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第1章 下積み編
11 悪役令嬢、ママにバレる
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レン王子と王城を探検し、十分満喫した私はルンルン気分で馬車に乗って帰っていた。
行く前は嫌でたまらなかったけど、今は幸せでいっぱい。
しかし、レン王子に案内してもらっている際、なぜか四方八方から視線を感じた。レン王子と私が一緒にいるのが珍しかったのかなと考えていたけど、どうでもよかったので気にせず王城を観光。
デインはきっとサクト王子とたくさん話して、楽しい時間を過ごしたはず。
脳内ではしゃぐ私は素晴らしい選択をした自分に拍手。パチパチパチパチ。
部屋から脱出したのは間違いじゃなかったわ。
馬車から降り、玄関までの道をデインと2人で並んで歩いていた。
幸せに浸っていたので、今まで気づかなかったが、横からよどんだオーラを感じる。
隣にはどこか不機嫌なデインがトボトボと歩いていた。
うーん、デインは初めての王城に疲れてしまったのかしら。
「デイン、どうしたの? そんな暗い顔して。疲れた?」
デインは俯いたままこちらを向いてくれない。
何か不満なことでもあったのだろうか?
返事をじっとして待っていると、デインはこっちを向いてくれた。
こちらを見る彼の瞳はどこか訝し気さがあった。
「姉さん、なんで僕を置いて部屋を出たの……」
「えっ?」
部屋を出た理由はそりゃあ……。
「デインが殿下と一緒に話したそうにしてたから、空気を読んで退出したんだけど……」
もしかして……王子とちゃんと話ができなかった?
そりゃ、デインは王城に行くのは初めてだし、あういう場に行くのも初めて。
緊張のあまりサクト王子と楽しい話ができなかったのかも。
「もしかして、緊張してちゃんと話せなかった?」
せっかくの機会だったのに。
それなら一緒にいて上げてもよかったかも。
私がじっと黙って我慢すればいい話だし。
「いや、そんなことはなかったよ。十分話せた……必要以上にね」
「なら、どうしてそんなに不満そうなの?」
「別に大したことじゃないから気にしないで……それにしても、今の姉さんの顔、とっても生き生きしてる」
「そう? 王城を観光したおかげかしら?」
心が生き生きしていると、肌艶も良くなるらしいからいい事尽くしだわ。
「姉さん、やっぱり1人で王城を歩いていたの?」
「ううん、レン様に案内してもらっていたわ」
「レン王子と?」
デインの顔が一瞬曇る。
一緒に見に行きたかったのかしら。
それなら、申し訳ないわ。
「そうよ。おかげで普段はあまり入れない地下の図書室にも入れたわ。あそこ、神秘的で美しかったわよ」
暗い地下にやんわりと明かりを灯す。
その先には見上げるほど高さのある本棚。
先に進むと、天井窓から差し込む光。
その光が落ちる先には青緑の宝石が飾られていた。
エメラルド色の光が部屋に散らばり、不思議な空間を作る。
その場所はレン王子のお気に入りらしく、彼は嬉しそうに教えてくれた。
「王城の地下にあんなものが眠っていたんなんて……なんで早くここに来なかったのかしら」
「姉さん、ここには頻繁に来ていたんでしょ」
「そうだけど…………ん?」
玄関前にいるのは誰だろ?
