腰から溶けてしまいそうな感覚に翻弄される。これが気持ちいいということなのか、でも、どうしてこんな――。
やがて殿下の舌は身体の奥へと向かい、わたしは気づけば快感と恐怖で叫んでいた。
「いやぁ、ああっ、やあっ、たすけてっ、いやっ、いやっ……」
「気持ちいいんだろう? 濡れて、ヒクついているぞ?……綺麗な花びらみたいだ、エルシー」
殿下の長い指が、わたしの秘所に割り入って、体内に差し込まれ、内部を探った。異物感でわたしは悲鳴を上げる。
「指一本でもキツいな……もっと解さないと……」
「な……やめ、て……怖いの、お願い……」
わたしは自分の身体の仕組みを、まるで理解していないのだと、気づかされる。殿下の指らしきものが、たしかにわたしの体内に入っている。でも、そんな場所があるなんて、知らなかった。
父が死んで、家庭教師を解雇してからは、ただ、昔気質の祖母に礼儀作法やお茶の淹れ方を習い、手持ちの辞書と文法書で外国語を独学する程度だった。――弟の遺品の数学の教科書は密かに愛読していたけれど、生物学の教科書は人体解剖図が恐ろしくて読むのは諦めた。あの絵はどうなっていただろう? わたしの身体はどうなってしまうの?
殿下の指が内部のある場所を引っ掻いた時、わたしは腰が溶けるような感覚に、悲鳴をあげた。
「ああっ……」
どうして――。
どんどん、息が荒くなり、喘ぎ声が零れ出てしまう。身体の熱が高まり、何か得体のしれないものが身体の中で荒れ狂っていく。
「あっやあっ、そこっ……やめてっ……あああっ」
「ここか……みつけた。エルシーの、いいところだ……気持ちいいだろう?」
「やっいやっ……ああっあっ」
ねちねちと水音を立てながら、殿下はわたしの敏感な場所を舌や唇で弄ぶ。身体が勝手に反応して、いやらしい声が出てしまう。声を上げたくなくて両手で口を塞いでみたけれど、そんなものは何の意味もなさなかった。
「んっああっ……やっやあっ……あっあっ……ああっ」
わたしは声を堪えるのを諦めて、両手で自分の耳を塞ぐ。こんな淫らな声を上げているのが自分だなんて、信じたくなかった。恥ずかしさと悔しさで涙が溢れ、周囲の光景が滲む。殿下が、真上からわたしを見下ろす、その顔も涙で歪んで、よく見えない。
「すごい濡れてきたぞ……指も、三本入ってる」
「ああっやあっ……もう、いやっ……やめて……」
「ぐずぐずに濡らして俺の指を締めつけてる。意地を張らずに、気持ちいいって認めろ。中までヒクついて……俺の指を飲み込もうとしてる。……もう一度イっておくか?」
「ああっ……やっちがっ……」
殿下の顔が視界から消えたと思ったら、再び熱い舌で舐められ、強烈な刺激にわたしの腰が無意識に大きく揺れた。両脚を突っ張り、腰を浮かせるような体勢になったわたしの、一番感じる場所に軽く歯を立てられた瞬間、凄まじい快感にわたしの脳裏に白い火花が弾けた。
「あっやっああ――――――――っ」
全身が硬直し、わたしは身体をのけ反らせて、半ばベッドから浮き上がり、直後にがっくりと弛緩して崩れ落ちる。自分の身に起きたことが信じられてなくて、茫然と天蓋を見上げるわたしの顔を、上から殿下がのぞき込む。
「エルシー、俺もそろそろ限界だ。挿れるぞ……」
殿下がわたしのふとももを掴んで両脚を大きく開き、自分の腰を近づけてくる。熱いものが足の付け根に触れて、その瞬間、わたしはこの後に起こることをようやく理解した。
殿下がわたしの中に挿れようとしているのは、つまり――。
わたしは恐怖で悲鳴を上げた。
「やあ、無理! いや! 怖い、やめてぇ―!」
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