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第1章 約束と再会編
第13話 離れるのは嫌だ(アーサー視点)
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朝教室に行って一番にすること、それはエレちゃんへの挨拶。
僕が挨拶をすると、エレちゃんも元気よく挨拶を返してくれる。
今までは挨拶すらできなかった僕としては、嬉しいこと。
毎日が幸せだ。
だから、それが習慣だったから、彼女の様子がおかしいことはすぐに分かった。
今日のエレちゃんの挨拶はいつもと違って、淡々としたもの。
話し始めた頃はよそよそしさはあったけど、最近ではかなり打ち解けてきていた。
でも、今のエレちゃんはまるで挨拶をしたくなさそうな、話したくなさそうな様子。
体調でも悪いのだろうか。心配だ。
「エレちゃん、今日様子がおかしいけど、どうしたの?」
声をかけると、エレちゃんは迷いがあった表情から、キリっときびきびした姿勢に変わった。
「無礼を承知で申し上げます。殿下、今後私と関わらないでください」
「え?」
――――何かの冗談なのかと思った。
信じられなくて、彼女の言葉を理解するのに時間がかかった。
だが、エレちゃんの表情は硬く、向けてくる菫色の瞳はとても鋭い。
彼女は真剣に話していた。
「エレちゃん、急にどうしたの?」
「最近の私は少し浮かれていました。ですが、私は軍人で殿下は王族です。立場をわきまえなければなりません」
立場をわきまえるって……。
「エレちゃんは軍人さんだけど、その前に公爵家の人間だよ」
「それなら尚更です」
「公爵家と王族が関わるのは普通だと思うよ。お互い仲良くなって損はないと思うのだけれど」
「…………」
僕がそう主張すると、彼女は黙った。
エレちゃんがいくら軍人といっても、公爵令嬢。
公爵家の姓を捨てない限り、それは変わらない。
しかし、エレちゃんは関わるべきではないと主張。
でも、僕は決して首を縦に振らなかった。
だって、エレちゃんと関わらないだなんて嫌すぎる。
せっかくこうして話せるようになってきていたのに。
学園で同じクラスになったけど、最近まではちゃんと会話もできなかったのに。
僕は「エレちゃんと仲良くしたい」と言い続けた。
だが、お互いの主張は平行線をたどり、時間が過ぎていく。
そうして、1限目開始5分前。
エレちゃんは呆れたように、ふぅと息をついた。
そして。
「私は殿下と関わりたくありません」
「え?」
エレちゃんはこちらを真っすぐ見て、そう言った。
関わりたくない?
信じたくもないことを言われて、僕はフリーズ。
「殿下、私は殿下と関わりたくないのです」
だが、エレちゃんは追い打ちをかけるように言う。
これはエレちゃんの本心なのだろうか。
彼女の態度には違和感がある。虚勢を張っているように見えた。
「エレちゃん……」
「では、失礼します」
エレちゃんは前の席から後ろの席に移動するのか、綺麗な銀髪を揺らしながら机と机の間の階段を上っていく。
関わりたくないというのが本心であるのならいい。
嫌だけど、エレちゃんの気持ちを尊重する。
でも、本心だと思えない。
本音だとは感じなかった。
それに、離れたら、また誰かが彼女に嫌がらせをするかもしれない。
エレちゃんが傷つくのは嫌だ。
――――もう離れるなんて嫌だ。
僕が付いて行こうとすると、エレちゃんがバッと振り返る。
「殿下、ついてこないでください」
「…………」
彼女はキッと睨んでくる。思わず僕は足を止めた。
そして、エレちゃんはもう一度睨むと、踵を返し最上段へと昇っていく。
きっとあの時、クラス中が僕らを見ていたと思う。
だけど、僕にはそんなことどうでもよかった。
エレちゃんに嫌われたのではないかという気持ちでいっぱいだった。
振られた僕は仕方なく元の席に戻り、リアムの隣に座る。
先ほどまで彼女が座っていた左には誰もいない。
「大丈夫ですか、アーサー」
「全然大丈夫じゃない……」
「じゃあ、今日は休みますか」
「いや、休まない」
この教室にはエレちゃんがいる。
彼女がいる限り授業は休まない。
でも、あの言葉はダメージが大きすぎた。
もしかして、しつこすぎたのだろうか。
エレちゃんは嫌だったけど、僕が王族だから仕方なく関わっていたのだろうか。
いやいや、そんなことは…………ないはずだ。
そうだ。落ち着け、僕。
こういう時こそ冷静になるんだ。
ゆっくりと深呼吸をし、落ち着くと、情報を脳内で整理し始めた。
もし仮に、だ。
エレちゃんがしつこくて僕が嫌になったとかなら、もう少し早い段階で拒絶する。
彼女が嫌だと思うのなら、王族の僕相手にでもはっきりと「近づかないでください」と言ってくるはずだ。
だとしたら、他の人から何か吹き込まれた?