目を凝らし、確認する。
そこには仁王立ちをして待っていた女性がいた。
私と同じ淡い紫色の髪で黒い瞳……。
ゲっ……嫌な予感。
ものすごーく嫌な予感。
嫌な未来が見えてしまった私は足を止める。
に、逃げなきゃ。
背を向けた瞬間、残念ながら女性から声を掛けられた。
「エステル、楽しそうな声を上げているわね」
ゆっくり振り返ると、ニヤリと口角を上げるママがいた。目は笑ってはいない。
これは終わった。きっとあれがバレたんだわ。
「あなたたち、どこに行ってたの?」
「えーと、私たちね、王城に…………」
そう答えると、ママはフフっと笑う。
その姿は悪い魔女か、鬼にしか見えない。
ピンチな状況で助けを求めるため、隣にちらりと目を寄越すと、デインも恐怖で怯えているようだった。
「王城? 全く…………嘘はよしてちょうだい。街で遊んでいたのでしょう?」
ママ……どうか私の話を最後まで聞いて。
私たち、ただ王城に呼び出されていただけなんです。怒らないで。
私の思いとは裏腹に、ママは周囲に険悪な空気が漂わせていく。
あー、誰か助けてくださーい。
私が救いの手が現れないか祈っていると、ママの背後にいた人が肩をちょんちょん。
パパだわ!
パパがいた!
鬼のママが鬱陶しい様子で振り向くと、パパは鬼の形相にビクッと肩を震わせた。それでも私はパパが輝く救世主に見えて仕方なかった。
パパ、ママに本当のことを言ってあげて!
「……何? マルス」
「シャルロット、どうか落ち着いてくれ……エステルたちは殿下にお呼ばれしていたんだよ」
ママは軽く「あらそうなの?」の一言。
よしっ、これでママの説教は回避ね。
…………ママの様子からするにあのことはバレてないいみたいだし、大丈夫そう。
私は安心でふぅーと息をつく。
そして、ママの方を見ると、鬼の形相は消えていなかった。
えっ…………まさか。
「でも、エステル。あなた、私がいない間に勉強をサボっていたそうじゃない??」
「アハハ……」
鬼の怒りを鎮めるため、私は必死に笑みを作る。
口角は勝手にピクピクと動いた。
最近、ママのお母さん、つまり私のおばあちゃんが少し体の調子が悪かったため、ママは実家に戻っていた。
私は監視がいなくなったその日から、私は時間を絵に描けるため、なんだかんだ毎日こなしていたダンスの練習や語学、国際政治などの勉強を1分たりともすることはなかった。
まぁ、いつかはバレるとは思っていたけど、こんなに早くとは思っていなかったわ。
「エステル、あなたは次期国王となるサクト王子の婚約者。つまり、あなたはこの国の王妃となるのよ? 笑っている場合じゃないわ。王妃がまともなことができなくてどうするの」
王妃のことは気にしないで。
ヒロインちゃんがなるから、私はサボってもいいのよ。
それに私は全ての時間を絵に捧げたい。
ママと約束した時まで、思った以上に時間がないの。
と答えようとした瞬間、なぜかデインが口を開いた。
「わ、分かった、ママ。明日からちゃんとするから。僕も手伝うから、怒らないで」
「デ、デインさん?」
一体何をおっしゃっているの?