エレちゃんは素直だから、誰かから言われたことはそれをそのまま受けとめるタイプ。
いい方をすれば超素直、悪い表現をすれば言いなりになりやすい。
態度が急変したところを見ると、エレちゃんは誰かに何かを吹き込まれた可能性がある。
なら、吹き込んできた相手は誰か?
嫌がらせをしてきた相手?
エレちゃんへの嫌がらせは、多くの生徒が関与している。
それらをまとめている人がいるはずなのだが、僕が情報収集する限りでは把握できなかった。
学園の生徒をまとめる人間は、きっと地位のある人。
貴族であることは検討がついているが、どうも分からない。
だが、嫌がらせを行っている人物は、嫌がらせ現場を僕にみられることに警戒している。
今回、僕がいないところで、エレちゃんはいじめっ子に何か言われたのではないだろうか。
それなら、うん、納得できる。
――――でも、一体どこで吹き込まれたのだろう?
教室では僕がいるため、教室で吹き込んできた可能性は低い。
――――なら、女子寮では?
女子寮ではエレちゃんが何を言われているのか、何をされているのかは分からない。
でも、男の僕が女子寮に入って監視するわけにもいかず、さすがに把握できない。
このままエレちゃんに追及してもいいと思うが、彼女が答えてくれない可能性もある。
話しかけすぎて「殿下なんて大嫌い」なんて言われたら、僕のメンタルが持たない。無理無理。泣いちゃう。
…………うーん。
それなら、とりあえずあの姫様に聞いてみるのもありか……。
授業が終わると、僕はすぐさま図書館へと向かった。
僕が挨拶をすると、エレちゃんも元気よく挨拶を返してくれる。
今までは挨拶すらできなかった僕としては、嬉しいこと。
毎日が幸せだ。
だから、それが習慣だったから、彼女の様子がおかしいことはすぐに分かった。
今日のエレちゃんの挨拶はいつもと違って、淡々としたもの。
話し始めた頃はよそよそしさはあったけど、最近ではかなり打ち解けてきていた。
でも、今のエレちゃんはまるで挨拶をしたくなさそうな、話したくなさそうな様子。
体調でも悪いのだろうか。心配だ。
「エレちゃん、今日様子がおかしいけど、どうしたの?」
声をかけると、エレちゃんは迷いがあった表情から、キリっときびきびした姿勢に変わった。
「無礼を承知で申し上げます。殿下、今後私と関わらないでください」
「え?」
――――何かの冗談なのかと思った。
信じられなくて、彼女の言葉を理解するのに時間がかかった。
だが、エレちゃんの表情は硬く、向けてくる菫色の瞳はとても鋭い。
彼女は真剣に話していた。
「エレちゃん、急にどうしたの?」
「最近の私は少し浮かれていました。ですが、私は軍人で殿下は王族です。立場をわきまえなければなりません」
立場をわきまえるって……。
「エレちゃんは軍人さんだけど、その前に公爵家の人間だよ」
「それなら尚更です」
「公爵家と王族が関わるのは普通だと思うよ。お互い仲良くなって損はないと思うのだけれど」
「…………」
僕がそう主張すると、彼女は黙った。
エレちゃんがいくら軍人といっても、公爵令嬢。
公爵家の姓を捨てない限り、それは変わらない。
しかし、エレちゃんは関わるべきではないと主張。
でも、僕は決して首を縦に振らなかった。
だって、エレちゃんと関わらないだなんて嫌すぎる。
せっかくこうして話せるようになってきていたのに。
学園で同じクラスになったけど、最近まではちゃんと会話もできなかったのに。
僕は「エレちゃんと仲良くしたい」と言い続けた。
だが、お互いの主張は平行線をたどり、時間が過ぎていく。
そうして、1限目開始5分前。
エレちゃんは呆れたように、ふぅと息をついた。
そして。
「私は殿下と関わりたくありません」
「え?」
エレちゃんはこちらを真っすぐ見て、そう言った。
関わりたくない?