すると、デインは私にだけ聞こえるように小さく言う。
「姉さん、母さんを怒らせてはダメ……僕さ、この前怒られたんだけど」
どうもデインは星光騎士になることをママに言ったところ、とんでもなく怒られたらしい。
その時のママはいつになくカンカンで、鬼に進化しそうなぐらい顔を真っ赤に染めていたそう。
まぁ、粘り強く言っていたデインに折れて最終的に許してくれたみたいだけど。
でも、ママと同じ意見だわ、戦場なんて死ぬようなところに行ってほしくないもの。
「……だから、怒らせたらいけない。母さんの言うことは聞いておこう。僕も姉さんの勉強とかダンスの練習に付き合うから」
鬼に進化しかけのママを怒らせてはならない。
…………まぁ、そのデインの考えは正解かも。
「………ママ、明日からちゃんとするわ。安心して、立派な王妃になるから」
私はデインとともに満面の笑みを作って、ママに懇願する。
そうすると、鬼の形相が消え、いつも通りになったママは「わかったわ。明日からちゃんとするのよ」と言って許してくれた。
…………本当は嫌なんだけどなぁ。
えー。
王妃はヒロインちゃんがなるのになぁ。
したところで水の泡になるだけなのになぁ。
デインとともに玄関の階段を踏んだ私は重い溜息をつくのであった。
行く前は嫌でたまらなかったけど、今は幸せでいっぱい。
しかし、レン王子に案内してもらっている際、なぜか四方八方から視線を感じた。レン王子と私が一緒にいるのが珍しかったのかなと考えていたけど、どうでもよかったので気にせず王城を観光。
デインはきっとサクト王子とたくさん話して、楽しい時間を過ごしたはず。
脳内ではしゃぐ私は素晴らしい選択をした自分に拍手。パチパチパチパチ。
部屋から脱出したのは間違いじゃなかったわ。
馬車から降り、玄関までの道をデインと2人で並んで歩いていた。
幸せに浸っていたので、今まで気づかなかったが、横からよどんだオーラを感じる。
隣にはどこか不機嫌なデインがトボトボと歩いていた。
うーん、デインは初めての王城に疲れてしまったのかしら。
「デイン、どうしたの? そんな暗い顔して。疲れた?」
デインは俯いたままこちらを向いてくれない。
何か不満なことでもあったのだろうか?
返事をじっとして待っていると、デインはこっちを向いてくれた。
こちらを見る彼の瞳はどこか訝し気さがあった。
「姉さん、なんで僕を置いて部屋を出たの……」
「えっ?」
部屋を出た理由はそりゃあ……。
「デインが殿下と一緒に話したそうにしてたから、空気を読んで退出したんだけど……」
もしかして……王子とちゃんと話ができなかった?
そりゃ、デインは王城に行くのは初めてだし、あういう場に行くのも初めて。
緊張のあまりサクト王子と楽しい話ができなかったのかも。
「もしかして、緊張してちゃんと話せなかった?」
せっかくの機会だったのに。
それなら一緒にいて上げてもよかったかも。
私がじっと黙って我慢すればいい話だし。
「いや、そんなことはなかったよ。十分話せた……必要以上にね」
「なら、どうしてそんなに不満そうなの?」
「別に大したことじゃないから気にしないで……それにしても、今の姉さんの顔、とっても生き生きしてる」
「そう? 王城を観光したおかげかしら?」
心が生き生きしていると、肌艶も良くなるらしいからいい事尽くしだわ。
「姉さん、やっぱり1人で王城を歩いていたの?」
「ううん、レン様に案内してもらっていたわ」
「レン王子と?」
デインの顔が一瞬曇る。
一緒に見に行きたかったのかしら。
それなら、申し訳ないわ。
「そうよ。おかげで普段はあまり入れない地下の図書室にも入れたわ。あそこ、神秘的で美しかったわよ」
暗い地下にやんわりと明かりを灯す。
その先には見上げるほど高さのある本棚。
先に進むと、天井窓から差し込む光。
その光が落ちる先には青緑の宝石が飾られていた。
エメラルド色の光が部屋に散らばり、不思議な空間を作る。
その場所はレン王子のお気に入りらしく、彼は嬉しそうに教えてくれた。
「王城の地下にあんなものが眠っていたんなんて……なんで早くここに来なかったのかしら」
「姉さん、ここには頻繁に来ていたんでしょ」
「そうだけど…………ん?」
玄関前にいるのは誰だろ?
目を凝らし、確認する。
そこには仁王立ちをして待っていた女性がいた。
私と同じ淡い紫色の髪で黒い瞳……。
ゲっ……嫌な予感。
ものすごーく嫌な予感。
嫌な未来が見えてしまった私は足を止める。
に、逃げなきゃ。
背を向けた瞬間、残念ながら女性から声を掛けられた。
「エステル、楽しそうな声を上げているわね」
ゆっくり振り返ると、ニヤリと口角を上げるママがいた。目は笑ってはいない。
これは終わった。きっとあれがバレたんだわ。
「あなたたち、どこに行ってたの?」
「えーと、私たちね、王城に…………」
そう答えると、ママはフフっと笑う。
その姿は悪い魔女か、鬼にしか見えない。
ピンチな状況で助けを求めるため、隣にちらりと目を寄越すと、デインも恐怖で怯えているようだった。
「王城? 全く…………嘘はよしてちょうだい。街で遊んでいたのでしょう?」
ママ……どうか私の話を最後まで聞いて。
私たち、ただ王城に呼び出されていただけなんです。怒らないで。
私の思いとは裏腹に、ママは周囲に険悪な空気が漂わせていく。
あー、誰か助けてくださーい。
私が救いの手が現れないか祈っていると、ママの背後にいた人が肩をちょんちょん。
パパだわ!
パパがいた!
鬼のママが鬱陶しい様子で振り向くと、パパは鬼の形相にビクッと肩を震わせた。それでも私はパパが輝く救世主に見えて仕方なかった。
パパ、ママに本当のことを言ってあげて!
「……何? マルス」
「シャルロット、どうか落ち着いてくれ……エステルたちは殿下にお呼ばれしていたんだよ」
ママは軽く「あらそうなの?」の一言。
よしっ、これでママの説教は回避ね。
…………ママの様子からするにあのことはバレてないいみたいだし、大丈夫そう。
私は安心でふぅーと息をつく。
そして、ママの方を見ると、鬼の形相は消えていなかった。
えっ…………まさか。
「でも、エステル。あなた、私がいない間に勉強をサボっていたそうじゃない??」
「アハハ……」
鬼の怒りを鎮めるため、私は必死に笑みを作る。
口角は勝手にピクピクと動いた。
最近、ママのお母さん、つまり私のおばあちゃんが少し体の調子が悪かったため、ママは実家に戻っていた。
私は監視がいなくなったその日から、私は時間を絵に描けるため、なんだかんだ毎日こなしていたダンスの練習や語学、国際政治などの勉強を1分たりともすることはなかった。
まぁ、いつかはバレるとは思っていたけど、こんなに早くとは思っていなかったわ。
「エステル、あなたは次期国王となるサクト王子の婚約者。つまり、あなたはこの国の王妃となるのよ? 笑っている場合じゃないわ。王妃がまともなことができなくてどうするの」
王妃のことは気にしないで。
ヒロインちゃんがなるから、私はサボってもいいのよ。
それに私は全ての時間を絵に捧げたい。
ママと約束した時まで、思った以上に時間がないの。
と答えようとした瞬間、なぜかデインが口を開いた。
「わ、分かった、ママ。明日からちゃんとするから。僕も手伝うから、怒らないで」
「デ、デインさん?」
一体何をおっしゃっているの?
すると、デインは私にだけ聞こえるように小さく言う。
「姉さん、母さんを怒らせてはダメ……僕さ、この前怒られたんだけど」
どうもデインは星光騎士になることをママに言ったところ、とんでもなく怒られたらしい。
その時のママはいつになくカンカンで、鬼に進化しそうなぐらい顔を真っ赤に染めていたそう。
まぁ、粘り強く言っていたデインに折れて最終的に許してくれたみたいだけど。
でも、ママと同じ意見だわ、戦場なんて死ぬようなところに行ってほしくないもの。
「……だから、怒らせたらいけない。母さんの言うことは聞いておこう。僕も姉さんの勉強とかダンスの練習に付き合うから」
鬼に進化しかけのママを怒らせてはならない。
…………まぁ、そのデインの考えは正解かも。
「………ママ、明日からちゃんとするわ。安心して、立派な王妃になるから」
私はデインとともに満面の笑みを作って、ママに懇願する。
そうすると、鬼の形相が消え、いつも通りになったママは「わかったわ。明日からちゃんとするのよ」と言って許してくれた。
…………本当は嫌なんだけどなぁ。
えー。
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