信じたくもないことを言われて、僕はフリーズ。
「殿下、私は殿下と関わりたくないのです」
だが、エレちゃんは追い打ちをかけるように言う。
これはエレちゃんの本心なのだろうか。
彼女の態度には違和感がある。虚勢を張っているように見えた。
「エレちゃん……」
「では、失礼します」
エレちゃんは前の席から後ろの席に移動するのか、綺麗な銀髪を揺らしながら机と机の間の階段を上っていく。
関わりたくないというのが本心であるのならいい。
嫌だけど、エレちゃんの気持ちを尊重する。
でも、本心だと思えない。
本音だとは感じなかった。
それに、離れたら、また誰かが彼女に嫌がらせをするかもしれない。
エレちゃんが傷つくのは嫌だ。
――――もう離れるなんて嫌だ。
僕が付いて行こうとすると、エレちゃんがバッと振り返る。
「殿下、ついてこないでください」
「…………」
彼女はキッと睨んでくる。思わず僕は足を止めた。
そして、エレちゃんはもう一度睨むと、踵を返し最上段へと昇っていく。
きっとあの時、クラス中が僕らを見ていたと思う。
だけど、僕にはそんなことどうでもよかった。
エレちゃんに嫌われたのではないかという気持ちでいっぱいだった。
振られた僕は仕方なく元の席に戻り、リアムの隣に座る。
先ほどまで彼女が座っていた左には誰もいない。
「大丈夫ですか、アーサー」
「全然大丈夫じゃない……」
「じゃあ、今日は休みますか」
「いや、休まない」
この教室にはエレちゃんがいる。
彼女がいる限り授業は休まない。
でも、あの言葉はダメージが大きすぎた。
もしかして、しつこすぎたのだろうか。
エレちゃんは嫌だったけど、僕が王族だから仕方なく関わっていたのだろうか。
いやいや、そんなことは…………ないはずだ。
そうだ。落ち着け、僕。
こういう時こそ冷静になるんだ。
ゆっくりと深呼吸をし、落ち着くと、情報を脳内で整理し始めた。
もし仮に、だ。
エレちゃんがしつこくて僕が嫌になったとかなら、もう少し早い段階で拒絶する。
彼女が嫌だと思うのなら、王族の僕相手にでもはっきりと「近づかないでください」と言ってくるはずだ。
だとしたら、他の人から何か吹き込まれた?
エレちゃんは素直だから、誰かから言われたことはそれをそのまま受けとめるタイプ。
いい方をすれば超素直、悪い表現をすれば言いなりになりやすい。
態度が急変したところを見ると、エレちゃんは誰かに何かを吹き込まれた可能性がある。
なら、吹き込んできた相手は誰か?
嫌がらせをしてきた相手?
エレちゃんへの嫌がらせは、多くの生徒が関与している。
それらをまとめている人がいるはずなのだが、僕が情報収集する限りでは把握できなかった。
学園の生徒をまとめる人間は、きっと地位のある人。
貴族であることは検討がついているが、どうも分からない。
だが、嫌がらせを行っている人物は、嫌がらせ現場を僕にみられることに警戒している。
今回、僕がいないところで、エレちゃんはいじめっ子に何か言われたのではないだろうか。
それなら、うん、納得できる。
――――でも、一体どこで吹き込まれたのだろう?
教室では僕がいるため、教室で吹き込んできた可能性は低い。
――――なら、女子寮では?
女子寮ではエレちゃんが何を言われているのか、何をされているのかは分からない。
でも、男の僕が女子寮に入って監視するわけにもいかず、さすがに把握できない。
このままエレちゃんに追及してもいいと思うが、彼女が答えてくれない可能性もある。
話しかけすぎて「殿下なんて大嫌い」なんて言われたら、僕のメンタルが持たない。無理無理。泣いちゃう。
…………うーん。
それなら、とりあえずあの姫様に聞いてみるのもありか……。
授業が終わると、僕はすぐさま図書館へと向かった。
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